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政府・与野党の取組(20)政府、自治体 ~ 事業者など利害関係者との接触ルール策定へ

2017-02-13

【国内ニュース】

IR推進法は、12月15日1時に成立し、12月26日に公布され、即日、施行された。これを受けて、政府のIR実施法案の策定、ギャンブル依存症対策への取り組みが公式にスタートした。
政府は、施行から一年以内を目途に、IR実施法案を策定し、国会に提出する予定。
また、政府は、IR実施法案とは別に、ギャンブル依存症対策基本法案を策定し、2017年の通常国会で提出へ。

現在、政府、地方公共団体は、利害関係者とのコミュニケーション・ルールを策定中。

利害関係者とは、政府の立場では主に地方公共団体、民間事業者であり、地方公共団体の立場では民間事業者である。

これまで情報収集ステージでは、それぞれが、おおむねフリーに、利害関係者とのコミュニケーションを重ねてきた。
今後、IR実施法案成立後に実施される地域選定・事業者選定プロセスが視野に入る中、政府、地方公共団体は、利害関係者との関係の中立性を重視する。

政府は、IR実施法案が成立した後、地方公共団体からの提案を募集・選定する。一方、地方公共団体は、IR事業者(新規組成のコンソーシアム)からの提案を募集・選定する。
これから、政府はIR実施法案、地方公共団体はIRコンセプトの策定作業を本格化させる。

大阪府市:IR業者との接触を制限、内規作成へ
2月13日、朝日新聞は、大阪府市の事業者との接触ルール策定をレポート。ポイントは、以下の通り。

・大阪府市は職員が事業者と接する際の内規を3月末までに策定する方針
・想定される内規
 -事業者と会う際、必ず上司の了解を得る
 -1人で事業者と面会しない
 -特定の事業者との面会が極端に多くならないよう注意
・松井一郎・大阪府知事は、2012年以降、延べ20社ほどのトップの訪問を受けた(現在も3社から面会希望)
・松井一郎・大阪府知事は、4月以降、事業者と面会しない方針
・大阪府幹部らは「不祥事が起きれば、誘致に影響が出る」と懸念

有力IR誘致エリアには、多くの日本企業、海外事業者が殺到へ

日本は、アジアパシフィック主要国と同様に、IR施設を少数に限定し、各IR事業者に一定の商圏を寡占させる想定。
(IR議連「IR実施法案の基本的な考え方」では、全国に10カ所ほど、広域ブロックに一つほど)。

各ブロックのIR事業の利益規模は、世界(2、000施設以上)でもトップクラスとなる方向。そして、日本は、世界市場の視点では、ブラジルと並び、最後に残された大市場である。

必然的に、国内の全国区企業、海外事業者それぞれ数十社が、IR有力候補地に殺到する構図となろう。

一方、日本のIR法制は、地方公共団体、IR事業者に、IR区域内開発(うち、カジノ面積は5%内外)のみならず、ホストコミュニティの街づくり、広域観光の仕組みづくり、などを要求する。
カジノの経験・知見は、必要となる要素のごく一部に過ぎない。

IR事業で必要となる要素を備えるため、地域経済界、国内企業、あるいは、海外事業者は、コンソーシアムを組成する流れとなる。

政府:IR実施法案の策定、ギャンブル依存症対策整備に向けた動き

<IR実施法案の策定作業>
・1月6日、「IR区域整備推進本部」の準備室を内閣官房に設置
・3月には「IR区域整備推進本部」(本部長:安倍晋三・首相)が発足へ
・「IR区域整備推進本部」は、当初50名規模(以前の内閣官房の検討チームは約30名)
・ギャンブル依存症対策整備のため、厚生労働省などの職員が検討チームに加わる方向
・IR区域整備推進本部の事務局は、段階的に100名規模へ増強
・有識者で構成する整備推進会議を設置
・政府は2017年秋にも法案を国会に提出したい考え
(IR推進法は、政府に対して、その公布日・施行である2016年12月26日から一年以内にIR実施法案を策定、国会に提出するよう求めている)

