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IR企業動向:Melco Resorts ホーCEO 1兆円超投資PR。着物イベント来日~外資間競争熾烈

2018-04-12

【国内ニュース】

4月11日、メルコリゾーツ&エンターテインメントのローレンス・ホーCEOが、日本経済新聞でインタビューに対応。
京都で開催中の着物文化イベントでの来日を機に、メディアで日本参入に向けたPRを実施。

IR実施法案の国会提出をまじかに、海外IR事業者のメディアPRが盛んとなっている。

ローレンス・ホー氏の主な発言は、
「大都市なら100億ドル(約1兆円)超の投資を検討」
「(IR実施法案の与党合意について、)世界で最も厳しい規制を導入する方針は理解できる」
「((日本での候補地については、)政府の選定を待つ」
「富裕層は訪れた地域の歴史や文化に深く敬意を払う。日本にとって必要なのはそうした顧客層」
「(自社の顧客データベースを活用し、)中国をはじめアジアの富裕層を誘致」
「(入場料6,000円/日について、)問題はない」
「(カジノ施設面積規制。延べ床面積全体の3%以下について、)マカオも5%程度。十分に対応可能」
「(ギャンブル依存症対策について、)メルガード」で政府の規制に対応できる」
「日本の文化や歴史、日本企業の知的財産も活用したい」

ちなみに、IRの開発投資額は、年間EBITDAの5~10倍で設定する(倍数は、所属する金融市場の資本コストの影響を受ける)。国内外の事業者は、まず、IR実施法案の与党合意を踏まえ、年間EBITDA予測を精査する必要がある。

また、Melco Resorts & Entertainmentを含む、マカオ勢は、2020~2022年にカジノ営業権(コンセッション)の満期を迎え、マカオ政府が更新の決定権を握る。
中国顧客の海外への誘導は、中国政府が強くけん制する領域であり、安易に実施できないだろう。

大阪市など日本の大都市は、後背に有する商圏の大きさから考えて、世界最大級のIR権益と考えられる。
大都市圏のIR事業のポテンシャルは、シンガポールニ施設が参考となろう。

Melco Resorts & Entertainmentが2017年度4Q業績~マカオ好調、フィリピン貢献開始

2月8日、Melco Resorts & Entertainmentが2017年度4Q実績を発表。
営業利益は、4Q(10-12月)が$129mn、YoY11%増、4Q累計(1-12月)が$608mn、YoY67%増。

収益柱であるCity of Dreams(マカオ、2009年6月開業)は、マカオ市場の好調をストレートに反映。
Studio City(マカオ、2015年10月開業)とCity of Dreams Manila(フィリピン、2014年12月開業)が、それぞれ立ち上がり期を経て業績貢献。

CEOであるローレンス・ホー氏の主なコメント
・マカオは、成長が持続へ。中高所得者層の拡大、港珠澳大橋など交通アクセス改善、コタイ地区新規IRが貢献
・IR施設へのアップグレード投資を実施
 City of Dreams ホテル:NÜWA, The Count:Down, Morpheus)
 Studio City:エンタテインメントコンテンツおよびアクセス改善。第二期投資計画を検討中
・日本進出は、引き続きコア・フォーカス

2017年度4Q業績(10-12月):
・売上高$1,333mn、YoY12%増、調整後EBITDAは$305mn、YoY12%増、営業利益$129mn、YoY11%増、株主帰属当期利益$81mn、YoY88%増
・プロパティ別の営業利益
 -Altira Macau=$17mn、YoY5.3倍
 -Mocha=$7mn、YoY37%増
 -City of Dreams=$170mn、YoY10%減
 -Studio City=$91mn、YoY61%増
 -City of Dreams Manila=$54mn、YoY7%増

2017年度4Q累計業績(1-12月):
・売上高$5,285mn、YoY17%増、調整後EBITDAは$1,285mn、YoY32%増、営業利益$608mn、YoY67%増、株主帰属当期利益$347mn、YoY97%増
・プロパティ別の営業利益
 -Altira Macau=$21mn、YoY4.0倍
 -Mocha=$27mn、YoY12%増
 -City of Dreams=$805mn、YoY8%増
 -Studio City=$336mn、YoY2.2倍
 -City of Dreams Manila=$235mn、YoY47%増

