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IR企業動向:Galaxy Entertainment 日本開発部門増強。テッド・チャン氏採用~外資間競争熾烈

2018-04-15

【国内ニュース】

4月12日、Galaxy Entertainment Groupは、マネジメントチームの異動を発表。日本開発部門を増強する。

テッド・チャン氏(Ted Chan)を新規に雇用し、日本開発部門の執行責任者(Chief Operating Officer)とする。4月10日を正式な就任日とし、日本に拠点を置く。
テッド・チャン氏は、2012年2月から2016年11月まで、Melco Resorts & Entertainmentの執行責任者を務めた経験を持つ。

これまで日本を含む国際開発部門の責任者であったマイケル・メッカ氏(Michael Mecca)は、取締役となる。
マイケル・メッカ氏(Michael Mecca)は、2009年にGalaxy Entertainmentに入社。当初はマカオの執行責任者であったが、2015年に国際開発部門の責任者となり、モナコのモンテカルロSBMとの資本提携などを実現。

副議長フランシス・ルイ氏(Francis Lui)は、「テッド・チャン氏が、日本参入の念願をに向けた動きを加速することに確信を持っている」。

IR実施法案の成立を視野に、海外IR事業者の活動が活発化してきた。

IR実施法は、区域認定数の上限を「3ヵ所」と法定する方向。
IR事業主体は、地域企業(地域社会の信頼、調整力、コンセプト)、海外IR事業者(ファイナンス保証、海外専門性の導入)のコンソーシアムとなる。

10社以上の海外IR事業者は、3つの席を巡り、熾烈な参入競争を繰り広げることになる。

日本は、経済規模の大きな国としては、ブラジルと並び、最後に残されたカジノIRの未開拓市場である

Galaxy Entertainment 2017年度4Q業績 EBITDA過去最高550億円。営業権満期がリスク

2月28日、Galaxy Entertainment Group(GEG)が2017年度4Q業績を発表。

2017年通期(1-12月)業績は、売上高はHKD$62,450mn、YoY18%増、調整後EBITDAはHKD$14,147mn、YoY37%増、株主帰属当期利益$10,504mn、YoY67%増。
(円換算は、8,243億円、1,867億円、1,386億円)

収益源は、マカオ・コタイ地区Galaxy Macauに依存。

2022年6月、マカオ・コンセッションが満期を迎え、その後の更新の行方が注目される。
Monte-Carlo SBMとの戦略的パートナーシップで、日本の参入機会を追及へ。

2017年度4Q(10-12月)業績:
・売上高はHK$18,001mn、YoY25%増、調整後EBITDAはHK$4,159mn、YoY40%増
・プロパティ別
-Galaxy Macau:売上高HKD$13,225mn、YoY31%増、調整後EBITDAはHK$3,357mn、YoY42%増
-StarWorld:売上高HK$3,679mn、YoY7%増、調整後EBITDAはHK$751mn、YoY18%増
-Broadway Macau:売上高HK$147mn、YoY8%減、調整後EBITDAはHK$7mn、YoY50%減
-City Clubs:売上高HK$29mn、YoY16%増、調整後EBITDAはHK$29mn、YoY16%増
-Construction Materials:売上高HK$921mn、YoY48%増、調整後EBITDAはHK$235mn、YoY88%増

2017年度通期(1-12月)業績:
・売上高はHKD$62,450mn、YoY18%増、調整後EBITDAはHKD$14,147mn、YoY37%増、株主帰属当期利益$10,504mn、YoY67%増
・プロパティ別
-Galaxy Macau:売上高HKD$44,578mn、YoY17%増、調整後EBITDAはHKD$11,130mn、YoY31%増
-StarWorld:売上高HKD$14,184mn、YoY20%増、調整後EBITDAはHKD$2,966mn、YoY38%増
-Broadway Macau:売上高HKD$514mn、YoY24%減、調整後EBITDAはHKD10mn、YoY67%減
-City Clubs:売上高HKD$107mn、YoYフラット、調整後EBITDAはHKD107mn、YoYフラット
-Construction Materials:売上高HKD$3,067mn、YoY43%増、調整後EBITDAはHKD$744mn、YoY71%増

