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読売新聞 大阪府民世論調査「IR誘致反対多数」高齢者、女性中心~中立な調査設計、情報提供を

2017-11-26

【国内ニュース】

11月21日、読売新聞社は、大阪府が大阪府知事・市長ダブル選から2年目を迎える中、重要政策についての世論調査を発表した。

調査の設計と結果は以下の通り。マスコミの典型的な調査手法(週末に無作為に抽出した番号に架電する方式)であり、回答者の大半が高齢者、女性だったと推定される。

・設計
-11月17-19日(金、土、日)に、大阪府民の無作為に抽出した番号に架電
-有権者の在住が判明した2,757世帯において1,502名から回答を得た(回答率54%)
・結果
-万博会場の隣接地にカジノを含む統合型リゾート誘致の構想に対して
 賛成30%、反対57%
 (2016年11月には、賛成33%、反対52%)
・回答者の属性(男女別、年齢別など)は非公開

IRに関する世論調査 ~ 中立な情報提供と調査設計を

IR賛否を問う世論調査およびアンケート調査の結果は、調査の設計(対象、手法、設問など)により、まったく異なる。

手法については、例えば、電話調査では”反対寄り”に、インターネット調査では”賛成寄り”にバイアスがかかる。
電話調査では、必然的に、回答者に女性、高齢者などが多く、質問者の雰囲気が伝わる。
インターネット調査では、回答者に若者や情報感度が高い層が多くなる。

また、設問については、「カジノの賛否」では反対にバイアスがかかり、「カジノの収益力をドライバーとした、公益事業、まちづくり、社会づくりとしてのIR」については賛成が多くなる。

過去のIRの賛否の世論調査をみると、大手マスコミ(通信社、新聞社、テレビ局)実施の調査では、賛成3割、反対6割の結果が多かった。

一方、IR推進団体や経済団体の調査では、賛成が多く出る傾向がある。
例えば、大阪信用金庫が、6月上旬に大阪近郊の中小企業を対象としたアンケート調査では、大阪市へのIR誘致について、賛成が反対の3倍であった。

調査関係者によれば、カジノあるいはIRに反対と答えた人に、IRの特徴をごく簡単に説明すれば、賛成に転じる人も多い。
今後、大手メディアには、中立な情報提供が期待される。

大阪府市 IR誘致活動

松井一郎・大阪府知事=「IRは関西企業が必要。海外IR事業者だけでは壁」

・11月22日、松井一郎・知事は、新聞社のインタビューに対応。府知事・市長ダブル選から2年後のタイミング
・夢洲におけるIRに参入を検討する事業者に望むこと
「外資系のIR事業者だけでは、風土、習慣、文化などの壁がある」
「関西企業が参画し、外資系のIR事業者と組んでほしい」
「地元の経済団体との協議も必要」

