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マカオ:行政長官 コンセッション延期を改めて否定。2022年までの再入札実施を明言

2019-04-21

【海外ニュース】

4月18日、崔世安(Fernando Chui Sai On)・マカオ特別行政区行政長官は、議会にて、カジノ・コンセッション再入札の実施時期についてコメント。

発言のポイントは、
・再入札は、現行コンセッション満期(2022年6月26日)の前に実施
・すなわち、現行コンセッションの延長オプションを行使する理由なし(現行法では、最大5年間の延長可能)
・現在、コンセッション再入札に向けた準備作業中(ゲーミング法および関連規制の改正など)

マカオでは、コンセッション保有者(または、コンセッション保有者とサービスアグリーメントを締結した事業者)のみが、カジノ運営を許可される。コンセッションは、権益であり、6社の企業価値を支える原動力である。

図表の通り、マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(サブ・コンセッションを含む)を所有しており、それぞれ2022年6月26日に満期を迎える。
(3月15日、マカオ政府は、SJM HoldingsとMGM Chinaからのゲーミング・コンセッション延長要請を承認)

政府は、現行コンセッション満期後、次期コンセッションを新規入札(New Pulic Tender)を通じて付与する方針(”更新”の概念ではない)。

マカオ政府は、アカデミック(University Of Macau, Macau university of Sciense and Technology)に対し、二つのスタディ(ゲーミング・セクター長期ビジョン 2020-2030年)を発注済み。
それらスタディは、当初2018年3Qに完成予定であったが、2019年1月現在、いまだ完成に至っていない状況。

2018年11月15日、崔世安(Fernando Chui Sai On)・マカオ特別行政区行政長官が、2019年の政策発表演説を実施。ゲーミング・コンセッション満期に伴うプロセスについて、明確な方針は示されなかった。
演説および関連カンファレンスを通じて、崔世安氏が残した関連コメントは、
「2020年、2022年のゲーミング・コンセッション満期を考慮し、行政は検討を進め、コミュニティの意見を集約中」
「2022年の満期前に、行政は、”入札プロセス(Tender process)”を実施する」
「行政は、本件について、オープン、透明に民間への情報提供を行う方針」

上記の崔世安氏の発言から読み取れる情報は、”2022年前に新たな入札を実施”であろう。すなわち、現行コンセッションの”自動更新はない”、”最大5年間の延長オプション行使なし”である。

ゲーミング・コンセッションに関して、現行法、契約(政府-事業者)が規定するポイントは以下の通り。
・現行コンセッション満期後、新規コンセッションは、フレッシュな入札プロセス(Bidding, Public Tender)を通じて付与
(現行コンセッションついて、満期後に”更新”の概念ではない)
・現行ゲーミング・コンセッションは、最大5年間の延長が可能
・政府は、2017年より、現行ゲーミング・コンセッションを早期償還できる権利を持つ
(政府は早期償還権を行使する場合、1年以上前にノーティスする必要がある)
・現行ゲーミング・コンセッション保有者は、それを喪失した場合、カジノ施設を、対価なしに、マカオ政府に移管する義務
・新しい入札を実施するためには、ゲーミング関連法の改正が必要

2017年央、政府高官は、初めて、”新たな入札(New Tender)”という表現を用いた。その発言は、現コンセッション保有6事業者に激震を与えた。
それまで、政府関係者は、”更新(Renewal)”と表現し、6事業者はそこに満期後も現状維持のニュアンスを感じ取っていた。
政府が”新たな入札”と表現したことで、事業者再募集・選定、入れ替えのニュアンスを読み取ったわけだ。

図表:マカオ カジノ運営6事業者のコンセッション満期日

コンセッション満期日 事業者 証券取引所 カジノ施設数 獲得順
2022年6月26日 SJM Holdings 香港証券取引所 22
2022年6月26日 Wynn Macau 香港証券取引所
2022年6月26日 Galaxy Entertainment 香港証券取引所
2022年6月26日 Sands China 香港証券取引所 4(サブ)
2022年6月26日 MGM China 香港証券取引所 5(サブ)
2022年6月26日 Melco Resorts & Entertainment NASDAQ 6(サブ)

