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IR企業動向:京浜急行電鉄 引き続きIR事業への参画検討~横浜市の大規模街づくりの好機

2017-11-21

【国内ニュース】

日本の有力企業は、IR関連法(IR推進法、IR実施法案)の行方を注意深く見守り、水面下で事業参入の検討を進めている。2016年12月にIR推進法が成立、施行されて以来、一段と活発となっている。

京浜急行電鉄

2018年3月期2Q説明会資料 引き続きIR事業への参画検討~横浜市の大規模街づくりの好機

・11月20日、京浜急行電鉄は、2018年3月期2Q説明会資料を公開
・引き続き、IR事業への参画を検討
-大規模な街づくりの機会として、京急グループの経営資源を最大限に活用
-新たな事業機会を創出し、沿線全域の活性化に繋げる
-プロジェクトチームを設置
-立地特性等を活かし、事業基盤である横浜において検討
-IR実施法案の成立動向を注視し、スピード感を持って参画に向けた準備を進める

横浜市 IR関連動向

横浜商工会議所 上野会頭 早急なIR法整備を IR必要との主張不変

・9月28日、横浜商工会議所の上野孝・会頭は、記者会見
・(衆院解散に関連して、)「IR実施法案の審議が止まることは懸念事項。新政権で、早急な審議再開が大事」
・(横浜港運協会の主張に関連して、)「一貫してIRの開設を主張。市内の税収構造をみても、IRで税収を生んで活力ある産業を生み出す必要があるという主張は変えない」

横浜港運協会 藤木会長「カジノ反対。MICE中心HR。港湾人で」

・9月14日、横浜港
運協会は、記者会見を開催。テーマは、山下ふ頭再開発
・港運協会側は、藤木幸夫・会長を筆頭に12名が出席。メディア側は約30名が参加
・藤木幸夫会長は、本日を境にカジノ反対を明確とし、MICE中心ハーバーリゾート(HR)とする方針
・山下ふ頭再開発の方針は以下の通り。
1)MICEを中核にしたハーバーリゾート
2)同開発で年間1兆円規模の経済効果を目指す
3)カジノは不要
4)カジノは、市民の60~80%が反対
5)開発の主体は港湾人。IR/カジノ構想は我々港湾人を排除し、海外資本が中心となるリスク
・横浜港運協会は、横浜市に構想を提案する予定

2017年5月、横浜港運協会 拡大理事会 「山下ふ頭再開発にあたって」

・5月17日、横浜港運協会(加盟245社)は、拡大理事会を開催
・会場には、港湾関係者、議員(国会、県会、市会)などを中心に、約500名が集まった。
・横浜港運協会は、2016年10月、山下ふ頭再開発計画について、自らが主体となり、一体の開発を単一事業者として推進する方針を発表(ただし、外部事業者とのコンソーシアムは検討する姿勢)
・横浜市は、2017年度中に、山下ふ頭開発の事業計画の公募を実施する予定であった(民間資金とノウハウを活用するPPP方式を想定)
・横浜港運協会の一連の動きは、それに対応したもの。

横浜港運協会の主張のポイント

・山下ふ頭の開発は、先住民である港湾人が事業の主体となる。行政による事業者公募は認めない
・開発に際して、「みなと地域共同体」(コンソーシアム)を形成する
・山下ふ頭の経済価値は極めて高く、さまざまな開発の可能性がある
・横浜港運協会は、以下5つの事業提案を受け付ける
 1)物流施設(単なる更新施設)
 2)高機能・先端 物流施設(魚河岸なども)
 3)ハーバーリゾートの概念に則ったテーマパーク
 4)観光・集客施設(カジノ無し)
 5)IR-統合型リゾート(カジノ有り)
・今後、一年間、提案を受け付ける。その後、絞り込む
・横浜港運協会は、再開発方針に合意しない限り、山下ふ頭からの退去手続きを凍結

 

林文子・市長 IR誘致へのスタンス

・2016年12月15日、IR推進法成立後、歓迎のコメント
「観光立国へ大きな一歩」
「IRは将来を一層確かなものとしていくために必要。市民にその意義を伝え、理解してもらえることに取り組む」
・2017年1月25日、IRへの態度を後退
「(誘致に)積極的に踏み込めるかどうか、まだ考えられない」
「具体的な動きをやっていくのは困難な状況」
「ギャンブル依存症の問題があまりにも大きい。解決する仕組みがなければ難しい」
・市長選(7月30日) 当選(3選)後のIRに関するコメント
「選挙戦の中で賛成の声とともに不安の声も聞かれた。国の動きも見ながらニュートラルな立場でしっかり研究していきたい」

