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IR法制度:「特定複合観光施設区域整備法施行令」解説 第2回 魅力増進施設の要件

2019-04-12

【IR資料室】

筆者:渡邉 雅之 弁護士法人三宅法律事務所 パートナー弁護士 IR推進会議委員(略歴は巻末を参照)
カジノIRジャパン:IR資料室>IR法制度
カジノIRジャパン:IR資料室>IR法制度~渡邉雅之弁護士 IR推進会議委員

「特定複合観光施設区域整備法施行令」解説

「特定複合観光施設区域整備法」(平成30年7月27日法律第80号、以下「IR整備法」又は「法」といいます。)の施行政令である「特定複合観光施設区域整備法施行令」(平成31年3月27日政令第72号、以下「IR整備法施行令」又は「施行令」といいます。)(*1)が公布されました。

本解説においては、IR整備法施行令の内容を逐条解説いたします。

なお、筆者は、特定複合観光施設区域整備推進会議の委員ですが、本解説の意見は個人的な見解に過ぎないことにご留意ください。

(*1)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ir_promotion/kokkaiteisyutsuhoan/shikoureian.pdf

「特定複合観光施設区域整備法施行令」解説 全体構成(緑は本ページ掲載コンテンツ)

Ⅰ.「特定複合観光施設」の中核施設の具体的な基準・要件(施行令第1条~第5条)
 1.国際会議場施設及び展示等施設(MICE施設)の基準(法第2条第1項第1号・第2号、施行令第1条・第2条)
 2.魅力増進施設の要件(IR整備法施行令第3条)
 3.送客施設の基準(施行令第4条)
 4.宿泊施設の基準(施行令第5条)
Ⅱ. 専らカジノ行為の用に供される部分(ゲーミング区域)の床面積の上限(施行令第6条)
 1.ゲーミング区域の床面積の上限
 2.絶対値による定めを行わなかった理由
 3.「特定複合観光施設の床面積」の解釈
Ⅲ.IR区域以外の地域でカジノ事業者等に関する広告物の表示等が制限されない施設(施行令第15条)
Ⅳ. マネー・ローンダリング対策(本人確認等の対象となる特定取引の範囲・現金取引報告(CTR)の対象となる取引の範囲)
 1.本人確認等の対象となる特定取引の範囲(犯収法施行令第7条第4号等)
 2.現金取引報告(CTR)の対象となる取引の範囲(法第109条第1項、施行令第16条)
 3.IR整備法上のその他のマネー・ローンダリング規制
Ⅴ. カジノ事業の免許等の欠格事由となる罰金刑の対象となる罪
 1.カジノ事業免許の申請者の欠格事由(法第41条第2項)
 2 カジノ事業免許等の欠格事由に係る罪
Ⅵ.カジノ施設の入場規制(日本人等への入場料の賦課及び入場回数制限、一定の者の入場禁止)、一定の者のカジノ行為の禁止規制の例外
 1 入場規制の禁止の例外
 2.カジノ行為の禁止規制の例外
Ⅶ.特定資金受入業務においてカジノ事業者に保証金の供託等(法第84条第2項・第3項、施行令第11条、第12条)
 1.特定資金受入業務(法第2条第8項第2号ロ)
 2.特定資金受入業務の規制(法第84条)
Ⅷ.特定複合観光施設区域の土地に関する権利の移転又は設定をする取引又は行為のうち、カジノ管理委員会の認可がない場合でも私法上の効力までは否定されないもの(施行令第 25条)
Ⅸ.申告・納付期限の日など入場料納入金及び納付金の納付手続等
 1.入場料納入金等の納付(施行令第40条)
 2.納付期限(施行令第41条・44条)
 3.入場料納入金等の保管(施行令第42条)
 4.認定都道府県等入場料納入金又は認定都道府県等納付金の払込み(施行令第43条)
 5.カジノ管理委員会への通知(施行令第44条、第46条)
 6.特別加算金(施行令第45条、第46条)
Ⅹ.施行期日

2.魅力増進施設の要件(IR整備法施行令第3条)

〇施行令第3条
(我が国の観光の魅力の増進に資する施設)
第3条 法第2条第1項第3号の政令で定める施設は、我が国の観光の魅力の増進に資する劇場、演芸場、音楽堂、競技場、映画館、博物館、美術館、レストランその他の施設とする。

〇法第2条第3項
3 我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演その他の活動を行うことにより、我が国の観光の魅力の増進に資する施設であって、政令で定めるもの

 
(1)魅力増進施設の要件
「魅力増進施設」(法第2条第1項第3号)の要件としては、我が国の観光の魅力の増進に資する劇場、演芸場、音楽堂、競技場、映画館、博物館、美術館、レストランその他の施設とされています(施行令第3条)。

都道府県等や民間事業者の創意工夫をいかせるよう、具体的なコンテンツの内容や発信手法については、都道府県等や民間事業者に委ねる。

(2)魅力増進施設の具体的基準
法第2条第1項第3号の施設については、施設が満たすべき基準ではなく、施設そのものについて政令で定めるものとされていることを踏まえ、施行令第3条では、劇場、音楽堂、博物館等の施設を例示することとしたものです。

