【海外ニュース】
マサチューセッツ州政府はWynnがプロジェクト開始に必要な許認可を与えなかった。州政府は、事前の土地取引が法令に準拠していなかった、交通混雑問題への対策に改善点がある、などを指摘。
州政府はWynnのプロジェクトがとん挫することはないが、開業が遅れる方向を示唆。Wynn側も当初は2017年の開業予定であったが、早くても2018年になるとの見通しを示した。
マサチューセッツ州は2011年にカジノが合法化。3つのプロジェクトが動いており、2015年6月開業予定のPenn National Gamingのスロットパーラーが第一号(投資額$225mn)、続いて2017年開業を目指すMGM Resorts(投資額$800mn、従業員数3,000人)、そしてWynn Resorts($1.7bn)の大型IRプロジェクトがある。
なお、先月3月にはMGM Resortsが起工式を行った。同プロジェクトはマサチューセッツ州初のIRとなる。
Wynnのプロジェクトは州の中心都市の開発であり、規模も大きい。開発面積は14ha、投資額は$1.7bn(約2,000億円)。それだけに、ステークホルダーが多く、また交通など都市計画上の課題も多いと考えられる。
一方、他の二つのプロジェクトは隣接州との境に位置しており、これまでカジノ需要を隣接州に奪われたことへの対抗策の意味合いが強い(Penn National Gamingのプロジェクトはロードアイランド州、MGM Resortsはコネチカット州との境)。
米国ニューイングランド地方においては、マサチューセッツ州が大きなカジノ顧客の供給源であった(コネチカット州カジノの顧客の2-3割、ロードアイランド州の4-5割を占める)。そのカジノ解禁、大型IR開業は周辺州に大きな打撃を与えることになる。
米国東海岸の大きなカジノ市場を持つ州は、ペンシルベニア州が$3.1bn(コマーシャル11施設)、ニューヨーク州が$3.0bn(コマーシャル9施設、トライバル5施設)、ニュージャージー州が$2.6bn(コマーシャル8施設)、コネチカット州が$1.5bn(トライバル2施設)、メリーランド州が$931mn(コマーシャル3施設)、ロードアイランド州は$610mn(コマーシャル2施設)など(2014年)。
とくに、ニューヨーク州、マサチューセッツ州は経済力に比して、カジノ市場の規模が限定的であり、2020年に向けて、急速に市場開拓が進む方向にある。
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State officials refuse to issue permit for Wynn casino
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The Boston Globe
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