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マカオ:SJM Holdings 18年度通期 最終利益400億円。19年, コタイ進出へ~日本言及なし

2019-03-03

【海外ニュース】

2月28日、SJM Holdingsが2018年度通期(1-12月)業績を発表。

SJM Holdingsは、2018年12月末時点、保有コンセッションのもと、20のカジノ施設を運営。
うち、4つが自社施設、16施設はサテライトカジノ(サービスアグリーメントを通じ、第三者が所有・運営)。
自社施設の旗艦は、Casino Grand Lisboa。

株主帰属当期利益は、HK$2,850mn,YoY45%増(400億円)。市場回復の追い風を受けた。ただし、事業のほぼすべてがマカオ半島にあり、コタイ地区のIR群にシェアを奪われている。

現在、コタイ地区初進出となるGrand Lisboa Palaceを開発中。
建設作業は、2014年2月に開始、2019年前半に完了予定。2019年後半の開業を目指す。
施設概要は、
総開発費=HK$36bn(約5,040億円)
延べ床面積=約52万㎡(加えて、駐車エリアは約7.7万㎡)
ホテル=合計2,000室(Grand Lisboa Palace, Palazzo Versace, Karl Lagerfeld)
MICE、飲食、ショッピング、カジノ

なお、SJM Holdingsの開示資料には、日本に関する言及はなかった。
SJM Holdingsは、日本参入チームを編成、2019年1月の「第1回 北海道IRショーケース」に出展した。

2018年度通期業績(1-12月):
・売上高HK$34,410mn,YoY8%増, 調整後EBITDAはHK$3,724mn,YoY21%増, 株主帰属当期利益HK$2,850mn,YoY45%増
・円換算は、売上高4,817億円、調整後EBITDAは521億円、株主帰属当期利益400億円
<プロパティ別>
– Casino Grand Lisboa=売上高(GGR)HK$15,663mn,YoY5%増, 調整後EBITDAはHK$2,081mn,YoY24%増
– その他自社施設=売上高(GGR)HK$6,265mn,YoY1%減, 調整後EBITDAはHK$890mn,YoY44%増
(Casino Lisboa, Casino Oceanus、Casino Taipa)
– サテライトカジノ=売上高(GGR)HK$21,972mn,YoY9%増, 調整後EBITDAはHK$647mn,YoY4%減
(全16施設)
<ゲーミング売上高の内訳>
– 合計=HK$33,677mn,YoY8%増
– VIP Operation=HK$19,663mn,YoY1%減
– Mass Operation=HK$23,080mn,YoY12%増
– Slot machine Operation=HK$1,157mn,YoY13%増
(Less)commissions and incentives=HK$10,223mn,YoY2%減

マカオ:SJM Holdings 親会社STDMの支配で合意。パンジーホー氏とフォック基金

1月23日、パンジー・ホー氏(スタンレー・ホー氏と第二夫人の長女)、ヘンリー・フォック基金(スタンレー・ホー氏の創業パートナー一族)は、SJM Holdingsの支配について協調することで合意したと発表。
パンジー・ホー氏が支配するShun Tak Holdings(香港上場。海運、資産管理業)が香港証券取引所にファイリングした。

両者は、合計で、SJM Holdingsの支配株主であるマカオ旅遊娯楽(STDM)の株式の53%を所有する。
内訳は、ヘンリー・フォック基金が26.6%、Shun Tak Holdingsが15.8%、パンジー・ホー氏が残り10.6%。

マカオ旅遊娯楽(STDM)は、SJM Holdingsの株式の54%を所有する。

この結果、アンジェラ・リョン氏(スタンレー・ホー氏の第四夫人)の影響力が相対的に希薄化した。アンジェラ・リョン氏は、SJM Holdingsの共同会長であり、SJM Holdingsの株式の8.6%を所有する。

2018年6月12日の株主総会で、スタンレー・ホー氏(当時96歳)が、経営トップ(会長、エグゼクティブダイレクター)を辞任、新設された名誉会長のポストに就いた。
スタンレー・ホー氏は、パートナーとともに、1960年代初めにマカオのカジノ経営権を獲得。その後、2002年の市場開放まで市場を独占した。

SJM Holdingsの経営トップについては、デイジー・ホー氏(53歳)が会長兼エグゼクティブダイレクター職を継承。
ティモシー・フォック氏、アンジェラ・リョン氏が共同会長兼エグゼクティブダイレクターに、アンブロース・ソー氏が副会長兼エグゼクティブダイレクター兼CEOに就任。

デイジー・ホー氏(53歳)、ティモシー・フォック氏、アンジェラ・リョン氏の3会長体制となった。
デイジー・ホー氏は、スタンレー・ホー氏の第二夫人の次女。
ティモシーフォック氏は、スタンレー・ホー氏の創業パートナーの子息。
アンジェラ・リョン氏は、スタンレー・ホー氏の第四夫人。