関西経済3団体~関西経済連合会、関西経済同友会はIR誘致推進の立場。慎重派の大阪商工会議所も変化

関西経済連合会
・2015年にIR誘致のスタンスを表明
・2015年2月、関西広域観光戦略を策定し、そこにカジノを含む統合型リゾート(IR)の活用を盛り込み。2016年度事業計画において、IR誘致を重要テーマと位置付けた
・2016年11月、森詳介会長(関西電力相談役)は、早期のIR推進法案の成立を要望
・万博とIRがセットしたことで、誘致の方針が強固に
・2017年5月、松本新会長 松井知事と対談「IRやるべき」 初めて推進の立場を明確に
・2017年11月、松本正義・会長が第4次安倍内閣発足にコメントを発表
「特に、IR実施法の早期成立等を通じた観光先進国の実現と、2025年国際博覧会の誘致獲得を期待」
関西経済同友会
・長年、代表幹事が積極的に、政府、大阪府・市に対して、IR法整備と大阪市への誘致の働きかけ続けてきた
・関西MICE・IR推進委員会(委員長=福島伸一 大阪国際会議場 取締役社長)が提言
・2016年11月、「4分科会提言~『募集要項』に盛り込むべき事項~」「日本で採用すべきギャンブル依存症対策」
・2016年11月、「平成29年度予算・税制改正大綱に望む~成長戦略と財政再建を着実に実行し、次世代に引き継ぐ国創りを~」。2014年以来、三年連続でIR実現を提言
・2017年6月、「緊急要望:真に地域経済の振興に寄与するIR実現に向けて ~IR実施法案策定に求める4項目~」
・2017年8月、「Well-Being新産業創造と世界最高水準の日本型IRに向けた 夢洲まちづくりへの提言」
・2017年11月、両代表幹事による緊急提言「新政権に望む」発表。2025年万博前にIR開業できるスケジュール実現を要望・提言
大阪商工会議所
・2016年11月、大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)
「大阪の街の活性化、発展につながる施設なら、積極的に受け入れていきたい」
「大商にもいろいろな意見がある。(依存症対策など)市の具体的な考えを聞ければ、もう一度議論したい」
・2017年9月、大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)
「賛成、反対を決めるのはふさわしくない」
「IR事業者、行政、経済界が協議できる場が必要」
「事業計画、(開業後の)評価に大阪経済界が関与できるようにすべき」
「地元中小企業からの調達率の設定、広域的な経済効果の創出が必要」
・2017年11月、立野純三・副会頭(ユニオン・社長)は、就任時にIR誘致に強い意欲を表明
「(IRについて、)ぜひ進めたいと思う」

府市IR推進局 補正予算案 2020年度まで債務負担行為 計3.8億円計上 まず事業者公募

・大阪府市は、9月定例会の補正予算案としてIR関連費用の計3.8億円を計上
・2020年度までの債務負担行為であり、まずは、事業者公募などの支出を想定。府と市で折半
・市は13日に補正予算案を1.9億円を提出
・府は27日に開会し、そこで同額の予算案を提出予定
・府市IR推進局は、最初に、事業者公募・選定に向けた、IRアドバイザーの公募を実施する方針
・衆院解散総選挙、IR実施法案の見通し変化に対する、府市IR推進局の対応が注目される

大阪府市IR推進局 活動状況

・大阪府市IR推進局は、IR推進会議(有識者、IR推進局長で構成)を開催
・第1回(3月30日)、第2回(5月23日)、第3回(6月29日)、第4回(7月24日)、第5回(8月31日)
・第5回IR推進会議にて、府市IR推進局は、IR基本構想案の中間骨子を提示
「大阪、関西の持続的な経済成長のエンジンとなる世界最高水準の成長型IR」
・IR推進会議の議題
 1.大阪がめざす方向性・IRの必要性
 2.大阪IRの基本コンセプト
 3.大阪IRの概要
 4.IR立地による効果
 5.懸念事項と最小化への取組
 6.地域の合意形成(府民理解の促進)に向けた取組
 7.全体スケジュール
・スケジュール
-12月までに月一回ほど推進会議を開催し、IR基本構想(案)を策定
-IR実施法および府市両議会での議論などを踏まえ、年度内に基本構想をまとめる
(府市は、2019年度までに事業者を選定し、2023-2024年の開業を目指す)
-今後、2018年2月までに、府民向けIRセミナーを10回以上開催へ

「IR推進局における事業者対応等指針」策定。事業者の売り込み合戦加熱

・IRの事業者選定は、大きな利権になり得る。事業者の行政側への売り込み合戦が過熱
・大阪府、大阪市が、IR事業者との接触ルールを策定。近く運用を開始
-事業者との面会は原則として庁舎内
-職員2人以上で対応する。職員1人でIR事業者と面会することを禁止
-事業者との個人の電話、メールでのやり取りを禁止
-事業者との面談・意見交換は、府市の共同部署「IR推進局」のホームページなどで公表
-面談・意見交換の相手先や日時、場所などを同局の局長に報告し、了承を得る必要があり、終了後には報告書を提出
・現行の府市の内規では、利害関係者との飲食などは禁止されているが、面会の規制はなかった