<ギャンブル依存症対策整備>
・政府は、ギャンブル依存症対策基本法案を策定し、2017年の通常国会で提出へ

・12月26日、ギャンブル依存症対策を検討する関係閣僚会議(議長:菅義偉・内閣官房長官)の初会合を開催
-構成閣僚は、菅義偉・内閣官房長官、石井啓一・国土交通大臣(IR管轄)、塩崎恭久・厚生労働大臣(ギャンブル依存症対策を管轄)、山本有二・農林水産大臣、世耕弘成・経済産業大臣、松本純・国家公安委員長、高市早苗・総務大臣(それぞれ公営競技・遊技・宝くじを管轄)。
・政府は、年明けに、内閣官房に、ギャンブル依存症等対策室(仮称)を設置
-対策室は厚生労働省、文部科学省、警察庁などの職員で構成し、既存ギャンブル(公営競技、パチンコなど)、カジノをカバー
-省庁横断の組織で、依存症の予防、治療、相談体制の整備に取り組む
-同対策室は、関係閣僚会議の事務局の役割も担う

・12月27日、厚生労働省は、依存症対策推進本部(本部長:塩崎恭久・厚生労働大臣)の初会合を開催
・ギャンブル、アルコール、薬物の3分野について、それぞれ省内チームをつくり具体的な対策を協議
・依存症の予防・治療の対策に加え、依存症による健康障害などに包括的な対策を議論
・都市部での患者の割合を推計する調査結果を2016年度中に公表
・ギャンブル依存症の実態把握のた初の面接調査に関し、2017年5月頃にとりまとめ

・厚生労働省は、2017年度予算案において、依存症対策推進に5.3億円計上(2016年度は約1億円)
-新たに全国の都道府県と20の政令指定都市すべてに相談拠点を設け、相談員を配置
-全国67カ所に依存症の専門医療機関を設置
-専門医療機関は、民間団体と連携して、患者やその家族を支援

各党:IR実施法案の議論・検討、ギャンブル依存症対策整備に向けた動き

自民党
・2017年1月10日、政調会にIRのプロジェクトチーム設置
・政府が策定するギャンブル依存症対策基本法案、IR実施法案において、政治判断が必要となる領域について検討、反映させる考え
・懸念材料を中心に議論。ギャンブル依存症対策、マネーロンダリング対策などをテーマとする
・1月25日に初会合を開催
・3月末までに既存のギャンブル依存症対策の論点を整理

公明党
・2017年1月、自民党とともに与党として、IR実施法案への制度設計を議論へ
・12月20日、「ギャンブル等依存症対策検討プロジェクトチーム」(座長・桝屋敬悟党厚生労働部会長)を設置
・22日に第一回の会合を党本部で開催。厚生労働省からギャンブル、アルコール、薬物の依存症の実態を聴取
・今後、依存症回復支援施設の視察や関係省庁へのヒアリングを実施し、2017年3月までに論点を整理する考え
・政府に対して、IR実施法案とは別に、依存症全体の対策を整備する法制度を求める

日本維新の会
・日本維新の会は、IR推進法案提出者として、IR実施法案に関する与党協議への関与を求めてきた
・野党が政策立案の段階から与党協議に関わるのは異例
・日本維新の会は、2月9日、参議院に独自のギャンブル依存症等対策基本法案を提出

民進党
・12月21日、内閣部門会議を開催。政府からヒアリング
・ギャンブル依存症対策、IR実施法案の論点(刑法・賭博罪の違法性阻却、カジノ収益の使途など)をチェック
・ギャンブル依存症対策を盛り込んだ議員立法を検討
・1月24日、「次の内閣」で、長妻昭・元厚生労働大臣を座長とするカジノ検証プロジェクトチームの設置を決定

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