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IR法制度「特定複合観光施設区域整備法施行令」解説 第10回 カジノ免許欠格事由(1)

2019-05-07

【IR資料室】

筆者:渡邉 雅之 弁護士法人三宅法律事務所 パートナー弁護士 IR推進会議委員(略歴は巻末を参照)
カジノIRジャパン:IR資料室>IR法制度
カジノIRジャパン:IR資料室>IR法制度~渡邉雅之弁護士 IR推進会議委員

「特定複合観光施設区域整備法施行令」解説

「特定複合観光施設区域整備法」(平成30年7月27日法律第80号、以下「IR整備法」又は「法」といいます。)の施行政令である「特定複合観光施設区域整備法施行令」(平成31年3月27日政令第72号、以下「IR整備法施行令」又は「施行令」といいます。)(*1)が公布されました。

本解説においては、IR整備法施行令の内容を逐条解説いたします。

なお、筆者は、特定複合観光施設区域整備推進会議の委員ですが、本解説の意見は個人的な見解に過ぎないことにご留意ください。

(*1)https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ir_promotion/kokkaiteisyutsuhoan/shikoureian.pdf

「特定複合観光施設区域整備法施行令」解説 全体構成(緑は本ページ掲載コンテンツ)

Ⅰ.「特定複合観光施設」の中核施設の具体的な基準・要件(施行令第1条~第5条)
 1.国際会議場施設及び展示等施設(MICE施設)の基準(法第2条第1項第1号・第2号、施行令第1条・第2条)
 2.魅力増進施設の要件(IR整備法施行令第3条)
 3.送客施設の基準(施行令第4条)
 4.宿泊施設の基準(施行令第5条)
Ⅱ. 専らカジノ行為の用に供される部分(ゲーミング区域)の床面積の上限(施行令第6条)
 1.ゲーミング区域の床面積の上限
 2.絶対値による定めを行わなかった理由
 3.「特定複合観光施設の床面積」の解釈
Ⅲ.IR区域以外の地域でカジノ事業者等に関する広告物の表示等が制限されない施設(施行令第15条)
Ⅳ. マネー・ローンダリング対策(本人確認等の対象となる特定取引の範囲・現金取引報告(CTR)の対象となる取引の範囲)
 1.本人確認等の対象となる特定取引の範囲(犯収法施行令第7条第4号等)
 2.現金取引報告(CTR)の対象となる取引の範囲(法第109条第1項、施行令第16条)
 3.IR整備法上のその他のマネー・ローンダリング規制
Ⅴ. カジノ事業の免許等の欠格事由となる罰金刑の対象となる罪
 1.カジノ事業免許の申請者の欠格事由(法第41条第2項)

 2 カジノ事業免許等の欠格事由に係る罪
Ⅵ.カジノ施設の入場規制(日本人等への入場料の賦課及び入場回数制限、一定の者の入場禁止)、一定の者のカジノ行為の禁止規制の例外
 1 入場規制の禁止の例外
 2.カジノ行為の禁止規制の例外
Ⅶ.特定資金受入業務においてカジノ事業者に保証金の供託等(法第84条第2項・第3項、施行令第11条、第12条)
 1.特定資金受入業務(法第2条第8項第2号ロ)
 2.特定資金受入業務の規制(法第84条)
Ⅷ.特定複合観光施設区域の土地に関する権利の移転又は設定をする取引又は行為のうち、カジノ管理委員会の認可がない場合でも私法上の効力までは否定されないもの(施行令第 25条)
Ⅸ.申告・納付期限の日など入場料納入金及び納付金の納付手続等
 1.入場料納入金等の納付(施行令第40条)
 2.納付期限(施行令第41条・44条)
 3.入場料納入金等の保管(施行令第42条)
 4.認定都道府県等入場料納入金又は認定都道府県等納付金の払込み(施行令第43条)
 5.カジノ管理委員会への通知(施行令第44条、第46条)
 6.特別加算金(施行令第45条、第46条)
Ⅹ.施行期日