大阪府市 夢洲にIRと万博をセットで誘致する方針 夢洲まちづくり構想(案)

・2月、大阪府市・経済界は「夢洲まちづくり構想(案)」をまとめ、第一期(北側70ha)にIRを誘致
(2024年ごろ開業)
(大阪府・市は、万博が来ない場合でも、IR誘致を推進する方針)
・夢洲(390ha)は、東部「物流」、中央部「観光・産業」、西部「グリーンテラス」の3ゾーンに分類
・構想案は、中央部「参考・産業」の170haを対象とする
・構想案は、第三期の開発スケジュール
-第一期=北側70haを対象に、IRを誘致(2024年ごろに開業)(*)
-第二期=中央60haは、2025年国際博覧会(万博)会場、万博後はエンターテインメント、医療ツーリズム、スポーツツーリズムの機能拡充
-第三期=南側40haは、将来、長期滞在型リゾート施設を整備
(*)2月8日、松井一郎・大阪府知事は、IR開業を2024年ごろから2023年に前倒しを目指す方針を言及

大阪市試算-夢洲への集客人口と建設投資額

整備時期 1期(70ha) 2期(60ha) 3期(40ha)
集客人口 約1,500万人 約2,700万人 約3,000万人
建設投資額(*) 4,300億円 7,350億円 8,240億円

(*)建築物の建設投資額のみを対象。その他、敷地造成工事、外構工事、設計管理に係わる費用は考慮せず。公共施設整備は含まず

大阪市 該当ページ
大阪市-夢洲まちづくり構想(案)~新たな国際観光拠点の形成に向けて(概要版)

2025年万博誘致

・2025年万博の開催地は、2018年11月のBIE総会における加盟国(現在は168カ国)の1国1票の投票で決定
・立候補は、大阪市以外は、フランス・パリ、ロシア・エカテリンブルク、アゼルバイジャン・バクーの3カ国
・フランス・パリは、2024年五輪誘致を展開中。その行方は、2025年万博の開催地にも影響を与える可能性
・2024年五輪開催地は、2017年9月のペルー・リマの第130回国際オリンピック委員会(IOC) 総会で決定

<万博会場建設費 政府、府市、経済界の三者等分負担で合意  経済界負担が課題>
・4月7日、政府、大阪府・市、経済界は、万博会場建設費(1,250億円)を三者等分負担で大筋合意
・経済界の負担分調達が課題
-現金寄付
-自社製品など現物提供
-投資の枠組み整備(資金拠出のリターンとして、会場用地の使用権を付与など)
-公営競技からの補助金
-日本万国博覧会記念基金(1970年大阪万博の収益金、約190億円)の活用

2025年万博 経済産業省 報告書案

テーマ 「いのち輝く未来社会のデザイン」
開催期間 2025年5月3日~11月3日
会場 夢洲の中央部第二期(60ha)を含む約100ha
入場者数想定 2,800~3,000万人
会場建設費 1,250億円(国、府・市、民間が負担)
事業運営費 800~830億円(入場料収入など充当)
関連事業費 730億円以上(鉄道アクセス、追加埋め立て)
経済波及効果 1.9兆円