開発アップデート:
・コタイ地区フェーズ3期&4期
-MICE、ファミリーエンタテインメントを強調
-近く計画発表へ
・横琴(Hengqin)地区
-2.7平方キロメートルの土地に低密度のリゾート開発を計画。マカオを補完
-コンセプトプランを策定中
・国際
-アジア・パシフィックIR開発において、Monte-Carlo SBMと戦略パートナーシップ
(2015年7月、GEGは、Monte-Carlo SBM株式5%を取得)
-マカオのゲーミング業界で唯一、Nikkei Asia300 Investable Indexに選出
-日本、フィリピン(ボラケイ島IR計画含む)などの開発機会を追及

ゲーミング・コンセッションは2022年までに満期。2017年から早期償還オプション。政府対応に注目

マカオでは、6事業者(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、それらは2020-2022年に満期を迎える。
また、マカオ政府は2017年より、コンセッションを早期償還できる権利を得る(政府は早期償還権を行使する場合、1年以上前にノーティスする必要がある)。

仮に、コンセッションが維持されない場合、事業者は、営業権を失い、さらに、すべての設備を対価なしに、マカオ政府に移管することが義務付けられている。
各社にとり、コンセッションの喪失は、事実上、マカオ事業すべての喪失を意味する。

現在、マカオ政府は、満期後の対応について、検討を進めている。

2017年5~7月にかけて、政府高官がコンセッション満期について相次いで発言。ポイントは、
・政府は、すべての実行可能な方向性を検討
・コンセッション満期は、最大5年間の延長が可能
・満期後は、新規コンセッション付与プロセスが必要であり、”新たな入札”も選択肢

このうち、”新たな入札”発言は、6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
しかし、政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2020年3月31日 SJM Holdings 香港証券取引所 21
2020年3月31日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2017年3月末時点
注2:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

各地のIR事業コンソーシアムは、地域企業、開発企業、海外オペレーターで形成

日本のIR制度、そして、グローバルスタンダードの観点から、IRコンソーシアムは、地域企業、開発企業、海外オペレーターで形成することが必然である。

地域企業の役割は、「地域社会の信頼・合意形成力」「地域社会の調整」「地域に最適なコンセプトの決定」。
開発企業の役割は、「日本における不動産開発の経験ノウハウ」。
海外オペレーターの役割は、「海外におけるカジノIRの経験ノウハウ」。

上記の3つがそれぞれ不可欠な能力である。

日本企業、地域企業がIR経営主体の中核となる必然性
1-1)IRは大きな権益事業。政府は、少数限定のIRのみ許可する方向。IR経営主体は、一定の商圏を寡占し、大きな利益が確実視される。公共政策性に加え、国内への利益還流、産業育成の視点が重要
1-2)事実、日本と同様に、政府がIR施設を少数に制限するアジア・パシフィック主要国では、自国企業がほとんどのIRを開発運営する。都市国家であるシンガポールはほぼ唯一の例外
1-3)IRは、観光及び地域経済の振興を政策目的とする、街づくり事業である。街に精通した日本企業、地域企業が事業化をリードすべき
1-4)IR経営主体には、地域社会からの信頼が求められる。地域社会の信頼を積み上げてきた、日本企業、地域企業こそIR事業化をリードすべき
1-5)海外IR企業は、日本における事業経験、不動産開発経験、地域社会の信頼を持たない

日本企業、地域企業はIR経営主体をリードする能力を有する
2-1)地域企業は、当該地域、街について高い知識を有する
2-2)日本企業は、観光レジャー施設の高い開発運営能力を有する
2-3)日本企業は、カジノの開発運営の経験を持たない。しかし、カジノの開発運営ノウハウはコモディティ(標準化・流動化)。世界の約130ヵ国に2,000ヵ所ほど存在。そのノウハウは、資本構成によらず、人・チーム・各種サービス会社を通じて調達可能
2-4)日本企業、地域企業は、海外IR企業をパートナーとして活用可能。日本参入意欲を持つ海外IR企業は多数
2-5)IR事業化において、現在の資金力は重要なポイントではない。IR制度上、事業者選定、区域選定が終了するまで、大きな資金は不要。選定されれば、その事実を以って金融市場から資金調達が可能
 
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