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Wynn Resorts セクハラ疑惑の余波 MA州 Steve Wynn氏のライセンス除外容認~事態収束の動き

2018-05-13

【海外ニュース】

5月7日、マサチューセッツ州ゲーミングコミッションは、Wynn Resorts社のカジノ運営に関わるライセンス審査対象から、Steve Wynn氏を除外する決定を発表。

Wynn Resorts社は、除外の決定を得るために、以下の方策を導入
・コミュニケーション・ルール「マネジメント、ボードは、Steve Wynn氏とコミュニケーションした際には、48時間以内に弁護士に報告する」
・Steve Wynn氏は、年次株主総会で議決権を行使しない(Steve Wynn氏は、3月21-22日にWynn Resorts社の全株式を売却済み。ただし、株主の権利確定日には所有していた)

1月26日に、Steve Wynn氏のセクハラ疑惑が発覚以来、米国ネバダ州、マサチューセッツ州、マカオのゲーミング当局は、Wynn Resorts社のライセンス、適格性について調査してきた。
当局は、Wynn Resorts社が、ライセンス獲得の際に、Steve Wynn氏のセクハラ関連訴訟を報告せず、また、何年も疑惑を認識しつつも見逃してきた点を問題視。

Steve Wynn氏 セクハラ疑惑と余波 時系列の動き~1月26日、Wall Street Journal報道が起点

4月27日 Wynn Resorts社 マサチューセッツ州ゲーミングコミッションのヒアリング出席
・CEOのMatt Maddox氏が、マサチューセッツ州ゲーミングコミッションによるSteve Wynn氏のセクハラ疑惑に関するヒアリングに出席
・そこで、以下を主張
 Wynn Boston Harborの施設名をEncore Boston Harborに変更
 自身の経営判断において、Steve Wynn氏の影響はない

4月18日 Wynn Resorts社 3名の女性取締役を新規任命。一方、Elaine Wynn氏はマジョリティ刷新を要求
・4月17日、最大株主Elaine Wynn氏(元CEO Steve Wynn氏の元妻、発行済株式数の9.25%を所有)は、Wynn Resorts社に対し、ボードメンバーのマジョリティ刷新を提案。2018年株主総会において、ボード刷新、新規ビジネスを提案する予定
・4月18日、Wynn Resorts社は、3名の女性取締役を新規任命。ボードは、11名体制となる
・なお、今週、Elaine Wynn氏は、和解の結果、Steve Wynn氏、Wynn Resorts社への訴訟を取り下げた。
・Wynn Resorts社は、長年、Steve Wynn氏の影響力が強すぎ、コーポレートガバナンスの弱さを指摘されてきた。第三者のコーポレートガバナンス評価機関は、Wynn Resorts社を極めて低位に評価していた

4月13日 米国マサチューセッツ州ゲーミングコミッション Steve Wynn氏のライセンス対象からの除外を認めず
・Wynn Resorts社は、Steve Wynn氏がCEOを辞職し、株式を売却したことから、Steve Wynn氏がライセンス資格対象者に該当しないと主張
・当局は、5月初にヒアリングを開催し、改めて、Steve Wynn氏の会社への影響が完全に排除されたかを見極める方針
・また、当局は、初夏に、Steve Wynn氏のセクハラ疑惑に関する調査結果を公表する予定

3月22日 Galaxy EntertainmentがWynn Resorts社の新株5%を取得
・WynnResorts社は、マカオGalaxy Entertainment Groupに、新株530万株(9.27億ドル≒873億円)を割り当てる
・Galaxy Entertainment Groupは、Wynn Resortsの5%の株主となる。
・Galaxy Entertainment Groupのフランシス・ルイ副議長のコメント
「今回の新株取得は、グローバルで認知される、ハイクオリティのIRパイプラインを持つエンターテインメント企業へのユニークな投資機会」

3月21日、22日 Steve Wynn氏が所有する全株式を売却
・3月21日、22日、Wynn Family Limited Partnership(Steve Wynn氏の所有)は、すべてのWynn Resorts株式売却を発表
・Wynn Resorts社がIR施設を運営する各行政区ゲーミング当局が、ライセンスの妥当性を検証する動き。検証対象は、最大株主であるSteve Wynn氏の適格性、および、ライセンス取得プロセスの正当性(セクハラ疑惑を報告しなかった)
・Wynn Resorts社の株主は、Steve Wynn氏に対して、株式売却の圧力を強めている。こうした中、Steve Wynn氏は、所有株式のすべての売却を決断した。
・2月9日時点での、Wynn Resorts社の株主構成は、Steve Wynn氏が11.8%、Elaine Wynn氏が9.4%。

