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対談-維新 初鹿明博議員×SCGA田中紀子代表「カジノ解禁とギャンブル依存症」第3回

2015-04-15

【インタビュー&特集記事】

IMG_7417米国ネバダ州・ラスベガス、シンガポールなどではIR導入によって、観光産業振興・税収増・雇用増など経済的なメリットを享受している。一方で日本において報道や世論で盛んに指摘されているのは「ギャンブル依存症者の増大」で、これはカジノ反対派の主な論拠にもなっている。
今回は「アルコール健康障害対策基本法」のとりまとめに尽力し、薬物依存症の問題にも長年取り組んできた維新の党の初鹿明博衆議院議員と、ギャンブル依存症に対する啓発・情報提供等を行っている「ギャンブル依存症問題を考える会」(SCGA)の田中紀子代表理事のお二人に、「カジノ解禁とギャンブル依存症」をテーマに対談してもらった。


国内でギャンブル依存症をきちんと認めたのはIR議連がはじめて

――税金として一般から集めようとするとハレーションが起こることもあるということですか。

初鹿 それには自己責任論が強い今の世の中で、なかなか一般の方からの理解が得られないと思います。それならばやはりギャンブルを行っている事業者が一定の額を拠出して、その資金をもとに対策を行うことがあるべき姿ですね。現状の公営競技やパチンコから資金が出ていないことを考慮すると、やはり新たにカジノを導入することはその一つの突破口になると思います。

田中 繰り返しますが、私はカジノの解禁に対しては賛成でも反対でもありません。しかし、初めてギャンブル依存症に対してそういう病気があるっていうことを認めてくれて、それを何とかしなくちゃいけないって言ってくれたのは初鹿さんはじめ、IR議連のみなさんであることは事実です。日本にカジノを作るなら同時にギャンブル依存症対策も行わないといけないと言ってくれた議員さんが出たということに感謝しています。それまではギャンブル依存症という病気自体が認められていませんでしたから。

初鹿 アメリカの禁酒法を例に考えればいいことです。人間というものはどうしてもやはり楽しいことや気持ちいいことを求めるものですから、そういった快楽につながるものを禁止することには限界があります。たとえギャンブルを一切禁止したとしても、絶対に闇に潜ることになります。実際に今でも日本国中に闇カジノは山ほどあって、摘発も相次いでいます。こういった事実を実際に受け止めないといけません。

――トランプとチップさえあればマンションの一室でも闇カジノが開けるわけですから当然のことですね。極論を言ってしまえば友達同士でサッカーの試合結果に賭けても賭博が成立します。賭けを行うための「選択肢」と「賞金・賞品」を設定すればいくらでもギャンブルが成立するわけで、これを禁止するということ自体が現在の高度情報化社会においては、すでに不可能な段階に来ていると思いますが。

初鹿 まさにその通りですね。闇カジノなどが摘発される事件が相次いでいることからも、すでに実証されています。現代社会においては、ギャンブルを全廃することは事実上不可能です。そうであるならば、ギャンブルによって社会問題が出てくることを正面からとらえ、きちんと対策を行うべきです。


カジノ反対を唱えている人たちに言いたいこと

IMG_7414――国会でも共産党や社民党などでカジノ反対を唱える議員の方がいますが、「カジノができると依存症が増える」というスローガンに終始して、日本の現状が全く見えていないのではないでしょうか。

初鹿 カジノ反対を唱えている人たちに言いたいことは、日本の街中にいきなり数百カ所のカジノができるわけではないということですね。現状の法律案をもとにすると高規格なホテルなど、それこそセレブの人が着飾って行くような施設を国内に最大で10カ所程度設置できるようにするということが想定されています。また、当初は2、3カ所程度から始めるとしており、数も急激に増えるものではありません。ジャージ姿で家から歩いて行ける場所に公営競技やパチンコ店があるのに、ことさら「カジノがけしからん」と問題視するのは、議論としてバランスがかけていると思います。

――国内のギャンブルを見直す良いきっかけになりそうですね。

田中 そうですね。私たちにとってはこのカジノ解禁をきっかけとして、国内の公営競技やパチンコを含めた依存症対策ができるようになることにとても期待しています。先ほど述べたように、現状では法律においてはギャンブル依存症という言葉も使用されていません。ですからカジノを解禁して依存症対策を始めるというスタンスは、依存症問題に取り組んできた私たちにとっては、最初の一歩を踏み出す画期的なことだと思っています。やっと欧米諸国のような取り組みが始まる訳ですから。そして最後発であるカジノが牽引する形となって、逆に既存のパチンコや公営競技を包括した依存症対策が進むと考えています。さらに言えばギャンブル依存症だけに限らずにプロセス依存症対策みたいなかたちで、さらに広げた依存症対策法案を作ることも考えられると思います。こういった分野にはなかなかスポットが当てられていませんが、早急に対策を打つ必要があると思っています。

――子どもがゲームで長時間遊ぶことを危険視する風潮がかつてありました。今はスマートフォンが普及しています。

田中 そうですね。それに対しても日本は無防備です。ゲーム、ネット、スマホはそれ自体にも依存性がありますし、その後、ギャンブルや買い物といった別の依存症を発症するゲートウエイにもなります。株や先物取引、FXも同様です。それらは経済行為としてクリーンなイメージがあるのに対して「カジノだけけしからん」という主張は、私から見ると逆に危機感がなさすぎる、現実をご存じなさすぎるのでは?と感じています。

