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IRにおけるゲーミングライセンス制度 第33回「オンラインカジノの合法性の検討」

2016-03-18

【IR資料室】

第33回 オンラインカジノの合法性の検討

弁護士 渡邉 雅之 (略歴は巻末を参照)

今回は、最近、警察による摘発が相次いでいるオンラインカジノの合法性について検討いたします。

1 オンラインカジノ

インターネット等を通じて行われるカジノをオンラインカジノ(online casino)と言います。英国領マン島、フィリピン、マルタのように、オンラインカジノを合法化している国・地域もあります。わが国では刑法185条の賭博罪、186条2項の賭博開帳罪に違反するのではないかとの議論があります。

オンラインカジノに対して、カジノ施設で行われるカジノのことをLand based casinoということがあります。

2 2件の摘発事例

(1)1件目の摘発事例
海外のオンラインカジノに賭け金を振り込むための決済サービスを運営し、プレイヤー(顧客)に賭博をさせていたとして、さいたま市の会社役員の男性ら2人が2016年2月中旬、常習賭博罪の疑いで千葉県警に逮捕されました。無店舗型のオンラインカジノについて、賭博罪が適用されるのは全国初の事案でした。

報道によれば、会社役員らは2012年から2015年までのおよそ3年間、海外のオンラインカジノが利用できる決済サービスを運営し、常習的に不特定多数の客に賭博行為をさせていた疑いが持たれています。これまで10億円を超える利益をあげていたとみられます。

バカラなどができるソフトを客のパソコンにインストールさせたうえで、賭け金を指定の口座に振り込ませ、勝敗に応じて現金を払い戻していたとのことです。

(2)2件目の摘発事例
インターネット上のオンラインカジノで賭博をしたとして、京都府警は2016年3月10日、大阪府吹田市の30代男性ら3人を、単純賭博容疑で逮捕しました。無店舗型オンラインカジノでプレイヤー(顧客)が逮捕されるのは全国初の事案でした。

報道によれば、3人は2016年2月頃、オンラインカジノに接続し、「ブラックジャック」で金を賭けた疑いが持たれています。利用したサイトは英国に拠点ですが、日本人女性のディーラーがルーレットやブラックジャックなどのゲームを提供していました。

プレイヤーは、あらかじめ氏名やメールアドレスなどを登録し、クレジットカードや決済サイトを使って入金し、賭けていました。サイトは日本語でやりとりができ、賭博の開催時間は、日本時間の夕方から深夜に設定されていました。サイトでは1日平均で合計95万円程度が賭けられました。

3人の逮捕容疑は2016年2月18日から26日までに、会員制カジノサイト「スマートライブカジノ」で、ブラックジャックのゲームに現金計約22万円を賭けた疑いがあります。容疑者の一人は「1000万円ほど賭けた」と話しているようです。

今回の逮捕は、画面上に利用客がやりとりする「チャット」機能もあり、府警はこの書き込みなどを元に容疑者を割り出したようです。京都府警は事実上、国内で日本人向けにカジノが開かれて賭博行為をしていると判断したとのことです。

3 属地主義・属人主義

刑法は、日本国内において罪を犯したすべての者に適用されることになっています(刑法1条)。これは、「属地主義」(国内で犯された犯罪に対しては行為者の国籍を問わず自国の刑法を適用する)という考え方です。

したがって、日本国内で外国人が地下カジノ等でプレー(賭け)をする場合も、賭博罪(刑法185条)や常習賭博罪(同法186条1項)の対象となります。また、オンラインカジノについても、国内で店舗型のオンラインカジノを設けている場合は、店主には賭博開帳罪(同法186条2項)、プレイヤーには賭博罪や常習賭博罪を適用して摘発されてきた例が多数あります。

他方、日本人が海外旅行の際に、海外のカジノにおいてプレー(賭け)をする行為は明らかに賭博行為ですが、違法ではありません。また、日本の法人やその現地法人が日本国外においてカジノ場を運営してもこれは違法ではありません。これは、賭博罪、常習賭博罪、賭博開帳罪が、日本国民の国外犯処罰規定(同法3条)の対象となっていないからです。すなわち、わが国は賭博関連罪について、「属人主義」(自国民による犯罪に対しては犯罪地を問わず自国の刑法を適用する)を適用していないのです。

 最近、プロ野球の元投手である韓国人がマカオで多額の賭けをして「海外遠征賭博」により、韓国当局により逮捕されたことが話題になりましたが、これは、韓国の関連刑法において、「属人主義」を採用しているからであると思われます 。