ゲーミング・コンセッションは2022年までに満期。2017年から早期償還オプション。政府対応に注目

マカオでは、6事業者(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、それらは2020-2022年に満期を迎える。
また、マカオ政府は2017年より、コンセッションを早期償還できる権利を得る(政府は早期償還権を行使する場合、1年以上前にノーティスする必要がある)。

仮に、コンセッションが維持されない場合、事業者は、営業権を失い、さらに、すべての設備を対価なしに、マカオ政府に移管することが義務付けられている。
各社にとり、コンセッションの喪失は、事実上、マカオ事業すべての喪失を意味する。

現在、マカオ政府は、満期後の対応について、検討を進めている。

2017年5~7月にかけて、政府高官がコンセッション満期について相次いで発言。ポイントは、
・政府は、すべての実行可能な方向性を検討
・コンセッション満期は、最大5年間の延長が可能
・満期後は、新規コンセッション付与プロセスが必要であり、”新たな入札”も選択肢

このうち、”新たな入札”発言は、6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
しかし、政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2020年3月31日 SJM Holdings 香港証券取引所 21
2020年3月31日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2017年3月末時点
注2:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

各地のIR事業コンソーシアムは、地域企業、開発企業、海外オペレーターで形成

日本のIR制度、そして、グローバルスタンダードの観点から、IRコンソーシアムは、地域企業、開発企業、海外オペレーターで形成することが必然である。

地域企業の役割は、「地域社会の信頼・合意形成力」「地域社会の調整」「地域に最適なコンセプトの決定」。
開発企業の役割は、「日本における不動産開発の経験ノウハウ」。
海外オペレーターの役割は、「海外におけるカジノIRの経験ノウハウ」。

上記の3つがそれぞれ不可欠な能力である。

日本企業、地域企業がIR経営主体の中核となる必然性
1-1)IRは大きな権益事業。政府は、少数限定のIRのみ許可する方向。IR経営主体は、一定の商圏を寡占し、大きな利益が確実視される。公共政策性に加え、国内への利益還流、産業育成の視点が重要
1-2)事実、日本と同様に、政府がIR施設を少数に制限するアジア・パシフィック主要国では、自国企業がほとんどのIRを開発運営する。都市国家であるシンガポールはほぼ唯一の例外
1-3)IRは、観光及び地域経済の振興を政策目的とする、街づくり事業である。街に精通した日本企業、地域企業が事業化をリードすべき
1-4)IR経営主体には、地域社会からの信頼が求められる。地域社会の信頼を積み上げてきた、日本企業、地域企業こそIR事業化をリードすべき
1-5)海外IR企業は、日本における事業経験、不動産開発経験、地域社会の信頼を持たない

日本企業、地域企業はIR経営主体をリードする能力を有する
2-1)地域企業は、当該地域、街について高い知識を有する
2-2)日本企業は、観光レジャー施設の高い開発運営能力を有する
2-3)日本企業は、カジノの開発運営の経験を持たない。しかし、カジノの開発運営ノウハウはコモディティ(標準化・流動化)。世界の約130ヵ国に2,000ヵ所ほど存在。そのノウハウは、資本構成によらず、人・チーム・各種サービス会社を通じて調達可能
2-4)日本企業、地域企業は、海外IR企業をパートナーとして活用可能。日本参入意欲を持つ海外IR企業は多数
2-5)IR事業化において、現在の資金力は重要なポイントではない。IR制度上、事業者選定、区域選定が終了するまで、大きな資金は不要。選定されれば、その事実を以って金融市場から資金調達が可能
 
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Melco Resorts & Entertainment 2017年度1Q業績 利益YoY3倍 StudoCity、フィリピン貢献
Melco Crown 2016年度4Q 業績回復、大型施設群が黒字化 ローレンス・ホー氏の支配力拡大
Melco Crown Entertainment 2016年度2Q Studio City、CoD Manilaとも黒字に 先行投資開花
Melco Crown Entertainment 2016年度1Q 業績底打ち感 新規IR立ち上がり、マカオ安定化
フィリピン:Melco Crown (Philippines) 2015年度業績 通期損失220億円。開業負担が重い
マカオ:Melco Crown 2015年度&4Q業績 4Q僅かに赤字だが、今後のビジビリティ改善を示唆
マカオ:Melco Crown Studio Cty ローン・コベナンツ見直し成功 資本再編は起こらず
 

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