【国内ニュース】
カジノIRジャパンは10月30日(金)開催の「日本IR創設サミットin泉佐野KIXりんくう」のプログラムの中から、泉佐野プレゼンテーション、そして、三つのパネルディスカッションをレポートする。
第三回は、パネルディスカッション「地方が国による地域選定を勝ち抜くためのIR提案とは?~MICE、医療ツーリズムetc カジノ以外に何を核に置くのか?」。当パネルディスカッションは、サブテーマ毎に3分割して報告する。
日本IR創設サミットin泉佐野KIXりんくう レポート:
第1回:IR推進法案の現況と展望
第2回:泉佐野プレゼンテーション
第3回:地方が国による地域選定を勝ち抜くためのIR提案とは?
地方へのアドバイス- Ⅰ:どのようなIR(ハード=構築物、ソフト=運営サービス)を国に提案すべきか?
地方へのアドバイスー Ⅱ: いまからIR推進法案成立までの間、自治体、誘致団体、事業者は何をすべきか?
各登壇者のマニフェスト:自らIR推進法成立まで何をするか? どのように地方に貢献するか?
第4回:監査法人BIG4 地区申請から地区選定までのフロー
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リマインダー:10/30 日本IR創設サミットin泉佐野 IR議連、監査法人、識者、オペレーター勢揃い
パネラー | |
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阿部 功 氏 | 泉佐野市都市計画審議会会長 泉佐野りんくう国際観光振興協議会テクニカルアドバイザー (自治体の都市計画、都市開発の視点) |
岡部 智 氏 | 株式会社電通 IR・観光プロジェクト 部長 (総合的な視点) |
桐山 満啓 氏 | Bloomberry Resorts Corporation JAPAN DESK (カジノオペレーターの視点) |
東條 秀彦 氏 | 公益財団法人 大阪観光局 MICE誘致担当 シニアディレクター (MICEの視点) |
西 謙一 氏 | シップヘルスケアホールディングス コンサルタント (医療ツーリズムの視点) |
コーディネーター | |
小池 隆由 | カジノIRジャパン運営・編集 キャピタル&イノベーション株式会社 |
【総括:自らの地域の理解、合意形成、最適IRのコンセンサスづくり。住民の理解促進が肝】
現在、関係者の関心はIR推進法の成立タイミングに集中している。しかし、IR推進法案法案成立後には、IR実施法の整備、国による地域選定プロセスの展開が急ピッチで進むことになる。今からIR推進法成立までの活動、準備は、その後の地域間の誘致競争の結果を大きく左右することになる。すでに地域のIR誘致レースの号砲は鳴っていると考えるべき。
本パネルディスカッションの二つめのテーマは「今からIR推進法成立までに何をすべきか?何をすれば、誘致レースで優位に立てるか?」。
各パネラーのアドバイスは以下の三点に集約される。
1)地域の課題、現状と展望を正しく理解する。10-20年後の姿を描き、IRがない場合、ある場合の差分を把握
2)地域の4つのステークホルダー(政治、自治体、経済、住民)の合意形成、IR誘致のエネルギー創出
3)地域に最適なIRの議論を深め、コンセンサスを練り上げる
最重要の課題は「住民」の合意形成。逆に言えば、ここが地方からすれば、最大の差別化ポイントとなる。
一般に全国ベースの世論調査では、カジノ解禁の賛否が半々。これに対し、泉佐野市では、広義の賛成(賛成+条件付き賛成)は、市民68%、事業者78%(2013年5月、3月)。
この背景は、官民を連携した理解促進活動、関西国際空港とりんくうプレミアム・アウトレットの成功体験を通じて、市民一人ひとり、事業者一社一社が自ら街づくりを考えた結果と考えられる。
【阿部 功 氏】
・IR推進法案の成立はスタートではなく、ほぼゴールライン直前のバックストレートと考えるべき
・泉佐野市のステークホルダー皆が十分に課題認識すべき。関西国際空港からの通過都市のイメージ払しょく、グルーバル都市への変貌
・IRプログラムについては、医療ツーリズムなど市の既存政策と十分に連携させることが重要
【岡部 智 氏】
・今からIR推進法の成立まで、ものすごく時間がない(仮に一年としても、)
・IRは民間資金を活用した公共事業。県、市、地元企業の連携の体制構築が不可欠
・三者の風通し良くして、どういう都市計画ビジョンを描くのかをしっかり考える。
・IR推進法成立後に活動開始した場合、地域はスケジュールに追われ、箱モノ主体の計画に陥らざるを得ない。誘致レースに勝つのは困難
【桐山 満啓 氏】
・地域のステークホルダーの一体化が重要
・地域の人々が正しくカジノやIRを理解すること。誤解を払しょくすることが重要
・IR推進法成立からIR実現まで5年の年月を要する。IRの国際競争における優位をどう築くか考えるべき
【東條 秀彦 氏】
・MICE市場の実態が十分に把握されていない。まずは、地域のMICEの実態を把握すべき
・日本には約70のMICE誘致専門組織(多くが広域財団法人)があるが、大半は誘致能力不足。人材育成が急務
・IRでMICEのハードを整備すると同時に、ソフトを作り上げるプランが重要
【西 謙一 氏】
・医療ツーリズム、ヘルスケアは、自治体の規模に左右されない。地方IRこそ医療ツーリズムを武器にできる
・IRが医療ツーリズムをフィーチャーすれば、それは地域住民にもベネフィットを還元できる
・新しいものに副産物は必然。ギャンブル依存症については、IR誘致主体が対策を講じるべき。国内外に優秀な医療リソースがある
カジノIRジャパン
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