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政府・与野党の取組(24)厚生労働省 依存症に関する市民シンポジウム初開催~IR議論が扉開く

2017-03-12

【国内ニュース】

厚生労働省主催-依存症への理解を深めるためのシンポジウム-20170311-1

3月11日、厚生労働省は「依存症への理解を深めるためのシンポジウム」を開催した。

厚生労働省として、依存症をテーマとする初めてのシンポジウム。アルコール、薬物、ギャンブルの依存症を包括的に扱った。市民など約200名が参加。

最初に、主催者挨拶として、厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 堀江裕・部長が登壇。ポイントは、
・依存症は、治療できば治る
・厚生労働省は、医療体制、情報提供体制の拡充、そして、社会の理解促進を推進
・今後、シンポジウムなどの取り組みを継続。強化
・昨年来、社会の依存症の関心は高まっている

プログラムは、基調講演とパネルディスカッション。

基調講演:
松本 俊彦 氏(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長)
パネルディスカッション:
小田嶋 隆 氏(コラムニスト、アルコール依存症本人)
貴闘力 氏(依存症を語るアスリートの会代表、ギャンブル依存症アドバイザー)
田中 紀子 氏(一般社団法人ギャンブル依存症問題を考える会 代表)
松本 和頼 氏(公益社団法人全日本断酒連盟 理事)
横川 江美子 氏(NPO法人全国薬物依存症者家族会連合会 理事長)
松本 俊彦 氏(コーディネーター)

基調講演とパネルディスカッションのポイントは、
・依存症の根源には「孤立」がある。その治療は、生き方そのものの再設計が伴う
・本人、家族は、社会に助けを求め、仲間を作ることが肝要
・メディアへの要望
 -依存症の危険を強調するだけでなく、回復できることを報じるべき
 -危険の強調は、危険度が低い人を啓蒙する反面、依存症者の回復の道を閉ざす
・アルコールでは、アルコール健康障害対策基本法が2014年6月に施行し、政府の取り組みが加速
・ギャンブル依存症対策基本法案(今後、国会に提出予定)は、政府の取り組みを加速へ

厚生労働省の2017年度の取り組みのポイント(各社報道を総括)
・全都道府県と政令市の病院から、地域の治療拠点となる専門医療機関を1カ所ずつ指定
-依存症に詳しい精神科医の配置人数などの要件を定め、各自治体がどの医療機関を指定するか決定
・全都道府県と政令市の自治体には依存症患者の支援経験者「依存症相談員」を1人ずつ配置
-現在、各自治体の精神保健福祉センターや保健所が対応

政府におけるギャンブル依存症対策基本法案の検討内容(各社報道を総括)
・カジノに加え、公営競技、パチンコなど既存ギャンブルを包括
・「地方自治体と事業主体が相応の責任を負う」と明記
・公営競技を運営する地方自治体に、規制強化に向けた基本計画の策定を義務付ける
・マイナンバー制度を活用した公営競技場などへの入場を規制
・依存症が疑われる人のギャンブル施設への入場を家族からの申請で禁止
・公営競技のインターネット経由での購入を制限
・パチンコの射幸性の抑制、出玉規制

 
厚生労働省主催-依存症への理解を深めるためのシンポジウム-20170311-2

政府:IR実施法案の策定、ギャンブル依存症対策整備に向けた動き

<IR実施法案の策定作業>
・1月6日、「IR区域整備推進本部」の準備室を内閣官房に設置
・3月には「IR区域整備推進本部」(本部長:安倍晋三・首相)が発足へ
・「IR区域整備推進本部」は、当初50名規模(以前の内閣官房の検討チームは約30名)
・ギャンブル依存症対策整備のため、厚生労働省などの職員が検討チームに加わる方向
・IR区域整備推進本部の事務局は、段階的に100名規模へ増強
・有識者で構成する整備推進会議を設置
・政府は2017年秋にも法案を国会に提出したい考え
(IR推進法は、政府に対して、その公布日・施行である2016年12月26日から一年以内にIR実施法案を策定、国会に提出するよう求めている)