V. カジノ事業の免許等の欠格事由となる罰金刑の対象となる罪
1.カジノ事業免許の申請者の欠格事由(法第41条第2項)

法第41条第2項各号は、カジノ事業者として免許申請する者の欠格事由を定めています。

1 申請者の欠格事由(1号)
イ 申請認定区域整備計画に記載された認定設置運営事業者でない者(同号イ)
ロ IR整備法またはこれに相当する外国の法令の免許、許可、認定、指定を取り消され5年を経過しない者(同号ロ)
ハ IR整備法またはこれに相当する外国の法令の認可を取り消され5年を経過しない者(同号ハ)
ニ ロ・ハに規定する行政処分を取り消され、または更新が拒否された法人等の役員であった者で、当該取消し・更新の拒否の日から起算して5年を経過しないもの(同号ニ)
ホ 解任命令を受けた役員で解任命令から5年を経過しない者(同号ホ)
へ IR整備法または外国の法令に違反その他の罰金刑を受け5年を経過しない者(同号へ)⇒施行令第7条第1項

2 申請者(株式会社)の役員の欠格事由(2号)

イ 個人の場合
① 20歳未満の者(同号イ(1))
② 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者(同号イ(2))
③ 上記1ハからホ(第1号ハからホ)までに掲げる者のいずれかに該当する者(同号イ(3))
④ 従業員の確認を取り消され5年を経過しない者(同号イ(4))
⑤ 禁固以上の刑の執行を終わり5年を経過しない者(同号イ(5))
⑥ IR整備法または外国の法令に違反その他の罰金刑を受け5年を経過しない者(同号イ(6))⇒施行令第7条第2項
⑦ アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者(同号イ(7))
⑧ 暴力団員または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(同号イ(8))
⑨ 心身の故障によりカジノ事業を的確に遂行することができない者としてカジノ管理委員会規則で定めるもの(同号イ(9))

ロ 法人の場合
上記1ロからへ(第1号ロからへ)までに掲げる者のいずれかに該当する者(同号ロ)

3 出資、融資、取引その他の関係を通じて申請者の事業活動に支配的な影響力を有する者の欠格事由(3号)

4 申請者の主要株主等基準値以上の数の議決権等の保有者の欠格事由(4号)

5 申請者の認可施設土地権利者の欠格事由(5号)

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渡邉 雅之 弁護士法人三宅法律事務所 パートナー弁護士

(略歴) (役職)
1995年:東京大学法学部卒業
1997年:司法試験合格
2000年:総理府退職
2001年:司法修習修了(54期)
弁護士登録(第二東京弁護士会)
2001年~2009年:アンダーソン・毛利・友常法律事務所
2007年:Columbia Law School (LL.M.)修了
2009年:三宅法律事務所入所
日本弁護士連合会 民事介入暴力対策委員会 委員
日本弁護士連合会 国際刑事立法委員会 委員
第二東京弁護士会 民事介入暴力対策委員会 委員
第二東京弁護士会 司法制度調査委員会
民法改正部会 委員
第二東京弁護士会 綱紀委員会 委員
(株)王将フードサービス 社外取締役(2014年6月~)
日特建設株式会社     社外取締役(2016年6月~)
政府IR推進会議     委員   (2017年4月~)

(主要関連論稿)
『カジノ法(IR推進法)の国会における主要争点(上)』(NBL1091号(2017年2月1日号)
『カジノ法(IR推進法)の国会における主要争点(下)』(NBL1091号(2017年3月1日号)

(関心を持った経緯と今後の研究)
もともと、銀行等の金融機関のコンプライアンスを中心に弁護士業務を行ってきました。米国留学時にラスベガスを訪問しましたが、日本において同様の統合的なリゾートができれば、経済発展に非常に資すると実感いたしました。
カジノは、金融規制、マネー・ローンダリング、反社会的勢力の排除など、「小さな銀行」といった性格があり、これまでやってきた業務に非常に親近性があります。 日本においてIR(カジノを含む統合的リゾート)を導入するにあたって、どのような規制を設けていくべきかという観点から研究を続けてまいりたいと思います。

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