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十回目:カジノを日本主導で進める時間的余裕は十分。外資に依存せず、日本企業が取り組むべき

2014-09-03

【IR経済】>【キャピタル&イノベーション 東洋経済オンライン投稿】

小池 隆由 :キャピタル&イノベーション代表取締役

東洋経済オンライン10回

IRを主導する事業者に求められる要件とは?

今回が本連載の最終回になります。最初に日本のIR、カジノの事業特性を総括し、その上で、どのような事業者の参画が望ましいかを考察します。

IRを実現する重要な政策目的は、日本、地域の文化、サービス、技術、観光資源の魅力を世界に発信すること、すなわちクールジャパン、ビジットジャパンへの貢献です。また、日本のIRは指定区域内のみならず、自治体の広域な都市開発と連動することが重要です。

IRはカジノという特殊な収益エンジンを活用する事業です。カジノは人間の本能、すなわち射幸心を刺激し、国民の個人金融資産の一部の移転を受ける事業です。カジノは勤労意欲減退、依存症、反社会勢力、青少年への影響など社会的な負の側面を持ちます。むろん、社会的な負の側面に対しては厳格な対策が導入される方向です。

日本のIRは高収益がほぼ約束されています。詳しくは、本連載の第8回(日本のカジノは、最大2.2兆円産業になる)、第9回(日本のカジノは高収益が約束されている)の通りです。2020年以降の日本のカジノ市場は1.2兆~2.2兆円の予想です。施設数が3~4カ所の場合が1.2兆円、10カ所の場合が2.2兆円です(施設数はIR議連の考え方)。関東、関西それぞれ1施設の合計の営業利益は年間3000億円レベルの予想です。

IRは日本、地域社会に対して大きな責任を負う、巨大なキャッシュフローの運用事業です。IRを主導する事業者には日本、地域の成長戦略に再投資し、社会の課題解決に最大限、貢献することが求められます。IRを主導する事業者には、高いレベルの公共性、地域社会からの信頼、地域ステークホルダー間の調整力が求められます。逆に、これらが日本のIRを成功させるために最も重要な素養です。

IR実現に必要な経験ノウハウとは?

IRの実現プロセスでは自治体が中心的な役割を果たします。まず、IR誘致を望む自治体が国に対して手を挙げ、国が自治体を選び、その自治体が事業者を選びます。IR実現を目指す事業者(コンソーシアム)は、国、自治体が求める要件をクリアする必要があります。国、自治体はIRの成功を確実とするため、事業者(コンソーシアム)に対して「経験ノウハウ」を望む可能性があります。

日本が既に持つ、あるいは今後調達すべき「経験ノウハウ」について考察します。IRには多くの「経験ノウハウ」が関与します。不動産開発の視点では、資金調達、計画、建設など。運営の視点では、カジノ、ホテル、劇場、テーマパーク、小売、MICEなどがあります。これらのうちカジノ以外については、日本産業界は十分な経験ノウハウを保有しています。逆に、現時点では外国カジノ事業者が日本において保有しない経験ノウハウです。

一方、カジノ構築、運営については、日本は外国から経験ノウハウを導入することができます。カジノ部分でも日本独自の文化や技術の導入は重要ですが、すでに外国で確立された経験ノウハウは高く評価すべきです。ここで、重要なポイントは「外国からのカジノの経験ノウハウの獲得」と「事業者の資本構成」は別であることです。日本の事業者は外国カジノ事業者による出資の有無に関係なく、カジノ構築、運営に必要な経験ノウハウを外国から獲得できます。

一般に産業の経験ノウハウには、標準化されたコモディティ部分、企業独自の差別化部分があります。コモディティ部分は流動化しており、新規参入者は市場からそれらを獲得できます。差別化部分とは、競争に勝ち、利益を最大化するノウハウです。

カジノの構築、運営に必要な経験ノウハウは、国際的に標準化、コモディティ化されています。カジノ業界では、役職員の流動性は高く、有能な外部コンサルタントやマニュアル類が充実しています。日本の事業者は外国の経験豊かな経営陣、従業員、コンサルタントなどを通じて、カジノの構築、運営に必要かつ十分な経験ノウハウを獲得できます。

利益最大化より政策目的への貢献が重要

もちろん、外国カジノ事業者は日本が容易に獲得できない、独自の高度な経験ノウハウ、差別化部分を持ちます。「外国人VIPを誘致できる」「国際的なブランド認知がある」「グローバル調達や発注によるコスト削減」など、競争に勝ち、利益を最大化するノウハウです。外国カジノ事業者は十分な株式所有を、これらノウハウ提供の条件とするかもしれません。

重要なポイントは、これらのノウハウは競争が厳しい市場では不可欠ですが、日本では相対的に重要度が低いことです。例えば、収支面については、日本のIRでは日本人マスのみで十分に高収益を確保できるため、外国人VIPに依存する必要はありません。日本ではIR間の競争はほとんどなく、各施設が高収益をほぼ約束されます。日本ではコンセッション(免許)そのものが高収益の源泉です。

日本がIRの高収益をほぼ約束する制度設計を採用する背景は、運営事業者に国と地域の成長戦略、社会の課題解決に十分に貢献させるためです。それゆえ、IR事業者には、利益を最大化する能力よりも、キャッシュフローを国や地域に効果的に再投資する姿勢のほうが強く求められるわけです(外国コンテンツや利益の海外流出でなく)。

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