 
IR賛否に関わる世論調査:
・マスコミ・メディア
2017年10月19日 by 神奈川新聞「カジノ「反対」68% 神奈川県内の世論調査、女性中心に拒否感」
2017年8月7日 by 時事通信社「身近にカジノ、反対66.8%=理由の最多は”治安悪化”」
2017年3月1日 by 朝日新聞・朝日放送世論調査「大阪府民世論調査―質問と回答〈2月25、26日実施〉」
2016年12月30日 by 読売新聞世論調査「カジノ法成立 評価せず 66%・・・読売調査」
2016年12月30日 by 日本経済新聞世論調査「外交、内閣支持率に追い風 カジノ反対63%」
2016年12月20日 by 朝日新聞世論調査「日ロ領土交渉「進まず」70% カジノ法「反対」64% 朝日新聞社世論調査」
2016年12月19日 by 産経新聞社・FNN(フジテレビジョン系列)世論調査「北方領土進展に否定的69%、真珠湾訪問評価88・2%、内閣支持率55・6%」
2016年12月19日 by 毎日新聞世論調査「北方領土、経済活動賛成6割 カジノ反対59%」
2016年12月18日 by NNN(日本テレビ系列)「北方領土解決につながると思わない50%超」
2016年12月18日 by 共同通信社「カジノ解禁に69%反対 内閣支持率5ポイント下落」
2016年12月4日 by 読売新聞「カジノ解禁に「反対」57%…読売新聞世論調査
2016年12月5日 by TBS「IR法案の成立に55%が「反対」、JNN世論調査
2016年11月16日 by 読売新聞(大阪)「本社府民世論調査 大阪万博『賛成』59% カジノを含むIR 反対『52%』」
2015年6月28日 by 東京新聞「カジノ設置 反対65% 観光 全国世論調査」
2015年4月17日 by 時事通信 「カジノ解禁、反対62%-時事世論調査」
2014年10月26日 by 日本経済新聞 「カジノ解禁 反対 59% 本社世論調査」
2014年10月7日 by 朝日新聞 「カジノ解禁法案 反対 59% 朝日新聞社世論調査」
2011年11月24日 by 産経新聞 「カジノ構想 解禁、収益を震災復興に 74%」
・電通
電通 「IR(カジノを含む統合型リゾート)に関する調査を実施-国内導入の議論に当たっては、IRに対する継続的な認知・理解促進が不可欠―」
電通 「日本版統合型リゾート(JIR)に対する国内外ビジネス層の意識調査― 日本では7割以上がIR導入に賛成」
・博報堂
博報堂 統合型リゾート(IR/MICE)に関する全国調査を実施
博報堂 カジノ・エンタテインメントプロジェクト 「日本にカジノができた場合、行ってみたい人は53.8%。リゾート型が最も人気」
博報堂 カジノビジネス研究会 「カジノビジネス生活者調査 第一回 速報~東京お台場にカジノができた場合、行ってみたいのは64.6%」
・日本カジノスクール
日本カジノスクール 2017年8月30日 IR・カジノに関する意識調査
日本カジノスクール 2015年5月17日 カジノに関する意識調査

カジノIRジャパン関連記事:
神奈川新聞 世論調査「カジノ反対多数 女性・高齢者に拒否感。若者賛成」~中立な情報提供を
日本カジノスクール「IR・カジノに関する意識調査」 賛成>反対。海外経験者ではダブルスコア
時事通信社 世論調査 「自分の住まいの近くにIR整備」に反対多数~中立な情報提供と調査を
誘致レース(148)大阪府市=中小企業 IR賛否 賛成が反対の3倍に 大阪信金調査
朝日新聞社 世論調査 大阪府でIR誘致反対多数~公平な調査と理解醸成を「IR=街づくり事業」
大手新聞社 世論調査 ~ 単純なカジノ賛否でなく、IR実施法案の総合的な審議・判断が重要③
大手メディア世論調査 ~ 単純なカジノ賛否でなく、IR実施法案の総合的な審議・判断が重要②
読売新聞、JNNの世論調査について~単純なカジノ賛否より、IR実施法案で総合的な審議・判断を
週刊 新聞・雑誌記事ピックアップ–11月第3週 大阪市・読売新聞の世論調査について
電通 カジノを含む統合型リゾート(IR)意識調査(2)IRの認知理解は社会の態度を大きく変容
電通 カジノを含む統合型リゾート(IR)意識調査(1)社会の認知不足を示す パブリシティが重要
メディアの世論調査について 「カジノ設置 反対65% 観光 全国世論調査」=東京新聞
カジノの入場料はいくらが妥当か?カジノに対する意識調査発表=日本カジノスクール
世論調査について カジノ解禁、反対62%-時事世論調査=時事通信社

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