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対談-維新 初鹿明博議員×SCGA田中紀子代表「カジノ解禁とギャンブル依存症」第2回

2015-04-14

【インタビュー&特集記事】

IMG_7417米国ネバダ州・ラスベガス、シンガポールなどではIR導入によって、観光産業振興・税収増・雇用増など経済的なメリットを享受している。一方で日本において報道や世論で盛んに指摘されているのは「ギャンブル依存症者の増大」で、これはカジノ反対派の主な論拠にもなっている。
今回は「アルコール健康障害対策基本法」のとりまとめに尽力し、薬物依存症の問題にも長年取り組んできた維新の党の初鹿明博衆議院議員と、ギャンブル依存症に対する啓発・情報提供等を行っている「ギャンブル依存症問題を考える会」(SCGA)の田中紀子代表理事のお二人に、「カジノ解禁とギャンブル依存症」をテーマに対談してもらった。


「のめり込み」はあっても「依存症」は存在しないという建前論

初鹿 私が役所の方と話をしていつも感じるのは、公営競技はギャンブルじゃないという建前です。まず前提として、公営競技は「競技」であって、パチンコ・パチスロは「遊技」であると。法律上「賭博」とか「ギャンブル」というものが日本には存在しないことになっているので、だから「のめり込む人」は多少いるかもしれないが、「ギャンブル依存症の人」はいないということです。もちろん実際はそうではありません。

――その割には昨年夏には「国内のギャンブル依存症者が536万人」という報道が世間を騒がせました。

初鹿 役所としてそういう数字も出すのなら、もう建前はやめた方がいいと思います。ギャンブルであるということをきちんと認めて、刑法における賭博罪は「国が認めたもの以外で賭博を行った場合に刑罰に当たると」いうふうに規定を変えることも検討すべきでしょう。実際に国が認めた賭博場があって、それが公営競技やパチンコ、カジノであるとした方が、全てすっきりします。

田中 その通りですね。公営競技やパチンコが「ギャンブル」だと認められてないということに皆さん驚かれると思います。そのことは一般的にあまり知られていません。

初鹿 誰がどう考えたって、競馬もパチンコもギャンブルでしょう。それをそうじゃないという人はそれらの監督官庁や業界の中の人だけです。ですから問題視されるとすれば「国内に新しくカジノを作る・作らない」ではなく、家から歩いて行ける距離に「公営競技」「遊技」の建前でギャンブル場があふれているという現状の方です。ギャンブルではないとされているのであるべき規制が敷かれておらず、子どもを連れて通っている親さえいます。

――託児所が設置されている例もありますね。

初鹿 これは本当に驚くべきことですね。パチンコ業界では毎年夏場に駐車場にとめた車に子どもを放置して、熱中症で子どもが死んでしまう痛ましい事件が何十年も前から繰り返し起こって、大問題になっています。報道や世論はいつもその両親を責めるだけに終始していますが、何故そういう事件が起こるのか根本的な原因について検証を行っていません。育児ストレスなど個々の事情もあるでしょうが、そこまでいってしまう原因として、やはりギャンブル依存症が疑われます。普通ならたとえ育児ストレスがあっても、ちょっと子どものこと考えたら30分もやれば戻ってくることができるでしょう。

田中 そういったケースにはやはり病的なものを感じますね。子どもを自宅に一人で置いておくのが心配だからパチンコ店まで一緒に連れて行っているのに、パチンコに抗うことができないわけです。パチンコを始める前は子どものことを思って、少し窓を開けたり冷房を付けたりしているのに、いざパチンコを始めるとやめることができない。

初鹿 それができないということは、やはり病的なギャンブル依存症の疑いがある。しかしそういう事件が今まで繰り返し起こっているのに、何の対策も取らないできたことが一番の問題です。IRやカジノの議論が出てきて報道や世論が「カジノによってギャンブル依存症が増えるのではないか」と問題視するなら、逆に「これを契機にギャンブル依存症をなくすための対策をこの際やりましょう」という方が建設的だと思いますよ。


日本のギャンブルにはびこる自己責任論

IMG_7414――一般のマスコミの方々にもしっかりしてもらいたいですね。テレビCMでは公営競技やパチンコ、宝くじのCMが流れ、土日の新聞には必ずパチンコ店のチラシが挟まっています。極端な例では報道番組で「ギャンブル依存症が多い日本でカジノ解禁はけしからん」と指摘しておきながら、直後にパチンコのCMが流れるわけです。

初鹿 競馬のG1レースの結果は、ニュースとしてNHKや民放各社のニュースで取り上げられます。

田中 万馬券が出たら「史上最高の万馬券が出ました」と報道するじゃないですか。万馬券が出るということは、その裏側で外している人が山ほどいるということです。そういう報道は、ギャンブル依存症者を増やす危険性をはらむものです。