当該施設の事業の内容等に関する基準については、IR推進会議取りまとめ(政令)を踏まえ、基本方針等において検討されることが予定されています。(PC32~34)

個別の施設が第3号に該当するかどうかについては、区域整備計画の認定において判断されることになります。(PC37~42)

〇IR推進会議取りまとめ(政令)
2.魅力増進施設の要件
<政令の方向性>
魅力増進施設については、以下の①又は②のいずれかを選択できる こととした上で、③の要件を満たす機能を有するもの とすべき。いずれの場合も、具体的なコンテンツの内容やその具体的な発信手法については、都道府県等や民間事業者の創意工夫に委ねるべき。

①多様なコンテンツを、内容に応じた発信手法に絞った上で、魅力を幅広く伝える
《具体的な要件》
・ 世界中の観光客から幅広い理解を得るために、演劇・演芸、スポーツ、料理等のうち特定のジャンルについて、全国各地に存在するコンテンツや、コンテンツの歴史的背景等を 総合的かつ体系的にまとめ 、分かりやすく発信すること。
・ コンテンツの内容に最も適した発信手法として、展示、鑑賞、体験、販売・消費等のいずれかに絞った上で発信すること。

②コンテンツを絞った上で、多様な発信手法を活用し、魅力をより深く伝える
《具体的な要件》
・ 世界中の観光客から高い関心を示してもらうために、演劇・演芸、スポーツ、料理等のジャンルの中から更に、歌舞伎や落語、相撲、和食等のテーマに絞った上で発信すること。
・ 展示、鑑賞、体験、販売・消費等施設が有するあらゆる発信手法を活用すること。

③上記①②に共通して、魅力増進施設がその誘客効果を維持・向上させる仕組み
《具体的な要件》
・ 施設の誘客効果を常に維持・向上させるため、何度訪れても新たな魅力に気づき、更なる来訪が促せるよう、新たなコンテンツの創造や、発信手法の工夫による既存コンテンツの発展に、都道府県等や民間事業者が取り組むことを求める。

 
(3)魅力増進施設の範囲
法第2条第1項第3号において、我が国の観光の魅力の増進に資する施設は、「我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演その他の活動を行うことにより、我が国の観光の魅力の増進に資する施設」と定義されており、「我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演その他の活動を行う」ものに限定されており、法の定義に合わない内容を政令で規定することはできません。(PC35)

この点、法第2条第1項第6号の施設は「前各号に掲げるもののほか、国内外からの観光旅客の来訪及び滞在の促進に寄与する施設」と定義されており、同項第1号から第5号までの定義に該当しない集客施設を想定しております。
例えば、施行令第3条の例示として挙がっている劇場、博物館、美術館等であっても、我が国の観光の魅力の増進に資するものでなければ、法第2条第1項第6号の施設として扱われる可能性があります。

また、施行令第3条に挙がっている個別の施設は例示であって、その他の施設も認められる余地はありますが、法第2条第1項第3号の定義にある「我が国の伝統、文化、芸術等を生かした公演その他の活動を行うことにより、我が国の観光の魅力の増進に資する施設」であることは必要です。

いずれにしても、当該施設における事業の内容等に関する基準についてはIR推進会議取りまとめ(政令)も踏まえ、基本方針等において検討していくこととしております。(PC36)


渡邉 雅之 弁護士法人三宅法律事務所 パートナー弁護士

(略歴) (役職)
1995年:東京大学法学部卒業
1997年:司法試験合格
2000年:総理府退職
2001年:司法修習修了(54期)
弁護士登録(第二東京弁護士会)
2001年~2009年:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
2007年:Columbia Law School (LL.M.)修了
2009年:三宅法律事務所入所
日本弁護士連合会 民事介入暴力対策委員会 委員
日本弁護士連合会 国際刑事立法委員会 委員
第二東京弁護士会 民事介入暴力対策委員会 委員
第二東京弁護士会 司法制度調査委員会
民法改正部会 委員
第二東京弁護士会 綱紀委員会 委員
(株)王将フードサービス 社外取締役(2014年6月~)
日特建設株式会社     社外取締役(2016年6月~)
政府IR推進会議     委員   (2017年4月~)

(主要関連論稿)
『カジノ法(IR推進法)の国会における主要争点(上)』(NBL1091号(2017年2月1日号)
『カジノ法(IR推進法)の国会における主要争点(下)』(NBL1091号(2017年3月1日号)

(関心を持った経緯と今後の研究)
もともと、銀行等の金融機関のコンプライアンスを中心に弁護士業務を行ってきました。米国留学時にラスベガスを訪問しましたが、日本において同様の統合的なリゾートができれば、経済発展に非常に資すると実感いたしました。
カジノは、金融規制、マネー・ローンダリング、反社会的勢力の排除など、「小さな銀行」といった性格があり、これまでやってきた業務に非常に親近性があります。 日本においてIR(カジノを含む統合的リゾート)を導入するにあたって、どのような規制を設けていくべきかという観点から研究を続けてまいりたいと思います。

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