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依存症問題に挑む元官僚 宇佐美典也氏 第2回「カジノを含む型統合リゾート(IR)への期待」

2016-03-10

【インタビュー&特集記事】

宇佐美氏ー画像

宇佐美典也氏は、経済産業省の官僚出身であり、在任時には知財、電機半導体、エネルギーなどの産業政策に関わってきた。経済産業省在籍時に「三十路の官僚のブログ」で話題となり、その後、「30歳キャリア官僚が最後にどうしても伝えたいこと」、「肩書き捨てたら地獄だった ―挫折した元官僚が教える『頼れない』時代の働き方」などの書籍を発表。

現在は、エネルギー事業を営みながら、ギャンブル依存症問題の改善に取り組む。カジノを含む統合型リゾート(IR)に関連しては、産業政策、ギャンブル制度と監督体制、そして、ギャンブル依存症問題、と多面的な視点で深い見識を有する。

宇佐美氏は、IRを推進する立場ではない。むしろ、ギャンブル依存症問題に向き合う立場からの視点が強い。その客観性ゆえに、その意見は、IR無関心層、中立派、そして、反対派に対しても、貴重な示唆を与えるだろう。

宇佐美氏は、IRの議論を契機にギャンブル依存症問題が注目されたことを評価する。また、日本の産業政策に携わってきただけに、IRの観光促進、文化振興、地域創生などにおける経済効果の大きさを十分に理解する。
そのうえで、政府がIR実現を契機にギャンブル依存症問題の対策をしっかり進めるならば、状況が改善する良いきっかけになると期待する。

今回は二回目。

宇佐美典也氏 インタビュー:
依存症問題に挑む元官僚 宇佐美典也氏 第1回「ギャンブル依存症、制度設計、監督体制に問題意識」

第2回 「カジノを含む統合型リゾート(IR)への期待」

ギャンブル依存症問題は今が底、最悪の状況
私はカジノを含む統合型リゾート(IR)の専門家ではありません。そのため、どうしてもギャンブル依存症問題に向き合っている立場からの意見になります。

カジノに関する一般的な反対意見として「カジノができると、ギャンブル依存症問題が拡大するので反対」という声を良く聞きますが、問題はそんな単純なものではないと思っています。
ギャンブル依存症問題に実際に関わる立場からすると、依存症問題は現在こそ最悪に近い状況なのではないかと思っています。私の知る限り、先進国でこれほどギャンブル業界がギャンブル依存症問題に責任を取ろうとしない国はありません。

パチンコ、公営競技など既存ギャンブルを規定した法律は、ギャンブル依存症問題をほとんど考慮していない設計になっています。また政府もこれだけ公営ギャンブルを推進しながらギャンブル依存症に関しては未だ満足な調査すら行っていない状況です。ギャンブル依存症問題はずっと「見て見ぬ振り」されてきました。

IRの議論を機にギャンブル依存症に向き合う法制度改革を
私は決してIRを推進する立場ではありませんが、IRの議論を契機にギャンブル依存症問題が注目されたのは評価すべきことだと思っています。また、IRが観光促進、文化振興、地域創生などの面で経済効果が大きいことは十分に理解しているつもりです。

なので、政府がIR実現を契機にギャンブル依存症問題の対策をしっかり進めるならば、状況が改善する良いきっかけにすらなりうるのではないか、とも考えています。

一つ他産業の例を挙げますと私が官僚時代に担当していた工場立地分野でも、戦後長らく「経済復興」の名の下に公害問題が放置され続けてきました。それがいわゆる四大公害病問題を受けて世論が高まり、1967年に公害対策基本法が成立し、1970年のいわゆる「公害国会」で公害対策を義務づける法律が相次いで作られ、1971年に環境庁が誕生することになりました。

今では製造業であれば、工場を作るにあたって、環境対策を講じるというのは当たり前の話になっていますし、日本の製造業の環境関連技術は競争力の源泉になっています。

ギャンブル産業における依存症問題もこうした他の産業とのアナロジーで考えられるべき問題だと思っています。
ギャンブル業界が依存症を生み出すのはある種の宿命ですから、社会的な負の側面であるギャンブル依存症対策を積極的に講じるのは当たり前の話だと思います。

IRの推進というのはギャンブル業界にそういう経済倫理が確立した上で論じられるべき話だと思いますし、それがひいては業界の競争力強化につながるのではないでしょうか。

IRはインバウンドの在り方を変えるツールになりうる
少し、IRに関してポジティブなことも言いたいと思います。私はしばしばフィリピンに出張して国際会議などに出席しますが、フィリピンではこうしたMICE用の施設とホテルとカジノが一体に整備されていて、カジノはそれほど「特別な場所」と意識することなく、例えばディナーの後に友人同士でレジャーで訪れるようなところになっているように感じます。

施設全体で見ると経済的にはカジノの収益力が大きいので、そのほかの観光や文化を促進する施設群の経営が成立すると聞いています。

例えば、都市部ではない地方の観光地に行くと観光客は夜に時間を持て余すことになりますから、同じように日本においてもこのような形でIRが整備されることは「地域経済を維持する」という観点で悪いことではないのかもしれません。

日本の従来の観光政策の在り方は、お金がどこに落ちるかということをあまり考慮せずに、とにかくインバウンドの観光客を増やせばいいという方針でした。
これからは、数だけでなく、真の意味での経済効果を考えていく中で、IRは一人当たりの消費額を伸ばす有力なツールとなることは間違いないと思います。

IRはホストコミュニティにおける役割-緊急時対応
また、少し話が変わりますが、私はエネルギー産業に従事していますが、その視点からIRに期待することがあります。IRが緊急時に地域社会、ホストコミュニティから頼りにされる地域インフラとなることです。

IRは地域社会から見れば、沢山の人が集まる、一種の迷惑施設です。
それだけに、逆に、緊急時には避難場所なり、電気の供給源(発電)なり、防犯施設なり、衣食住の供給の基地なりの役割を果たす頼りにされる場所になることが求められるのではないでしょうか。

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