4 グレーゾーン論者の主張

上記3のとおり、国外で日本人がカジノでプレーすることや日本の法人が海外でカジノを運営することは、(常習)賭博罪や賭博開帳罪の対象となりません。他方、日本国内の店舗(インターネット賭博カフェ)においてオンラインカジノを提供している場合は、運営者には賭博開帳罪、プレイヤーには(常習)賭博罪が適用されます。

問題となるのは、海外のオンラインカジノ事業者が日本国内に店舗を設けずに、インターネットを通じて日本国内のプレイヤーにオンラインカジノを提供している場合です。ここにいう「海外のオンラインカジノ事業者」には、日本にいる者が海外にサーバーを設けているような実態が国内で行われている場合とそうでない場合のいずれも含みます。

このようなオンラインカジノについて「違法ではない」と主張する者も、完全に「合法である」とは主張しておらず、以下のとおり、「グレーゾーン」でありプレーをしても(常習
)賭博罪に該当しないので、「安心してプレーをしてください」「インターネット賭博カフェと自宅でのネット賭博は違うので安全」などと説明しているのです。

(グレーゾーン論者の主張)

インターネットを通じて、日本国内で賭博に参加していると評価されれば日本の刑法が適用され、賭博罪に該当する。これに対して、日本国外で賭博に参加していると評価されれば、海外の法律が適用されるということになれば、合法となる。この点については現在のところ不透明である。
仮に、国内で賭博に参加していたとしても、賭博罪は、「必要的共犯」であり、賭博開帳者と共に処罰される(刑法186条2項参照)ことが前提である。賭博開帳者が国外犯として処罰されないのであれば、その対抗犯である賭博罪は成立しない。

 

5 グレーゾーン論者の主張に対する疑問

上記4のグレーゾーン論者の主張は、「必要的共犯」で賭博開帳者が処罰されないから、国内のプレイヤーが賭けるのも現在のところ、違法ではないから「どうぞやってください」という姿勢に大きな違和感があります。

現在、ランドベースのカジノを含む統合的なリゾート(Integrated Resort(IR))を推進する『特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案』(IR推進法案)が国会(衆法)に提出されていますが、同法案が成立した上で提出されるIR実施法案においては、賭博罪との関係での合法性の問題、賭博依存症対策の問題、マネー・ローンダリング対策の問題、反社会的勢力の排除の問題等の対応をすることが求められています。

そのような対策も全く取られず、野放図にプレイヤーに賭博を推奨する行為自体、問題があると考えられます。オンラインカジノは暴力団の資金源となっている可能性も大きいですし、間違いなく賭博依存症の問題があるはずです。さらに、オンラインカジノは、その匿名性とビットコインなどの仮装通貨を利用することによって、マネー・ローンダリングに利用されているとの報告もあるところです。

また、同じ国内でも、オンライン賭博カフェでプレーすれば賭博罪になり、自宅で行えば賭博罪に該当しないというのも大きな違和感があります。

特に、日本から国外にサイトを開いて、そのサイトで開帳しても、その実際の管理運営は日本から行う場合は、そうした賭博行為はサイトが海外にあるというだけで、開帳者も賭けを行うものも日本国内で、かつ日本で遠隔操作する場合には、賭博開帳行為・賭博の両方とも日本国内において行われていると評価せざるを得ないのではないでしょうか。

6 必要的共犯の主張についての検討

「必要的共犯」とは、「任意的共犯」の対となる概念です。

「任意的共犯」が、単独でも犯しうる犯罪に複数人が関与する場合で、共同正犯(刑法60条)、教唆犯(同法61条)、幇助犯(同法62条)の規定が適用されます。たとえば、殺人罪(同法199条)や窃盗座(同法235条)は共犯の存在なくして成立し得ます。

これに対して、「必要的共犯」は、その犯罪が成立するために複数人による共働や加功が犯罪類型上、前提とされているものです。

「必要的共犯」にも、「集団犯」と「対抗犯」の2種類があります。

「集団犯」は、内乱罪(刑法77条)や騒乱罪(同法106条)のように、犯罪の構成要件上同一の目標に向けられた多衆の共同行為を要する犯罪をいいます。

「対抗犯」は、重婚罪(同法184条)、贈賄罪・収賄罪(同法197条~198条)のように、犯罪の構成要件上2人以上の者の互いに対抗した行為を必要とする犯罪をいいます。その双方とも処罰される場合が一般的ですが、わいせつ物頒布・販売罪(刑法175条)のように、対向者の一方のみ(販売者)を処罰する場合もあります。

