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『本物のカジノへ行こう!』(文春新書)著者 松井政就氏インタビュー 第2回

2016-04-27

【インタビュー&特集記事】

本物のカジノへ行こう-松井政就氏_201604-1

第2回「どんなカジノが理想か」

●アメリカ型かヨーロッパ型か
── 「IR推進法案」が通らなければ、具体的には何も前進できませんが、松井さんはどこに、どういうIRやカジノをつくったらいいとお考えですか?

松井 カジノについて日本で流れている情報は、どちらかと言うとアメリカ一辺倒であり、ラスベガス型のカジノというイメージが定着しています。
それはざっくり言えば、バイキング・レストランみたいなものです。とにかく規模が大きくて、いわゆるIR(統合型リゾート)と呼ばれるものです。

もちろん、IRということになると、競争の舞台はいきなり他国の巨大IRとの客の奪い合いという「世界レイヤー」になりますから、地方自治体や小さな企業では太刀打ちできません。
ですから、IRとなると、立地はどうしても大都市やその周辺に限定されると思います。

その1つとして、横浜は非常にいいのではないかと私は思っています。横浜は昔から外国人が多い街ですし、開放的で、海からもお客さんが来られます。東京からも近い距離にありますから、大人が非日常を求めて遊びに行くにはちょうどいいと思います。
しかも、そうした法律にすれば、フェリー式のカジノも横浜には発着できるようになりますから、私はいち押しだと考えています。

ラスベガス型のカジノと対極にあるのが、ヨーロッパ型のカジノです。IRがバイキングなら、こちらはこじんまりした高級な料亭といったところでしょう。こういう規模が小さいカジノだと、競争相手は国内外の観光地になりますから、地方自治体や地方の企業でも何とか戦えると思います。たとえば小樽にはIRは合いませんが、ヨーロッパ型のカジノなら地域とも調和が可能でしょう。

ですから、場所に合わせてアメリカ型のIRにするか、ヨーロッパ型のカジノにするかを選択することになるだろうと思います。もちろん私は、どちらのタイプのものもあって、使い分けができるようにすることも大事なことだと思っています。

ちなみに、私のイチ押しは佐世保市にある「ハウステンボス」の中です。ここにはすでにJRAの場外馬券売場(ウインズ佐世保)があり、全く違和感ありません。
シンガポールのリゾートワールド・セントーサのカジノもユニバーサルスタジオの中にありますし、ここにカジノを作れば成功するでしょう。

── IR議連の人たちは、日本でIRをつくるときにはシンガポールのIRをモデルにしようという話をよくしますが、これについてはどう思われますか?

松井 カジノの設置について参考にするなら賛成ですが、もし依存症対策をそのまま真似するとすれば、たぶん失敗すると思います。

シンガポールは総人口が約550万人の都市国家で、国民を全員きちんと管理することが可能ですから、依存症の問題にしても個別に対応することができます。しかし、人口が1億2500万人もいる日本ではそんなことは現実的に不可能です。

●最初は外資との合弁で学習する
── 現実問題として、日本にはカジノに関するノウハウがないわけですから、外資が入らないと、カジノはできないということになりますか?外資企業は虎視眈々と日本への参入を狙っていますし、中にはあれだけパチンコが流行っている日本でカジノが流行らないはずがない、と公言している外資企業もありますが。

松井 私は日本企業がカジノの運営を全くできないとは思いません。しかし、あまりにノウハウがないので、最初から日本の企業だけでやるというよりは、外資企業との合弁で学習する期間が必要ではないかと思います。
なぜなら、いきなり自分たちだけでやって大きくつまずくわけにはいかないからです。

かといって完全に外資企業に任せてしまうと、雇用の問題などで国民に不公平感を抱かせてしまう危険性があります。ですから、ある程度は合弁という形で事業を展開し、その間にノウハウを吸収し、ゆくゆくは違う場所で日本企業が単独で展開するという方法がいいのではないでしょうか。

日本の著名な識者の中には、“カジノ無しのIRをつくれ”と言っている人もいますが、私は、それは心臓のない人間のような話で、土台無理なことだと思います。

なぜかと言うと、巨大なIRをつくっても、それを維持するための財源になるのはカジノの収益だからです。それはどこのIRでも同じことです。社会に対する影響力を持っている人には、事実を踏まえた話をしていただきたいと思います。

── 松井さんは、外資の中ではMGMを非常に高く評価しているようですが、それはなぜですか?

松井 実際に行ってカジノをやってみれば分かりますが、MGMのディーラーはお客さんに対して圧倒的に親切なのです。お金を巻き上げてやろうというのではなく、本当に何とかして楽しませてあげて、そのテーブルでできるだけ長く遊んでもらおうとしているのがひしひしと伝わってくるのです。非常にフレンドリーで、つっけんどんなディーラーはいませんし、アジア人に対する差別もないので、私はいつも楽しく遊ばせてもらっています。

その意味では、MGMは一般庶民が楽しむ場所にしようということを非常に意識しているように感じます。例えば現代のスロットマシンはコンピュータ制御で、なかなか当たりませんが、MGMでは昔ながらの機械式の当たるスロットをいまだに置いています。
これもファンサービスの最たるものです。こういう姿勢は非常に大事ですし、大いに評価すべきだと思います。

(インタビューアー:稲葉昌司、小池隆由 構成:越後耕一)


■ 著者紹介

松井政就(まつい・まさなり)氏
作家。1966年、長野県に生まれる。中央大学法学部卒業後ソニー入社。90年代前半から世界各地のカジノを巡る。2002年ソニー退社後、ビジネスアドバイザーなどを務めながら、取材・執筆活動を行う。
主な著書に『賭けに勝つ人 嵌る人』(集英社)、『ギャンブルにはビジネスの知恵が詰まっている』(講談社)などがある。「カジノジャパン」にドキュメンタリー『神と呼ばれた男たち』を連載。「夕刊フジ」にコラム『競馬と国家と恋と嘘』『カジノ式馬券術』『カジノ情報局』を連載のほか、「オールアバウト」にて社会ニュース解説コラムを連載中。

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