【海外ニュース】
11月8日、Melco Resorts & Entertainment(MLCO、米国NASDAQ上場)が2018年度3Q実績を発表。
営業利益は、3Q(7-9月)は$84mn、YoY57%減、3Q累計(1-9月)は$423mn、YoY12%減。
3Q(7-9月)の経常損益は$14mn(営業利益$84mn、利払費用$69mn)。
3Qは、旗艦であるマカオ・コタイ地区City of Dreamsが大幅減益。同施設の営業利益は$76mn、YoY62%減。ゲーミング部門、とくにVIPが低調。
City of Dreamsの3Qのテーブル一台・一日当たりWinは、$15,678、YoY10%減。
ローレンス・ホーCEOの日本に関するコメント(2Q時とほぼ同じ):
「日本は、引き続き、我々のコアフォーカス。日本の観光は成長余地が大きい。我々は、日本において、次世代型IR開発の機会を得て、観光産業拡大に寄与できることを期待する。我々の強みは、アジア・プレミアム顧客層、ワールドクラスのエンタテインメント、ソーシャルセーフガード、法令順守、そして、日本、コミュニティのローカルパートナーとなる決意、など。我々は、日本におけるIR開発機会の獲得レースにおいて、良いポジションに位置すると信じる。」
2018年度3Q業績(7-9月) $=米国ドル:
・売上高$1,220mn、YoY11%減、調整後EBITDAは$267mn、YoY27%減、営業利益$84mn、YoY57%減、株主帰属当期利益$10mn、YoY92%減
・2018年より売上高の認識基準を変更。前年基準の3Q売上高は、$1,312mn、YoY5%減
・プロパティ別の営業利益
Altira Macau=$6mnの赤字(前年同期は$10mnの赤字)
Mocha=$2mn、YoY49%減
City of Dreams=$76mn、YoY62%減
Studio City=$43mn、YoY6%減(Melco株式所有率は、60%)
City of Dreams Manila=$25mn、YoY11%増
2018年度3Q累計業績(1-9月) $=米国ドル:
・売上高$3,762mn、YoY5%減、調整後EBITDAは$969mn、YoY1%減、営業利益$423mn、YoY12%減、株主帰属当期利益$224mn、YoY16%減
・プロパティ別の営業利益
Altira Macau=$20mn(前年同期は$13mnの赤字)
Mocha=$11mn、YoY17%減
City of Dreams=$334mn、YoY32%減
Studio City=$133mn、YoY36%増(Melco株式所有率は、60%)
City of Dreams Manila=$97mn、YoY34%増
図表の通り、マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、それぞれ、2020~2022年に満期を迎える。
マカオでは、コンセッション保有者のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、大きな権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。
現行コンセッション満期後の焦点は、現有6社の事業継続(現行コンセッション継続)の可否、新規参入(新規コンセッション発給)の有無、など。
6社は、ゲーミング・コンセッションを喪失した場合、実質上、ほとんどの事業を失うことになる。
現在、マカオ政府は、満期後の対応の検討を進めており、2018年後半に、満期後の方針の詳細をアップデイトする方針。
マカオ政府は、アカデミックに対して、ゲーミング・セクター長期ビジョン(2020-2030年)に関する二つのスタディを発注済みで、それらは2018年3Qに完成予定。そのスタディは、適正なゲーミング・ライセンス数に関する考察を含む。
ゲーミング・コンセッションに関して、現行ゲーミング関連法、契約(政府-事業者)が規定するポイントは以下の通り。
・現行ゲーミング・コンセッション満期後、新規のコンセッションは、入札プロセス(Bidding, Public Tender)を通じて、付与されなければならない
(現行コンセッションについて、満期後に”更新”の概念はない)
・現行ゲーミング・コンセッションは、最大5年間の延長が可能
・政府は、2017年より、現行ゲーミング・コンセッションを早期償還できる権利を持つ
(政府は早期償還権を行使する場合、1年以上前にノーティスする必要がある)。
・現行ゲーミング・コンセッション保有者は、それを喪失した場合、カジノ施設(関連施設)を、対価なしに、マカオ政府に移管する義務
2017年央、政府高官は、初めて、”新たな入札(New Tender)”という表現を用いた。その発言は、現コンセッション保有6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。
図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日
コンセッション満期日 | 事業者 | 証券取引所 | カジノ施設数 | 獲得順 |
---|---|---|---|---|
2020年3月31日 | SJM Holdings | 香港証券取引所 | 22 | 1 |
2020年3月31日 | MGM China | 香港証券取引所 | 2 | 5(サブ) |
2022年6月26日 | Wynn Macau | 香港証券取引所 | 2 | 2 |
2022年6月26日 | Galaxy Entertainment | 香港証券取引所 | 6 | 3 |
2022年6月26日 | Sands China | 香港証券取引所 | 5 | 4(サブ) |
2022年6月26日 | Melco Resorts & Entertainment | NASDAQ | 4 | 6(サブ) |
注1:カジノ施設数は2018年6月末時点
注2:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
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