グレーゾーン論者が、賭博開帳罪と(常習)賭博罪が必要的共犯であると主張する根拠の拠り所となるのが、東京地判昭和59年11月5日(刑集最高裁判所刑事判例集40巻6号514頁)です。

同事件では、賭博遊技場経営者に賭博開帳罪の実行行為が成立すると認められるためには、「経営者の右の個々の賭客との賭博行為の存在を立証する必要がある」として、その理由を以下のとおり掲げています。

「賭博行為」は、財物を賭して偶然の輸を争う行為であって、相手方たる賭客の存在を必要とする対向的必要的共犯であり、これを処罰する理由は、賭博が「国民をして怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強盗その他の副次的犯罪を誘発し又は国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらある」(最判昭和二五年一一月二二日刑集四巻二三八〇頁)ことにあるほか、「當事者ノ産ヲ破ル虞アルカ故」(大判昭和四年二月一八日法律新聞二九七〇号九頁)にこれを処罰するのであり、その保護対象が、公益ばかりでなく、個人的な面にも及んでいることを考慮すれば、賭博遊技場経営者の賭博行為を「不特定多数の賭客を相手方とした賭博行為」と広く捉えると、個々の相手方たる賭客の存在があいまいとなり、その賭客の勤労観念や財産等を侵害する点を捨象する点を捨象することになるので、やはり個々の賭客の存在を明らかにし、その賭客との間の賭博行為としての刑事責任を問うべきものと考える。

 
気を付けなければならないのは、上記判決は下級審レベル(東京地方裁判所)の判決であるということです。

最高裁判所の判決である最判昭和24年1月11日(最高裁判所裁判集刑事7号11頁) は、以下のとおり、賭博開帳罪と常習賭博罪を別個独立の犯罪であり、賭博の共犯者中に賭博開帳罪に該当するものがなく、同罪によって処罰されたものがなかったとしても常習賭博罪は成立するものと判示しています。

常習賭博罪と賭博開張罪とは刑法第一八六条の第一項と第二項とに分けて規定されて居るのであつて、もともと両罪は罪質を異にし、且その構成要件も何ら関聯するところがないのであるから、両罪が同一条下に規定されて居るからと云うて、所論のように不可分の関係にあるものと即断することは出来ないし、又両罪は全然別個の犯罪事実に関するものであるから、所論のように正犯と従犯の関係にあるものでないことも極めて明白であるばかりでなく、被告人両名の賭博常習性の有無は専ら、各被告人個人の習癖の有無によつて決せられることであるから、本件賭博の共犯者中に賭博開張罪に該当するものがなく、又同罪によつて処断されたものがなかつたとしても、それによつて被告人両名に対する常習賭博罪の成立が阻却される理由は少しも存しない。

 
本判決は、賭博開帳罪と(常習)賭博罪が必要的共犯であることを否定した判決であると考えられます。

「賭博罪」(刑法185条)と「常習賭博罪」(同法186条1項)の違いは、「常習性」だけですので、本判決に従えば、「賭博開帳罪」と「賭博罪」についても別個独立の犯罪であると考えられます。筆者はこの裁判の判示が正しいものと考えています。

著名な刑法学者(大谷實、山口敦、前田雅英先生らの著書)の書籍を調べてみた限りでは、「贈賄罪」と「収賄罪」の関係と同様に、「賭博開帳罪」と「(常習)賭博罪」について、「対抗的必要的共犯」であるとするものはありませんでした。

なお、仮に、「賭博開帳罪」と「(常習)賭博罪」が、上記の東京地方裁判所の判決のとおり、対抗的必要的共犯であったとしても、グレーゾーン論者が主張するとおりの結論となるかについても疑問があります。

上記の東京地方裁判所の判決では、賭博遊技場経営者に賭博開帳罪の成立のためには、対抗的なプレイヤー(顧客)の賭博行為がなければならないとするものです。海外にサーバーを置くオンラインカジノ事業者については、オンラインカジノ事業者の「賭博場の開帳」とプレイヤーの「賭博行為」というそれぞれの実行行為はいずれも特定しており、仮に属地主義の観点からオンラインカジノ事業者に賭博開帳罪が成立しないとしても、それに伴って、国内のプレイヤーに(常習)賭博罪が成立しないとまで言えるかについては疑問があります。

贈賄罪・収賄罪のような対抗的必要的共犯について、贈賄者が国外にいて、収賄者が国内にいる場合に、贈賄者に贈賄罪が成立しないからといって、収賄者に収賄罪が成立しないと考えられているか、というとそういう訳ではないと思われます。

