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Wynn Resorts 豪Crown買収協議中止~マカオ営業権満期視野に日本, APAC進出急ぐ

2019-04-10

【海外ニュース】

4月8日、オーストラリアのCrown Resortsが、Wynn Resortsと経営権の異動を伴う可能性がある協議を進めるとリリースを公開。
4月9日、Wynn Resortsは、SEC(米証券取引委員会)に、Crown Resortsとの協議を認めるリリースを提出。
同じ4月9日、Wynn Resortsは、SEC(米証券取引委員会)に、Crown Resortsとの協議打ち切るリリースを提出。

各種報道によれば、協議は、Wynn ResortsによるCrown Resortsの買収であった。Crown Resortsの時価総額は、71億ドル(約8,000億円)。
情報漏えいが、協議の打ち切りの一因となった。

Wynn Resortsは、地理的な事業拡張を目指したとされる。収益柱であるマカオのコンセッション満期(2022年6月26日)を意識した動き。その対策は、マカオ事業の継続(コンセッション新規獲得)、日本やオーストラリアを含むアジア太平洋地域(APAC)への新規参入である。

Wynn Resortsは、現在、米国(ネバダ州ラスベガス)およびマカオで事業を展開するが、営業利益の85%はマカオ由来である。

マカオのゲーミング・コンセッション(6社が保有)は、すべて2022年6月26日に満期を迎える。マカオ政府は、現行コンセッション満期後、次期コンセッションを新規入札(New Pulic Tender)を通じて付与する方針を強調(更新の概念はない)。

アジア太平洋地域の各国では、カジノを含む統合型リゾート(IR)は、政府による少数管理下にあり、大きな権益である(安定高収益)。

マカオ:政府, SJMとMGMの営業権延長承認。全社, 22年6月満期に~新規入札強調

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2022年6月26日 SJM Holdings 香港証券取引所 22
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年12月末時点
注2:2019年3月15日、マカオ政府はSJM Holdingsのコンセッション(MGM China Holdingsのサブ・コンセッション)の満期日を、2020年3月31日から2022年6月26日に延長を承認
注3:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

Wynn Resorts 18年度4Q業績 経常益1.7億ドル, YoY2割減~米国苦戦。マカオ営業権リスク

1月30日、Wynn Resortsは、2018年度4Q業績を発表。

4Q(10-12月)の営業利益は$258mn、YoY14%減、経常損益(営業利益-ネット利息費用)は$166mn、YoY22%減。
主力のマカオ事業は前年並みを確保したが、ラスベガスが苦戦。ラスベガスは、市場低調、競争激化の影響で、大幅減益を余儀なくされた。

なお、4Q累計の営業利益以下には、1Qにおける各種訴訟和解費用(ユニバーサルエンターテインメント、Elaine Wynn氏など)$464mnの計上が影響。

Wynn Resortsは、マカオ事業(Wynn Macau)のウエイトが高い。同社のマカオのゲーミング・コンセッションが2022年6月に満期を迎える。マカオ政府は、満期後に再入札を実施する方針。

2018年度4Q業績(10-12月):
・売上高$1,688mn、YoY4%増、調整後プロパティEBITDAは$499mn、YoY4%増、営業利益$258mn、YoY14%減、株主帰属当期利益$477mn、YoY96%増
・米国税制改正に伴いタックスベネフィットが発生。当期利益はイレギュラー
・地域別業績
Macau Total=調整後プロパティEBITDAは$394mn, YoY5%増, 営業利益$240mn, YoY3%増
-Wynn Palace=調整後プロパティEBITDAは$226mn, YoY19%増, 営業利益$129mn, YoY27%増
-Wynn Macau=調整後プロパティEBITDAは$168mn, YoY10%減, 営業利益$114mn, YoY15%減
Las Vegas Total=調整後プロパティEBITDAは$105mn, YoY1%増, 営業利益$24mn, YoY35%減

2018年度4Q累計業績(1-12月):
・売上高$6,718mn、YoY11%増、調整後プロパティEBITDAは$2,044mn、YoY13%増、営業利益$747mn、YoY29%減、株主帰属当期利益$584mn、YoY22%減
・米国税制改正に伴いタックスベネフィットが発生。当期利益はイレギュラー
・地域別業績
Macau Total=調整後プロパティEBITDAは$1,577mn, YoY22%増, 営業利益$978mn, YoY43%増
-Wynn Palace=調整後プロパティEBITDAは$844mn, YoY60%増, 営業利益$459mn, YoY2.9倍
-Wynn Macau=調整後プロパティEBITDAは$733mn, YoY4%減, 営業利益$532mn, YoY1%減
Las Vegas Total=調整後プロパティEBITDAは$467mn, YoY11%減, 営業利益$170mn, YoY30%減
・1Qに、営業費用に、各種訴訟和解費用(ユニバーサルエンターテインメント、Elaine Wynn氏など)$464mnを計上