注1:カジノ施設数は2018年12月末時点
注2:2019年3月15日、マカオ政府はSJM Holdingsのコンセッション(MGM China Holdingsのサブ・コンセッション)の満期日を、2020年3月31日から2022年6月26日に延長を承認
注3:(サブ)はサブコンセッション。Sands ChinaはGalaxy Entertainmentより、MGM ChinaはSJM Holdingsより、Melco Resorts & EntertainmentはWynn Macauより取得
 

マカオ:2019年1Q 市場詳細統計 VIP低調, マス伸長~中国経済不安がVIPに影響

4月16日、マカオのゲーミング規制当局(Gaming Inspection and Coordination Bureau, DICJ)は、2019年1Q(1-3月)のカジノ市場の詳細統計を発表。

1Q(1-3月)のカジノ市場は、MOP76,152mn、YoY0.5%減(約1兆509億円)、うち、VIP部門(VIP Baccarat)がMOP37,208mn、YoY13.4%減、マス部門MOP38,944mn、YoY17.3%増。

1Qは、全体が前年並みの中、VIP部門の低調、マス部門の伸長が明らかとなった。中国経済の先行き不安が、VIP部門への影響を強めていると考えられる。

1Qの構成比は、VIP部門49%、マス部門51%。直前2018年4Qは、VIP部門53%、マス部門47%。中国政府の反腐敗対策以前の2013年の構成比は、VIPが66%、マスが34%であった。

2018年12月末のカジノ施設およびデバイス供給量は、施設数41(前年同期末41)、テーブル数6,624台(同6,586台)、スロット数17,122台(同17,205台)。

月次ベースの実績は翌月初に発表済みであり、本統計は市場構成を示す情報となる。

カジノ市場は、ここ数年では、2014年6月から2016年7月まで26ヶ月連続の前年同月比マイナスが続いた後、2016年9月から2018年12月まで29ヵ月連続で前年比プラス。そして、2019年1Qは、ほぼ前年並みとなった。

2016年後半以降、VIP、マス部門それぞれが市場をけん引。VIP回復の背景は、政府の反腐敗対策の影響の一巡。マスの伸長の背景は、中国の経済成長、コタイ地区のIRなど観光デスティネーション戦略の奏功。
2018年3Q以降は、マスの勢いが目立つ。

コンセッション6事業者のEBITDAの構成比は、VIP部門が約3割、マス部門が7割。VIP部門は、キャッシュバック・リベート(仲介業者、プレイヤー)の負担が大きく、GGRに対する利益率が低い。

マカオ カジノ市場の暦年の動向

・2014年=カジノ市場はMOP351,521mn, YoY2.6%減
・2015年=カジノ市場はMOP230,840mn, YoY34.3%減
・2016年=カジノ市場はMOP223,210mn, YoY3.3%減
・2017年=カジノ市場はMOP265,743mn, YoY19.1%増
・2018年=カジノ市場はMOP302,846mn, YoY14.0%増

2016年以降の前年比のプラス要素、マイナス要素
・プラス要素=コタイ地区の新規大型IR開業、中国政府の反腐敗対策の影響一巡、中国本土における所得向上
・マイナス要素=違法な資金移動の取締強化、禁煙施策徹底
(2016年5月、政府は、フォンベッティングの禁止を徹底、マネーロンダリング対策の新ルールを導入。合計でVIP市場を10-20%ほど、カジノ市場全体を5-10%ほど縮小させる影響と推定される)

 

マカオ 交通インフラ:LRTタイパ-コタイ区間が2019年後半に開業へ。港珠澳大橋2018年10月24日開業

2019年1月8日、マカオ政府は、LRT(light rail transit)タイパ-コタイ区間が2019年後半に開業すると発表。
LRT(light rail transit)タイパ-コタイ区間は、全長9.3Km、11の駅で構成し、コタイ地区のIR群、マカオ国際空港、タイパフェリーターミナルを結ぶ。
同区間の工事は、2012年に開始し、当初、2016年に開業する計画であったが、約3年の遅れとなった。現在、同区間は、運航テスト中のステイタス。
なお、政府は、LRTのマカオ半島との接続を2024年までに実現したい意向。