初鹿 競馬や競輪は主催者が25%を控除して、その残りが賞金として分配されます。宝くじに至ってはこれが50%近くになります。そういった状況で高額の賞金が出るということは、圧倒的多数が外しているということですね。

田中 今まではギャンブルにハマっている人は「勝手にハマった愚かな人」だとする自己責任論が、社会にとって都合が良かったのだと思います。ギャンブル依存症になる人は特殊な人で自己責任とすることで、対策が行われてこなかったのではないでしょうか。

初鹿 パチンコは私企業、公営競技は公的主体が運営していますが、どちらもハマってくれる人というのは大変良いお客さんなんですね。もちろん公営競技などでは公の事業に使っているという建前もありますが、ギャンブル依存症対策としてハマっている人たちを遠ざけると、その分収益は低くなります。公営競技もパチンコ業界も一時期より市場が縮小しており、依存症として騒がずに安易にハマってくれる人を迎え入れている現状があると思います。

――先進各国のカジノでは考えられないことですね。海外のカジノ事業者の間には「責任あるギャンブル」という概念があり、施行に伴う社会的悪影響に対処することが常識です。

初鹿 日本もそれを見習うべきですね。一線を超えてしまうような人にはきちんと手立てを打ってあげないと、結果として社会的な損失につながります。ギャンブルはお金が絡んでいるものなので、そのお金を得るために犯罪に走ってしまうケースが多々あるわけです。それは横領や強盗、窃盗などが典型例ですが、極端な例では殺人も起こり得ます。そういうことを考えると、そこまで至らないうちに依存症から脱却させることは、非常に社会にとって有意義だと思います。これは行政のみならず企業にとっても当てはまることだと思います。


カジノ事業者の負担でギャンブル依存症対策を

IMG_7422――海外のカジノではカジノ事業者がギャンブル依存症対策費を負担する例が多いようです。IR法案でも「IR実施法に関する基本的な考え方」において、その方向の規定が盛り込まれています。

田中 そういったやり方が税金を使わず、誰にとってもメリットがあるやり方だと思います。むしろギャンブル依存症が原因だと知られずに、今も否応なくつぎ込まれている税金があるという現状が一般的に理解されていません。たとえばギャンブル依存症になって働けなくなった人は、生活保護に頼らざるを得ないわけです。

初鹿 犯罪を起こせば訴訟費用や収監費用もかかります。それらは犯罪を起こした人が一部負担しますが、多くの税金が使われるわけです。しかもそれを何度も繰り返せば何倍もかかる。1回刑に服して回復施設につながって回復して出てくればいいですが、単に懲役刑を受けて依存症のまま社会に出ればまた同じことの繰り返しになる可能性が高くなります。アメリカにおける薬物依存症のケースでは「懲役刑か治療施設か」を選択できたり、依存症の人に対して治療施設に入れることを優先にしていたりする例があります。薬物依存症の場合はそれこそ自己申告してきたら刑は免除して治療施設につなぐことでもしないと依存症者は減らないですし、依存症者自身も回復することはありません。

田中 すでにそういったお金に多額の税金が使われていることが、一般に知られていないんですね。カジノを解禁して事業者の負担でギャンブル依存症対策を行うということは、そういった税金も減らすことができるということです。ここにはまだ報道などでもあまりスポットが当たっていないので、一般的にもあまり理解されていないのだと思います。

――カジノ反対の人たちはさらに依存症問題が深刻化するとさえ言っています。

田中 カジノ解禁に反対している人たちは、そういうことに全然気が付いていないのだと思います。それと、経済を否定するのはおかしいと思います。経済が成長して社会が豊かでなかったら、福祉なんて充実しないというのは当然のことです。特にギャンブル依存症は特殊な病気で生まれながら持ったものではなく、何かのきっかけで自分でギャンブルを始めなければ、かかることもありません。ギャンブル場を運営している人たちが依存症対策費を負担するということは、むしろ平等な社会だと思います。私は、カジノに賛成でも反対でもありませんが、ギャンブル依存症問題は白黒で割り切れるものではありません。反対してカジノ建設を潰すことが、ギャンブル依存症者を守ることと単純にお考え頂くことは、私達の思いとはかけ離れていることをご理解下さい。私達はギャンブル依存症について、ギャンブル場があろうとなかろうと発症するものだと経験からわかっています。もしギャンブル場がなくなれば、次は株やFXにはまる人が急増して社会問題になるでしょう。私達の望みは、ギャンブル依存症対策がこの国に浸透すること。その1点です。 (第3回へ続く)

(取材・撮影 佐藤亮平)



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第1回 潜在化するギャンブル依存症問題

第2回 依存症対策の在り方 日本の建前論と海外の責任あるギャンブリング

第3回 日本のカジノ合法化賛否 依存症問題を利用する反対派

第4回 ギャンブル依存症対策法のイメージ ギャンブル依存症と他の依存症

第5回 回復のための自助グループ 求められる啓発活動

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