2018年度4Q末(12月末)財務状況:
・ネット有利子負債$7,200mn(手元現金$2,220mn、有利子負債$9,420mn)

開発プロジェクトのアップデイト:
・Encore Boston Harborプロジェクト(米国マサチューセッツ州)
 開業予定=2019年中盤
 開発総投資額=26億ドル(2018年9月まで18.3億ドルが発生)
 EBITDAの予想レンジ=3.5-4.0億ドル
 雇用創出=建設時4,000人、運営時4,000人
 州は税収として年間2億ドルを期待(カジノ売上課税はGGRに対して25%の設定)
 土地13ha、24階建てビルディング
 2016年3Qに工事開始

・Wynn Las Vegas golf course跡地プロジェクト(米国ネバダ州ラスベガス)
 開業予定=2020年前半
 第1フェーズ投資額=5億ドル
 ラグーン、その他会議・コンベンション施設を含む
 2008年のEncore開業後、初のラスベガスの開発計画

Wynn Resorts 創業者Steve Wynn氏セクハラ問題 ネバダ州, ライセンス継続, 罰金処分に~収束に

2019年1月28日、Wynn Resortsは、1月25日にNevada Gaming Control Board(NGCB)が同社創業者(旧CEO)Steve Wynn氏のセクハラ問題の調査結果および同社に対する懲戒処分案を決定したと発表。

調査は、WYnn Resortsの関係者の一部が、セクハラ問題を認識していたものの、是正行動を起こさなかったと結論付けた。

NGCBは、同社の営業ライセンスの制限、取り消し、あるいは、同社従業員に対する処分を検討せず。ただし、NGCBは、同社に対して、罰金を科す考え。

今後、Nevada Gaming Commissionが、処分案および罰金額について最終決議を行う予定。罰金額は数百万ドルと、経営に大きな影響を与える水準ではなさそう。

なお、Massachusetts Gaming Commissionは、調査は終了したが、未公開の状況。

Wynn Resorts創業者Steve Wynn氏のセクハラ問題は、2018年1月26日のWall Street Journal報道が起点となった。そこから、米国ネバダ州およびマサチューセッツ州、マカオのゲーミング当局がライセンスの適格性に関する調査を開始。
2月6日には、Steve Wynn氏は、CEOを辞任。3月21、22日にはSteve Wynn氏は所有するWynn Resorts株のすべての売却を発表。

ゲーミング事業は、当局のライセンスが前提となり、その剥奪は事業消失、すなわち企業価値の喪失を意味する。

長年の株主間紛争は和解~Steve Wynn氏、Elaine Wynn氏、ユニバーサルエンターテインメント

・2018年3月、創業CEOであったSteve Wynn氏が、所有株式全株を売却し、CEOを退任
・その前後に、長年の懸案であったElaine Wynn氏、ユニバーサルエンターテインメントとの紛争が決着
(Steve Wynn氏が売却前の主要株主構成は、Steve Wynn氏が11.8%、Elaine Wynn氏が9.4%)

・3月8日、長年の懸案であったWynn Resorts社ら(ボードメンバーを含む)、ユニバーサルエンターテインメントとの訴訟は和解

<元妻であるElaine Wynn氏との紛争>
・Elaine Wynn氏は、自身の株式の権利をSteve Wynn氏に預託する契約(売却制限、議決権)を締結
・過去6年間、Elaine Wynn氏は、預託契約の無効を主張(ユニバーサルエンターテインメント株式の強制償還後)
・2月9日、Steve Wynn氏は、Elaine Wynn氏所有のWynn Resorts株式に対するコントロールを放棄すると発表

<ユニバーサルエンターテインメントとの紛争>
・2012年2月、Wynn Resortsは、当該調査レポートを根拠に、ユニバーサルエンターテインメント(UE)所有のWynn Resorts株式(発行済株式数の19.6%)の強制ディスカウント償還を実行
・その後、UEは、強制ディスカウント償還の無効を主張し、Wynn Resorts社らを提訴
・2018年3月8日、和解が成立。Wynn Resorts社は、2018年3月末までに、UEに、26億3,200万ドルを支払った。一方、UEらは、Wynn Resorts社らへの訴訟を取り下げた

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