3月8日
・長年の懸案であったWynn Resorts社ら(ボードメンバーを含む)、ユニバーサルエンターテインメントの訴訟は和解
・Wynn Resorts社は、2018年3月末までに、ユニバーサルエンターテインメントに、26億3,200万ドルを支払う予定

3月7日
・Wynn Resorts社は、取締役一名の辞任、一名の本年株主総会での再選の辞退を発表
・ボード陣は、株主訴訟に直面。元CEOのSteve Wynn氏のセクハラ疑惑を黙認し、株主の利益を阻害した可能性を追求されている

2月6日(Steve Wynn氏辞任)~
・2月6日、Wynn Resorts社は、Steve Wynn氏のCEOおよび取締役会議長の辞任を発表。取締役会は、Matt Maddox氏(現President)をCEOに、Boone Wayson氏を取締役会議長に任命

<Wynn resortsがIR施設のライセンスを持つ行政管轄区のゲーミング当局の対応>
・ネバダ・ゲーミング・コントロールボード
 1月30日、疑惑について、正式な調査を開始で、予備レビューは実施済み
 調査は、罰金、あるいは、究極的にはゲーミングライセンスはく奪につながる可能性
・マサチューセッツ・ゲーミング・コミッション
 2月7日、Steve Wynn氏の辞任後の適格性審査の継続を発表
 Steve Wynn氏は、大株主であり、影響力を有すると判断
 当局の関心は、Wynn Resorts社のボードメンバーによる、Steve Wynn氏のマニキュリストとのセクハラ訴訟(和解金750万ドル)の認識の有無
・マカオDICJ
 2月7日、Steve Wynn氏の辞任後の適格性審査実施を通告
 新規のボードメンバー、重要な従業員
 Steve Wynn氏は、大株主(5%以上を所有)として調査対象
・3行政管轄区とも、一定以上の株主(下記の通り)は、ライセンス、適格性審査の対象
 米国ネバダ州=公開会社は10%超、非公開会社は5%超
 米国マサチューセッツ州=5%超
 マカオ=5%超

1月28日~2月5日

<メディア報道>
・2月5日、ラスベガス最大の新聞Las Vegas Review-Journalは、告白記事を掲載
 同社は、Steve Wynn氏のセクハラ問題を認識し、1998年に記事化を試みたが、何らかの理由で差し止め
 告白記事内で、セクハラ被害の事例を紹介
・2月5日、Boston Globe誌は、Wynn Boston Harbor計画から、Steve Wynn氏の経営関与の排除、名前の変更を求める社説を発表
・2月3日、Bloombergは、Steve Wynn氏とマニキュリストによるセクハラ訴訟(和解金750万ドル)は、父親確定訴訟であった見方を報道

<Steve Wynn氏、Wynn resortsが関係を持つ大学の動き>
・2月1日、The University of Pennsylvaniaは、Wynn Resortsのネーミングライツ(コモンエリアのWynnサインの掲示)、および、名誉学位のはく奪を発表
・その他の大学もSteve Wynn氏との関連見直しの動き

<Wynn resortsがIR施設のライセンスを持つ行政管轄区のゲーミング当局の対応>
・ネバダ・ゲーミング・コントロールボード
 1月30日、疑惑について、正式な調査を開始
 すでに、予備レビューは実施済み
 調査は、罰金、あるいは、究極的にはゲーミングライセンスはく奪につながる可能性
・マサチューセッツ・ゲーミング・コミッション
 1月31日、疑惑について、正式な調査開始を発表
 焦点の一つは、Wall Street Journalがレポートした、2005年のマニキュリストとのセクハラ紛争の和解(和解金750万ドル)の事実関係と、州の適性審査における申告漏れ
 Wynn Resorts側弁護士は、和解の存在を確認。裁判所外の和解であり、正式なドキュメントの不在を主張
・マカオDICJ
 1月29日、Wynn Macau社の代表者から事情を聴取
 2月5日、行政トップが継続的な状況報告を要請

1月27日
・Steve Wynn氏は、共和党全国委員会の財務部門議長を辞任
・Wynn resortsは、第三者調査委員会の組成を決定

1月26日(Wall Street Journal報道)
・Wall Street Journal報道
 Steve Wynn氏(CEO, 76)のセクシャルハラスメント疑惑をレポート
 Wynn Resortsで働いた経験を持つ150人以上にコンタクトし、さまざまな証言を収集
 Steve Wynn氏が、過去に、Wynn Resortsで働いていたマニキュリストによるセクハラ訴訟で和解金750万ドルを支払った事実を強調