この点については、筆者がリサーチした限り、明確に論点として挙げている文献はありませんでした。

しかしながら、筆者は、下記7に掲げるとおり、海外のオンラインカジノ事業者の「賭博場の開帳」は「国内において」行われているものと考えられ、そもそも、必要的共犯か否かは論点にならないものと考えています。

7 「国内において」行われているか

筆者は、海外のオンラインカジノ事業者は、日本国内にいるプレイヤーを相手にサービスを提供している以上、「国内において」賭博場を開帳しているものとして、賭博開帳罪が適用されるものと考えます。

実際、公然わいせつ罪(刑法174条)に関しては、海外サーバーに猥褻な画像をアップロードして有罪となった事件や海外に拠点を置く動画投稿サイトの運営者が有罪となった事件があります。

また、金融庁は、外国の銀行や証券会社がインターネットを通じて、日本国内の顧客に対して、預金や有価証券を勧誘することは、銀行法や金融商品取引法に照らして違法である旨、インターネット上で注意喚起をしております 。

インターネットを通じて、国内のプレイヤーに対してサービスを提供している以上、「国内において」賭博開帳行為が行われていると考えるべきです。

この点について、平成25年に私の友人である国会議員にお願いして「賭博罪及び富くじ罪に関する質問主意書」 と題する質問主意書を提出していただきました。その質問部分は以下のとおりです。

一 日本国内から、インターネットを通じて、海外で開設されたインターネットのオンラインカジノに参加したり、インターネットで中継されている海外のカジノに参加することは、国内のインターネットカジノ店において参加する場合だけでなく、国内の自宅からインターネットを通じて参加する場合であっても、刑法第百八十五条の賭博罪に該当するという理解でよいか。
二 上記一の「日本に所在する者」にサービスを提供した者には、国内犯が適用されるか。すなわち、海外にサーバを置いて賭博サービスを提供する業者にも、賭博開帳罪(同法第百八十六条第二項)が成立し得るという理解でよいか。
三 賭博罪の成立要件とされる必要的共犯に関して、共犯者の片方(賭博に参加する者)が国内、もう片方(賭博開帳者)が国外に所在する場合に共犯関係は成立し得るのか。片方を罰する事が出来ない(非可罰的な)状態にあっても、両者による共犯関係を立証することが出来ればもう片方の者の罪は成立し得るのか。
四 日本国内から、インターネットを通じて、代行業者を通じて海外の宝くじを購入する行為は、刑法第百八十七条第三項の「富くじを授受」する行為に該当するという理解でよいか。
五 国内からインターネットを通じて、オンラインカジノに参加する行為や海外の宝くじを購入する行為が賭博罪や富くじ罪に該当し、禁止されていることを国民に周知するための政府広報をすべきではないか。

 
これに対して、政府からは以下の答弁書が出されました 。

一から三までについて
 犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条の賭博罪が成立することがあるものと考えられ、また、賭博場開張行為の一部が日本国内において行われた場合、同法第百八十六条第二項の賭博開張図利罪が成立することがあるものと考えられる。
四について
 犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個々に判断すべき事柄であることから、政府として、お答えすることは差し控えるが、一般論としては、富くじの授受行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法第百八十七条第三項の富くじ授受罪が成立することがあるものと考えられる。
五について
 御指摘のような観点からの広報については、今後の社会情勢等を踏まえ、慎重に検討してまいりたい。

 
オンラインカジノにおける「賭博行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法(明治四十年法律第四十五号)第百八十五条の賭博罪が成立することがあるものと考えられ、また、賭博場開張行為の一部が日本国内において行われた場合、同法第百八十六条第二項の賭博開張図利罪が成立する」とされている点が注目されます。

筆者は、この答弁書について、海外のオンラインカジノ事業者についても日本国内でその行為の一部が行われた場合には賭博開帳罪が成立するとした所が非常に大きいと考えております。

また、賭博行為の一部が日本国内において行われた場合には、賭博開帳罪が別件で摘発されているかどうか、すなわち、賭博開帳罪と(常習)賭博罪が対抗的必要的共犯であるか否かは問題にせずに、賭博罪の成立を認めている点も非常に大きな判断であると考えます。

8 2件の摘発事例の評価

1件目の摘発事例(2(1))の容疑者は、日本国内の顧客と海外のオンラインカジノ事業者との間の賭け金の入金と払い出しの決済(送金)を行っており、「決済サービスは行ったが、賭博はしていない」と容疑を否認しているようです。
警察はこのような決済サービスとオンラインカジノ事業者が「実質的に一体」であると見て摘発したのではないかと思われます。なお、このような送金サービスは、銀行または資金移動業者(100万円相当以下)しか許されませんので、銀行法又は資金決済法違反でもあります。

