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制度設計 - IR区域指定と事業者選定に関する選択肢(2/3)

2016-01-19

【インタビュー&特集記事】

区域指定と事業者選定-美原さん

カジノIRジャパンでは、2015年11月12月初にかけて、「日本IR創設サミットin泉佐野KIXりんくう」(10月30日)のプログラムを詳細にレポートした。

そのプログラム「監査法人BIG4 地区申請から地区選定までのフロー」において、一つの問題提起があった。IR区域指定と、事業者選定の位置づけ、および、順序についてである。

「監査法人BIG4 地区申請から地区選定までのフロー」における議論は、”自治体が実施する事業者選定”が先に行われ、その後に、自治体と事業者がパートナーとして、”国が実施する区域選定”に進む順序(事業者選定先行)を前提として進められた。

一方、現在のIR法制度の想定(IR議連「IR実施法案の基本的な考え方」)は、逆に、”国が実施する区域選定”が先に行われ、その後に、”自治体が実施する事業者選定”に進む順序(区域選定先行)である。

カジノIRジャパンは美原 融 氏(大阪商業大学 教授)に取材インタビューを実施した。美原氏は、想定されるIR法制度の枠組みにおける国、自治体、民の役割分担と責任範囲から、区域選定先行が基本であるとの見解。

区域選定先行、事業者選定先行を考えるポイント(想定される法制度において)は、
・国が自治体を評価・選定する基準は、目的、必要性、地域政策との整合性、地域社会の合意形成
(事業計画の詳細、事業者の能力ではない)
・自治体は、民間のアイデアを吸収(RFC)し、国に提案。選定後、自らのビジョン実現に最適な事業者を選定(RFP)
(区域選定先行においても、自治体は初期段階から民間の力を十分に活用できる)

4.事業者の公募、評価、選定は、競争性を担保したプロセスに基づき、自治体が担うべき(国ではない):

●IRはその特性から、地域毎の背景、構成要素、考慮すべき事項も異なり、かつ地域に密着した課題を含む。ゆえに、地方公共団体が、事業の評価、事業としての継続性・安定性の担保を定め、競争的公募により事業者を選定することが基本となる。

●国は、事業者の清廉潔白性を審査し、当該事業者が適格であることを認証する。国は、当該事業者の提案、事業内容、財政的健全性、継続性などは、関知せず、これらは地方公共団体が評価し、判断すべき事項となる。

5.区域指定と事業者選定のタイミング(基本は、区域指定が先行、事業者選定はその後):

●(自治体による)事業者選定が先行、区域指定はその後とする考え(さまざまな観点からリスクが大きく、現実的ではない);

-自治体による事業者選定を先行し、、区域指定はその後とするならば、民間事業者の関心は、市場性が大きい大都市に集中せざるを得ない。この場合、IR誘致を志向する地方の自治体は、大都市との競争において、不利になるリスクがある。

-自治体が先に事業者を選定し、その後、国に対して区域申請する場合、当該自治体が指定されない可能性が生じる。自治体、民間事業者は大きなリスクを抱えることになる
(この前提では、民間事業者はフルにコミットせず、必ずしも、計画策定において十分な経営リソースを投下しない可能性がある)

-自治体が国による指定を受けていない段階で、(かつ、事業者の適格性を国が検証していない段階で)、自治体が事業者を選定する手順を適切に進めることができるるか懸念される。自治体が公募により、事業者を選定し、開発協定を締結しても、すべては停止条件付きとならざるを得ない。むろん、自治体が随意契約で、特定民間主体を選定すれば、透明性、公平性の観点から大きな問題となる。

-自治体が国に指定を受けていない段階、すなわち計画の前提条件に曖昧さが残る状況で、自治体が特定事業者の提案に基づき、区域申請を行う場合、条件を固めて公募により、広く提案を募ることにより得られるメリットが削がれる。

-自治体が事業者と一体になり、国に対して、区域申請することになる。両者の腐敗・癒着のリスクが高まる。自治体と事業者は、本来は利害が異なり、むしろ、条件交渉を行う関係である。区域が指定されていない状況(すなわち、開発の前提条件や枠組みが固定していない状況)で、本来は利害が対立するはずの主体間が協働することは癒着のリスクを高める。

-自治体による事業者選定を先行すれば、自治体は事業者案をベースに具体性がある提案を持って区域申請ができるとの見解がある。しかし、国は自治体から求める提案は、具体の事業計画ではない。

●国による区域指定(自治体)が先行、(自治体による)事業者選定はその後とする考え:

-国は区域指定において、地域の政策、IR設置に関する地域としての戦略、効果などの評価基準を定め、自治体の提案から最も適切と想定される提案を選ぶべき。国は事業者を選定するわけではない。国は事業者と自治体のパッケージを選定するわけではない。

-区域指定先行、自治体による事業者選定をその後とし、かつ、事業者による国に対する適格性認証申請を最後とすることにより、国の審査業務の大幅な軽減が図られる(後述)。

-自治体の国に対する区域指定案の策定において、自治体は民間事業者との対話を否定されない。ただし、この対話を事業者選定を切り離すことにより、自治体と民間事業者の癒着・腐敗を起こすリスクは避けられる。

-国による自治体・区域が先行して決まっている場合、民間事業者は個別地域・区域の特性を踏まえた具体性の強い提案ができる
(案件実現の可能性が高い場合、より具体性のあるコミットメントを競争環境で取得しやすい)。

●なお、区域選定先行、事業者選定先行のいずれの場合でも、自治体は事業者を選定する段階においては、国の機関は当該事業者の適格性を検証していない公算が高い(後述)。
この場合、自治体にとり、不適切な主体と契約をしかねないことになり、大きなリスクを抱えることになる。

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