長年の株主間紛争は和解~Steve Wynn氏、Elaine Wynn氏、ユニバーサルエンターテインメント

・現在、Wynn Resorts社の株主構成は、Steve Wynn氏が11.8%、Elaine Wynn氏が9.4%
・2月9日、Steve Wynn氏は、Elaine Wynn氏所有株式の預託契約(議決権、売却制限)を放棄
・3月8日、長年の懸案であったWynn Resorts社ら(ボードメンバーを含む)、ユニバーサルエンターテインメントとの訴訟は和解

<元妻であるElaine Wynn氏との紛争>
・Elaine Wynn氏は、自身の株式の権利をSteve Wynn氏に預託する契約(売却制限、議決権)を締結
・過去6年間、Elaine Wynn氏は、預託契約の無効を主張(ユニバーサルエンターテインメント株式の強制償還後)
・2月9日、Steve Wynn氏は、Elaine Wynn氏所有のWynn Resorts株式に対するコントロールを放棄すると発表

<ユニバーサルエンターテインメントとの紛争>
・2012年2月、Wynn Resortsは、当該調査レポートを根拠に、ユニバーサルエンターテインメント所有のWynn Resorts株式(発行済株式数の19.6%)の強制ディスカウント償還を実行
・その後、ユニバーサルエンターテインメントは、強制ディスカウント償還の無効を主張し、Wynn Resorts社らを提訴
・2018年3月8日、和解が成立。Wynn Resorts社は、2018年3月末までに、ユニバーサルエンターテインメントに、26億3,200万ドルを支払う予定。一方、ユニバーサルエンターテインメントらは、Wynn Resorts社らへの訴訟を取り下げる

Wynn Resorts 2018年度1Q業績 訴訟和解費で赤字。ただし、営業好調。EBITDAはYoY32%増

4月24日、Wynn Resortsが2018年度1Q業績を発表。

1Q(1-3月)は、調整後プロパティEBITDAは$564mn、YoY32%増、営業損益は$81mnの赤字、株主帰属当期損益$204mnの赤字。

施設営業は、マカオは絶好調、ラスベガスは順調。
一方、営業利益以下の赤字は、主として、各種訴訟和解費用(ユニバーサルエンターテインメント、Elaine Wynn氏など)$464mnの計上が影響。

なお、バランスシートは、現金および現金等価物、短期保有有価証券の合計が$2.16bn、有利子負債残高が$9.36bn。
ネット有利子負債は、$7.2bn(約7,500億円)。

2018年度1Q業績(1-3月):
・売上高$1,716mn、YoY20%増、調整後プロパティEBITDAは$564mn、YoY32%増、営業損益$81mnの赤字(前年同期$250mnの黒字)、株主帰属当期損益$204mnの赤字(同$101mn)
・地域別業績
 Macau Total=調整後プロパティEBITDAは$422mn、YoY44%増、営業利益$275mn、YoY83%増
 -Wynn Macau=調整後プロパティEBITDAは$210mn、YoY16%増、営業利益$159mn、YoY24%増
 -Wynn Palace=調整後プロパティEBITDAは$212mn、YoY89%増、営業利益$119mn、YoY4.8倍(*2016年8月開業)
 Las Vegas Total=調整後プロパティEBITDAは$143mn、YoY6%増、営業利益$72mn、YoY7%増
・営業利益以下の赤字は、主として、各種訴訟和解費用(ユニバーサルエンターテインメント、Elaine Wynn氏など)$464mnの計上

開発プロジェクトのアップデイト:
・Wynn Boston Harborプロジェクト(米国マサチューセッツ州)
 開業予定=2019年中盤
 投資額=25億ドル
 EBITDAの予想レンジ=3.5-4.0億ドル
 雇用創出=建設時4,000人、運営時4,000人
 州は税収として年間2億ドルを期待(カジノ売上課税はGGRに対して25%の設定)
 土地13ha、24階建てビルディング
 2016年3Qに工事開始

・Wynn Las Vegas golf course跡地プロジェクト(米国ネバダ州ラスベガス)
 開業予定=2020年前半
 第1フェーズ投資額=5億ドル
 ラグーン、その他会議・コンベンション施設を含む
 2008年のEncore開業後、初のラスベガスの開発計画

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