2018年10月24日に、港珠澳大橋(Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge, HKZM)が開通。
港珠澳大橋は、全長55Km(主体部分36Km)と世界最長の海上橋であり、香港、珠海、マカオを結ぶ。工費は、全体で約1兆6,000億円、メイン区間は約8,000億円。
港珠澳大橋が開通後、各政府は、車両、乗客の越境に関する行政サービスについて、24時間運用体制を整備。

港珠澳大橋は、香港、香港国際空港から珠海市、マカオへの移動を大きく改善する。港珠澳大橋は、香港-マカオ間の移動を30~45分(橋の走行時間)に短縮する見込み。
現在、香港からマカオへの移動は、実際上、海路(高速フェリー:海上の移動時間は1時間強)に限定される。

複数のバス事業者が、香港-マカオ間へのシャトルサービスを実施。それらは、マカオ側では、半島やコタイIR群をカバーする。
香港からマカオ間の片道のバス料金は、当初、HK$160~190に設定された。おおむね、フェリーと同様のレベル。

また、港珠澳大橋のマカオ側のチェックポイントでは、IR事業者の共同シャトルバスがチェックポイントから二つのフェリー乗り場を結ぶ(フェリー乗り場からは各社のシャトル)。

マカオのホスピタリティ関係者(観光、MICE、ゲーミング)は、港珠澳大橋は、マカオの都市としてのプレゼンスを一変させ、新たなフェーズに高めると期待。とくに、MICE市場を発展させるとの見解。

専門家は、港珠澳大橋は、2022年には年間500万人前後を輸送し、訪問者拡大に大きく貢献すると予想。

マカオの訪問者数は、2017年は年間3,260万人。うち、アクセス経路別には、陸上路が57%、海上路が34%(1,124万人)、空路が8%であった。
港珠澳大橋は、海上路に依拠するトラフィック、すなわち、香港、香港国際空港からの訪問拡大に寄与しよう。

マカオ コタイ地区IR開発アップデート ~ Lisboa Palace, Galaxy Macau 第3期&4期の進捗


 
コタイ地区では、2007年8月のThe Venetian Macao開業から2018年2月のThe Parisian Macaoまで、10の大型IRが開業した。

現時点で具体化している新規開発計画(新規土地利用)は、Grand Lisboa Palace、Galaxy Macau第3期&4期。
Grand Lisboa Palaceの開業により、コンセッション6社すべてがコタイ地区に進出することになる。

Grand Lisboa Palace(SJM Holdings)
・建設作業は、2014年2月に開始
・2018年末の建設作業の完了、2019年後半の開業を目指す。
<施設概要>
・総開発費=360億香港ドル(約5,040億円)
・延べ床面積=約52万㎡(加えて、駐車エリアは約7.7万㎡)
・ホテル=合計2,000室(Grand Lisboa Palace, Palazzo Versace, Karl Lagerfeld)
・MICE、飲食、ショッピング、カジノなど

Galaxy Macau 第3期&4期(Galaxy Entertainment Group)
・近く正式計画を公表へ
<施設概要>
・開発費=430億香港ドル以上(約6,020億円以上)
・延べ床面積=100万㎡レベルを想定
・ホテル=約4,500室
・MICEは3,700㎡、アリーナ16,000席、飲食、カジノなど
・ファミリー・エンタテインメント、MICEを強調

今後、Studio CityのフェーズⅡが具体化する見通し。
Studio Cityは、Studio City International Holdingsを運営会社とする。
Studio City International Holdingsの株主構成は、Melco Resorts & Entertainmentが60%、残り40%はファンド運営会社のSilver Point Capital、Oaktree Capital Managementが所有(エンティティ”New Cotai”経由)。
Melcoは2011年に$360mn(約430億円)を投じ、株式60%相当を買い取った。

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