実際、決済サービスとオンラインカジノ事業者は「実質的に一体」であると思われます。私も過去、海外のオンラインカジノ事業者から、資金決済法上の資金移動業者の登録の支援を依頼されたことがありますが、賭博開帳罪・賭博罪の懸念が払しょくできないことから断りました。

2件目の摘発事例(2(2))は、実態が日本人向けのサイトで、「国内で日本人向けカジノが開かれて賭博行為をしている」と判断したとのことであり、まさに、上記7で紹介した答弁書の回答に沿った摘発事例として画期的なものです。

9 オンラインカジノの今後

筆者自身もオンラインカジノの存在自体に反対するものではありません。むしろ、ビットコイン等の仮装通貨を用いたFINTEC等のイノベーションが進んでいく中で、オンラインカジノを否定することは難しいかもしれません。

しかしながら、そのためには、IR推進法案で議論されているような合法化のための法制化の議論、特に賭博依存症対策、反社対策、マネー・ローンダリング対策等の議論を乗り越えなければ難しいと思われます。

ランドベースのカジノの導入について四苦八苦している現状からすれば、日本においてオンラインカジノの合法化の議論がなされるのは時期尚早でしょう。個人的には、あと10年または20年先の話だと思われます。

1:https://www.bengo4.com/internet/n_4376/
(弁護士ドットコム「海外サーバの「オンラインカジノ」で初の摘発・・・なぜ決済業者が逮捕されたのか?」):筆者がコメントした記事です。
2:http://mainichi.jp/articles/20160311/k00/00m/040/069000c(毎日新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160310-OYO1T50023.html(読売新聞)
http://www.nikkansports.com/general/news/1615000.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp(日刊スポーツ)
3:木曽崇「驚愕、韓国人は海外でもギャンブルをしてはいけない」
(http://blogos.com/article/146878/)
4:McAfee社『JACKPOT! オンラインギャンブルによるマネーロンダリング』(http://www.mcafee.com/jp/resources/white-papers/wp-jackpot-money-laundering-gambling.pdf)
5:大谷實「刑法講義総論(新版第3版)」(成文堂)368頁
6:http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/562/070562_hanrei.pdf
7:「預金口座開設の勧誘に関する注意喚起について」
(http://www.fsa.go.jp/news/26/ginkou/20150617-2.html)
「無登録の海外所在業者による勧誘にご注意ください」
(http://www.fsa.go.jp/ordinary/kanyu/20090731.html)
8:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a185017.htm
9:http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b185017.htm


渡邉 雅之 弁護士法人三宅法律事務所 パートナー弁護士

(略歴) (役職)
1995年:東京大学法学部卒業
1997年:司法試験合格
2000年:総理府退職
2001年:司法修習修了(54期)
弁護士登録(第二東京弁護士会)
2001年~2009年:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
2007年:Columbia Law School (LL.M.)修了
2009年:三宅法律事務所入所
成蹊大学法科大学院 非常勤講師
(金融商品取引法担当、平成20年~)
日本弁護士連合会 民事介入暴力対策委員会 委員
日本弁護士連合会 国際刑事立法委員会 委員
第二東京弁護士会 民事介入暴力対策委員会 委員
第二東京弁護士会 司法制度調査委員会
民法改正部会 委員
第二東京弁護士会 綱紀委員会 委員

(主要関連論稿)
『IR導入に当たって検討すべきマネー・ローンダリング、反社会的勢力の関与の問題と提言』(NBL1036号・2014年10月15日号)
『日本におけるカジノ導入とギャンブル依存症問題』(週刊金融財政事情2014年10月6日号(3091号))
『カジノ導入に当たっての論点整理(上)・(下)』(共著)(NBL1014、1015号、2013年12月1日号・12月15日号)
「IR推進法の概要と検討すべき問題点」(週刊金融財政事情2014年1月6日号)
「カジノ法案が想定するビジネスモデルと各種規制」(ビジネス法務2014年3月号)

(関心を持った経緯と今後の研究)
もともと、銀行等の金融機関のコンプライアンスを中心に弁護士業務を行ってきました。米国留学時にラスベガスを訪問しましたが、日本において同様の統合的なリゾートができれば、経済発展に非常に資すると実感いたしました。
カジノは、金融規制、マネー・ローンダリング、反社会的勢力の排除など、「小さな銀行」といった性格があり、これまでやってきた業務に非常に親近性があります。 日本においてIR(カジノを含む統合的リゾート)を導入するにあたって、どのような規制を設けていくべきかという観点から研究を続けてまいりたいと思います。


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