現在のマカオのカジノ・コンセッション6社のうち、SJM Holdings、Melco Resorts & Entertainmentは、スタンレーホー氏のファミリーの支配下にある。Melco Resorts & Entertainmentの最大株主は第二夫人の令息であるローレンス・ホー氏。

また、MGM Chinaの創業パートナーであり、第二株主は、パンジー・ホー氏。
MGM Chinaは、当初は、パンジー・ホー氏とMGM Resorts Internationalがイーコールパートナーシップであった。その後、MGM Resorts Internationalが株式を買い増し、株式の56%を所有。現在のパンジー・ホー氏の株式所有は22.49%。

マカオ:政府 コンセッション満期後方針「依然調査中」~各社は政府の一挙手一投足注視

1月16日、マカオ経済財政庁Lionel Leong長官は、記者会見にて、ゲーミング・コンセッション満期後(2020-2022年)の方針について、「依然として分析中」「民間からのさまざまな意見を聴取中」と回答。

マカオ政府は、アカデミック(University Of Macau, Macau university of Sciense and Technology)に対し、二つのスタディ(ゲーミング・セクター長期ビジョン 2020-2030年)を発注済み。
それらスタディは、当初2018年3Qに完成予定であったが、2019年1月現在、いまだ完成に至っていない状況。

政府のゲーミング・コンセッション満期後(2020-2022年)の対応は、カジノ業界の最大の関心事。業界は、今後もマカオ政府の一挙手一投足に注目することになる。

2018年11月15日、崔世安(Fernando Chui Sai On)・マカオ特別行政区行政長官が、2019年の政策発表演説を実施。
ゲーミング・コンセッション満期に伴うプロセスについて、明確な方針は示されなかった。

演説および関連カンファレンスを通じて、崔世安氏が残した関連コメントは、
「2020年、2022年のゲーミング・コンセッション満期を考慮し、行政は検討を進め、コミュニティの意見を集約中」
「2022年の満期前に、行政は、”入札プロセス(Tender process)”を実施する」
「2020年に満期となるゲーミング・コンセッション(SJM Holdings, MGM China)について、行政は対応を検討中」
「行政は、本件について、オープン、透明に民間への情報提供を行う方針」

2017年の政策発表演説において、崔世安氏は以下を発言した経緯がある。
「2018年央は、ゲーミング・コンセッション満期に伴うプロセスに向き合う適切なタイミング」
「政府は、アカデミックに対して、ゲーミング・セクター長期ビジョン(2020-2030年)に関する二つのスタディを発注済みであり、2018年3Qに完成予定」

11月15日の崔世安氏の発言から読み取れる先行きに関する情報は、”2022年前に新たな入札を実施”であろう。すなわち、現行コンセッションの”自動更新はない”、”最大5年間の延長オプション行使なし”である。

なお、2020年に先行満期となる2社(SJM Holdings, MGM China)は、2年間の延長(他4社とタイミングを合わせる名目)を要請している。

図表の通り、マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、それぞれ、2020~2022年に満期を迎える。
マカオでは、コンセッション保有者(または、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、大きな権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。

現行コンセッション満期後の焦点は、現有6社の事業継続の可否、新規参入の有無、など。
6社は、ゲーミング・コンセッションを喪失した場合、実質上、ほとんどの事業を失うことになる。

マカオ経済財政庁Lionel Leong長官のこれまでの発言は以下の通り。
「現行ゲーミング・コンセッション満期後、新たなコンセッションは、入札プロセス(Bidding, Public Tender)を通じて、付与されなければならない」
「新しい入札を実施するためには、ゲーミング関連法の改正が必要となる」
「現在、ゲーミング関連法改正に向けて、政府内で、予備提案を精査中」

ゲーミング・コンセッションに関して、現行法、契約(政府-事業者)が規定するポイントは以下の通り。
・現行コンセッション満期後、新規コンセッションは、入札プロセス(Bidding, Public Tender)を通じて付与
(現行コンセッションついて、満期後に”更新”の概念ではない)
・現行ゲーミング・コンセッションは、最大5年間の延長が可能
・政府は、2017年より、現行ゲーミング・コンセッションを早期償還できる権利を持つ
(政府は早期償還権を行使する場合、1年以上前にノーティスする必要がある)。
・現行ゲーミング・コンセッション保有者は、それを喪失した場合、カジノ施設(関連施設)を、対価なしに、マカオ政府に移管する義務

2017年央、政府高官は、初めて、”新たな入札(New Tender)”という表現を用いた。その発言は、現コンセッション保有6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2020年3月31日 SJM Holdings 香港証券取引所 22
2020年3月31日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年6月末時点
注2:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 
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