菅・内閣官房長官 市長選(7月30日投開票)前コメント IRについて「私はいいと思う」

・6月10日、菅義偉・内閣官房長官は、市長選についてコメント
「IRの中でカジノは一部。IRは、展示場、会議場、娯楽、宿泊などが一体の施設」
「そういう意味で、私はいいと思う」
・林市長の”IRについては白紙”スタンスについて
「ギャンブル依存症対策など、国会の動きを見極めるということなのだろう」

横浜商工会議所 平成30年度 市政への要望書 IR推進5年連続 林市長は依然慎重

・9月5日、横浜商工会議所の上野孝・会頭は、横浜市の林文子市長に平成30年度市政運営の要望書を提出
・IRについては、「横浜の将来の経済発展に不可欠」の要望。引き続き、市長の理解を求めていく考え
・市政運営への要望に、IRを盛り込んだのは、平成26年度市政運営の要望(2013年9月)以来、5年連続
・林市長の要望書への反応
「市が取り組みたい内容が網羅されている」。ただし、上野会頭との面談時、IRに言及せず
・林市長の同日の記者会見の発言
「(IR導入は)経済界が横浜市をさらに飛躍させたいという一つの考え方」
「慎重な議論が必要で、まだ決めていく段階ではない」

横浜商議所 川本副会頭「IRは、地元企業と外資のコンソーシアム」

・8月25日、「第23回 横浜経済人会議」が開催された(主催:横浜青年会議所)
・パネルディスカッション「もし、横浜にIRが来たら?」に横浜商工会議所の川本副会頭が参加
・川本氏の主な発言
「(IR事業主体は、)地元企業と外資がコンソーシアムを形成する考えが有力」
「今後、政府、地元行政と情報を共有し、よりよいタイミングでオール横浜の(仮称)IR推進協議会を立ち上げる」
・川本氏は、商議所の経済政策委員会の委員長。2016年4月、経済政策委員会のもとにIR作業部会が設置された
・IR作業部会は約6名。座長は京浜急行電鉄の原田一之社長

横浜商工会議所 IR誘致、オール横浜体制づくり推進は不変

・2016年4月、横浜商工会議所が経済政策委員会内にカジノを含む統合型リゾート(IR)作業部会を設置
・作業部会は約6名。座長は京浜急行電鉄の原田一之社長
・横浜市に与える影響を多面的に調査研究。商工会議所の意見や方針をまとめる役割
・2017年2月、林市長のIR誘致トーンダウン報道を受けて、上野孝・会頭
「今までとは違うニュアンスの市長の発言があったことは聞いているが、積極的に誘致をしていきたいという商議所の考え方は変えていない」
「横浜全体が成功させたいという意欲を示すことが大事。いろんな経済団体と連携してオール横浜の体制づくりを進めていきたい」
・5月25日、定例記者会見を開催し、IR誘致について言及。5月17日に発表された横浜港運協会の方針を踏まえて
・上野孝・会頭
「オール横浜でIR(カジノを中心とした統合型リゾート)を実現していくという商議所の姿勢は変わらない」
「横浜の新たな経済発展の起爆剤となるものをつくるうえで、IRは重要な位置を占めている。横浜経済が潤うかたちのIRを実現するよう努力していく」
・川本守彦・副会頭
「横浜港運協会の主張は想定内」
「横浜港運協会は、IRに反対しているわけではない」
「IR実現に向けオール横浜の体制づくりを進めるうえでは十二分に理解を得られる。一緒にやっていけると確信している」

横浜市 IR関連の動き

・2015年9月、港湾局は「山下ふ頭開発基本計画」を公表
・政策局は、「IR等新たな戦略的都市づくり検討調査」を2014年度から三年連続で実施
・2017年度予算(IR関連)
-港湾局:山下ふ頭再開発事業=1兆3,281億円
-政策局:IR等新たな戦略的都市づくり検討調査=1,000万円
(過去3年間は海外事例の調査などを主としたが、新年度はギャンブル依存症対策の調査・研究を推進)
・横浜市は、第1期エリア13ha開発事業者の公募要綱を検討中
(現状、第1期エリア13haの倉庫業者12社中3社が未締結)

横浜市 山下ふ頭開発基本計画~ハーバーリゾートの形成

・2020年に一部供用(第1期13haを開業)、2025年に全体完成の方針
・民間資金とノウハウを活用するPPP方式を想定
・横浜市は、山下ふ頭において事業を行う56社と移転交渉を実施
・なお、横浜市の山下ふ頭開発基本計画(港湾局)には、IRについて直接の記述はない。「関連計画との整合を踏まえて進める」と記した
・関連計画である横浜市中期4か年計画2014-2017(政策局政策課、2014年12月策定)、横浜市都心臨海部再生マスタープラン(都市整備局、2015年2月策定)には、IR導入の検討が記述された

 
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