マカオ：マネーロンダリング対策の新ルールを公開　VIPオペレーションに一段の透明性を要求

2016-06-07

【海外ニュース】

6月に入り、マカオのゲーミング管理当局DICJ（Gaming Inspection and Coordination Bureau）は、新たなマネーロンダリング対策のルールを公開。
新ルールは、5月13日より施行済み。

DICJは、それまで2006年に公開したマネーロンダリング対策ルールの遵守を求めてきた。今回のルールは、とりわけVIPゲーミング、ジャンケットのオペレーションに対して、より高いレベルのデューディリジェンス、内部統制を求めた。

今回のルールが明確とした点は、
・疑わしい取引の確認、ジャンケットによるレポートへのサイン
・VIPの本人確認・把握、偽名の禁止
・VIPの実質の取引当事者の確認（50万パタカ以上の取引）
・日々のレコードキーピング
・コンプライアンスオフィサーの雇用、など。

こうしたルールは、VIPのゲーミング市場を一段と縮小する圧力となる可能性がある（新ルールは、VIP市場を10％、全体市場を5％縮小させる影響とみる向きもある）。

5月11日にはマカオ政府はゲーミング産業中間レビュー・レポートを公開。レポートは、2002年のゲーミング産業の自由化以降のゲーミング産業を包括的に評価するもの。そこで、マカオ政府は、ジャンケット・オペレーションの課題を指摘しており、この点についてレビューを実施中（半年以内に完了。資本要件など参入障壁の設定を検討中）。

マカオ政府は、マカオをカジノ中心から世界的な観光デスティネーションに変貌させるべく大胆な施策を進めている。