<ギャンブル依存症対策整備>
・政府は、ギャンブル依存症対策基本法案を策定し、2017年の通常国会で提出へ

・12月26日、ギャンブル依存症対策を検討する関係閣僚会議(議長:菅義偉・内閣官房長官)の初会合を開催
-構成閣僚は、菅義偉・内閣官房長官、石井啓一・国土交通大臣(IR管轄)、塩崎恭久・厚生労働大臣(ギャンブル依存症対策を管轄)、山本有二・農林水産大臣、世耕弘成・経済産業大臣、松本純・国家公安委員長、高市早苗・総務大臣(それぞれ公営競技・遊技・宝くじを管轄)。
・政府は、年明けに、内閣官房に、ギャンブル依存症等対策室(仮称)を設置
-対策室は厚生労働省、文部科学省、警察庁などの職員で構成し、既存ギャンブル(公営競技、パチンコなど)、カジノをカバー
-省庁横断の組織で、依存症の予防、治療、相談体制の整備に取り組む
-同対策室は、関係閣僚会議の事務局の役割も担う

・12月27日、厚生労働省は、依存症対策推進本部(本部長:塩崎恭久・厚生労働大臣)の初会合を開催
・ギャンブル、アルコール、薬物の3分野について、それぞれ省内チームをつくり具体的な対策を協議
・依存症の予防・治療の対策に加え、依存症による健康障害などに包括的な対策を議論
・都市部での患者の割合を推計する調査結果を2016年度中に公表
・ギャンブル依存症の実態把握のた初の面接調査に関し、2017年5月頃にとりまとめ

・厚生労働省は、2017年度予算案において、依存症対策推進に5.3億円計上(2016年度は約1億円)
-新たに全国の都道府県と20の政令指定都市すべてに相談拠点を設け、相談員を配置
-全国67カ所に依存症の専門医療機関を設置
-専門医療機関は、民間団体と連携して、患者やその家族を支援

各党:IR実施法案の議論・検討、ギャンブル依存症対策整備に向けた動き

自民党
・2017年1月10日、政調会にIRのプロジェクトチーム設置
・政府が策定するギャンブル依存症対策基本法案、IR実施法案において、政治判断が必要となる領域について検討、反映させる考え
・懸念材料を中心に議論。ギャンブル依存症対策、マネーロンダリング対策などをテーマとする
・1月25日に初会合を開催。2月15日に二回目、3月9日に三回目の会合を実施
・3月末までギャンブル依存症対策に関するヒアリングを実施し、その後に論点を整理

公明党
・2017年1月、自民党とともに与党として、IR実施法案への制度設計を議論へ
・12月20日、「ギャンブル等依存症対策検討プロジェクトチーム」(座長・桝屋敬悟党厚生労働部会長)を設置
・2月15日に三回目の会合を開催。これまでに厚生労働省や公営競技の所管官庁よりヒアリングを実施
・今後、依存症回復支援施設の視察や関係省庁へのヒアリングを実施し、2017年3月までに論点を整理する考え
・政府に対して、IR実施法案とは別に、依存症全体の対策を整備する法制度を求める

日本維新の会
・日本維新の会は、IR推進法案提出者として、IR実施法案に関する与党協議への関与を求めてきた
・野党が政策立案の段階から与党協議に関わるのは異例
・日本維新の会は、2月9日、参議院に独自のギャンブル依存症等対策基本法案を提出

民進党
・12月21日、内閣部門会議を開催。政府からヒアリング
・ギャンブル依存症対策、IR実施法案の論点(刑法・賭博罪の違法性阻却、カジノ収益の使途など)をチェック
・ギャンブル依存症対策を盛り込んだ議員立法を検討
・1月24日、「次の内閣」で、長妻昭・元厚生労働大臣を座長とするカジノ検証プロジェクトチームの設置を決定

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