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米国 ニュージャージー州:アトランティックCの投資意欲活性化~北部IR設置否決を受けて

2016-11-13

【海外ニュース】

11月8日、ニュージャージー州では、大統領選と並行し、北部(ニューヨーク市近く)へのカジノを含む統合型リゾート(IR)設置法案(憲法改正)の是非を問う住民投票が実施され、否決された。
北部設置案は、1976年以来続いた州内におけるアトランティックシティの独占を崩し、北部に二つの大型IRを設置する内容であった。

北部設置案は、2015年以降、本格化した経緯があり、それは、事業者のアトランティックシティへの投資意欲を慎重とした。
一部の経済調査機関は、北部設置案が可決した場合、アトランティックシティにおいて、最大4施設が閉鎖に追い込まれると予想。

北部設置案の否決を受けて、事業者のアトランティックシティへの投資意欲が回復している。否決が大差(賛成2割、反対8割)であったことから、北部設置案が近く再台頭する懸念も後退。

アトランティックシティでは、2014年以降に5施設が営業停止し、現在の稼働は7施設。現在の稼働施設は、残存メリットを享受し、損益は2010年以降で最も良好な水準を回復、投資余力を持ち始めた。

ニュージャージー州北部へのカジノ設置法案の概要:
・北部に二つ設置
(アトランティックシティから72マイル≒120Km以上の距離を置き、それぞれ異なるカウンティに設置)
・施設への投資要件は10億ドル以上、カジノを含む統合型リゾート(IR)
・二つの施設とも、アトランティックシティの事業者(が51%以上の株式を有するコンソーシアム)に60日間の優先交渉権(First Refusal Rights)を付与
・カジノ売上高(GGR)課税率は、アトランティックシティの9.25%より高く、周辺州50%前後(ニューヨーク州65%、ペンシルベニア州45)の中間
・(上院案)カジノからの税収のうち、49%はアトランティックシティの財政支援、49%は州の退役軍人や障害者の税控除、2%は競馬業界補助に充当(最初15年間)

アトランティックシティ:賛否が分かれる
・北部へのIR設置は、アトランティックシティ経済にポジティブ、ネガティブ両面の影響があり、それらのバランスへの判断が分かれる
-ポジティブ:北部IRの税収のうち、毎年、2億ドルほどがアトランティックシティ再開発に充当(15年間で30億ドル)
-ネガティブ:北部へのIR設置は、アトランティックシティ市場縮小、つれて、施設閉鎖、雇用縮小の循環を生む。さらに、ニューヨーク州など周辺州との一段の競争激化の引き金となる

 

ニュージャージー州アトランティックシティ~現状と展望

アトランティックシティでは、2014年に4施設が閉鎖、2016年10月にThe Trump Taj Mahal Casino Resortが閉鎖。2014年以降のカジノ産業の失職数は、合計11,000名にとなった。

閉鎖した5施設とは、The Atlantic Club(2014年1月停止)、Showboat(2014年8月)、Revel(2014年9月)、Trump Plaza(2014年9月)、そして、The Trump Taj Mahal Casino Resort。
このうち、Showboatは、ホテル、レストランとして再開業した(カジノ含まず)。Revelは新ブランドTENとして再開業予定(日程は未公開)。

現在は7施設が営業中。既存事業者は、需給マッチ、残存者メリットを享受し、業績は急速に改善。

2016年度2Q累計(1-6月)の事業者合計のGOP(営業粗利益)は、$258mn、YoY21%増。2010年以降の最高益。
今後、残る7施設の業績は一段と改善しよう。

ただし、中期的には、周辺との競争が一段と厳しくなる方向性は否定できない。
アトランティックシティはニューヨーク市を重要な顧客とするが、ここにきてニューヨーク州が4つのカジノを含む統合型リゾート(IR)を開発中。
また、ペンシルベニア州も依然として施設拡張が続く。

米国東海岸では1970年台にニュージャージー州アトランティックシティが、1990年代にはコネチカット州の2つのインディアンカジノが、カジノ産業を興し、隆盛を誇ってきた。
しかし、2000年以降、それぞれ周辺州との競合が厳しくなり、市場は大きく縮小した経緯がある。

ニュージャージー州アトランティックシティのカジノ市場は2006年のピークにはUS$5.2bnであったが、2015年にはUS$2.5bnと半減。
コネチカット州の2つのインディアンカジノの合計のカジノ売上高は2006年のピークにはUS$3.2bnであったが、2014年にはUS$1.9bnに減少。

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