初鹿 はっきり言ってしまうと、世の中には必要悪のものがたくさんあるということです。たとえばお笑い番組のなかには、差別的な内容であったり、人をいじめているとも捉えられかねない内容であったり、教育的によろしくないと思われるものが散見されます。やりすぎと異論が出ることはあっても、それを一概にすべて禁止しろという話にはなりません。 実際にそれで楽しんでいる人がいるのですから、それは社会にとって必要悪のものなんですね。

――余暇産業、レジャー産業というものには確かに目に見える生産性がありません。そこにIRみたいにやれば経済性があるかもしれないですが、パチンコにも求めている人、レジャーとして楽しんでいる人がいるんですよね。

初鹿 そうですね。いわゆる余暇やレジャーというものに生産性の尺度だけで評価しようということ自体がナンセンスです。ストレスの多い社会で、人々の癒しとなっている点も評価されるべきでしょう。


ギャンブル依存症問題が、カジノ反対運動に利用されていないか

IMG_7422――田中さんはギャンブル依存症問題に取り組み始めて、何年になるのですか?

田中 私は、依存症の問題に関わるようになって11年が経ちました。そしてこれまでも、多くの議員の皆さんにギャンブル依存症対策の必要性を唱えて参りました。しかし、現在までにこの問題をきちんと正面からとらえて、「なんとかしよう」とおっしゃってくださったのは、カジノ推進派の国会議員の皆さんしかおられないのが現状なのです。もちろん反対派の国会議員にも依存症対策の必要性を訴えてきましたがこれまで勉強会や面会などどれだけお願いしても全て無視されています。推進派の国会議員の方が門戸を開いて下さったのに対し、カジノ反対派の国会議員の方は、「反対のための反対にギャンブル依存症を利用されているだけではないのか?」と正直疑問に思っています。そうではなく、本当に私たちのためを思い、何かしようと思って下さるのなら、是非ご一報頂きたいですね。心よりお待ちしております。

――11年前だと、当時の石原東京都知事のお台場カジノ構想が盛り上がった後で、自民党内でIRの議論が始まってまもなくのタイミングになりますね。

田中 依存症問題対策の取り組みをしてほしいということは、私たちの長年の願いです。2012年になって民主党さんからIRの検討のため会議に呼ばれ、話を聞いて頂くことができたんです。

――民主党の内閣・法務・国土交通合同部門会議ですね。2012年の三合同部門会議は、IR議連が法案をとりまとめ、各党が政調において初めて法案の検討を行ったタイミングになりますね。

田中 その中で、「ギャンブル依存症についてきちんと話を聞きたい」と事務所へ招待してくれた初めての国会議員が初鹿さんです。反対派の議員も最近は依存症問題について取り上げてくれているのでありがたいことではありますが、それにはまず私たち現場に声を取り上げて頂かないと。ギャンブル依存症対策が「カジノ反対」だけでは、今と何も変わりません。むしろやっと対策ができるチャンスがきたのにそれが潰れるだけです。私たちはカジノ解禁に賛成でも反対でもありませんが、今はカジノ推進派の国会議員しか具体的な対策案を検討して下さっていないので、それならばカジノ解禁と依存症対策とを協働させていただきたいと思うようになったのです。その代わり、カジノによる依存症者の問題を最小限に食い止められるよう、きちんとした対策を打ち出して頂きたいと思っています。入場制限のようなものだけだったら、依存症対策としては不十分なので、私たち現場の声を拾い上げて頂けるようお願いしております。

――私の目から見ても、IR法案に反対するための材料としてギャンブル依存症を取り上げているように見えます。

田中 そう疑ってしまいますよね。

――よくある反対派の理屈として、依存症問題のほかに昨年、米国アトランティックシティのカジノが相次いで閉鎖された例が強調されています。全世界に数千のカジノ施設がありますが、そのうち失敗した数カ所だけことさら強調して「カジノは失敗する」と主張しているのを見ると、いかがなものかと思っているのですが。

初鹿 民間企業であれば周りに新しい企業が来るなどして、いつか潰れるのは自然の流れだと思います。それによって国に大きな損失が及ぶのでないなら民間コスト負担で済んでいるということになり、ことさら失敗と目くじらを立てるほどのものではないでしょう。

――アトランティックシティのカジノのスタートは1970年代と、40年ほど前になります。

初鹿 そうであるなら理由は別にあると考えるべきです。施設自体が古くなって、周囲との競争に勝てなくなったから潰れたとか。

――ご指摘の通り、アトランティックシティの位置するニュージャージー州の近隣の州が、近年になってカジノリゾートの開発を進めてきました。

初鹿 それは経済活動ですから、競争によって撤退する事業者が出るということは当たり前のことでしょう。反対する方の中ではお金の流れ、具体的にはやくざとかマフィアとかが絡んでくるんじゃないかという懸念を持っている方もいるようですが、それは昔の映画の中の話で、今はそういう時代ではありません。IRを運営する会社は世界でも限られており、常に各国の監視機関が厳しい規制を行っているわけです。 (第4回へ続く)

(取材・撮影 佐藤亮平)



■カジノIRジャパン関連記事:
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第1回 潜在化するギャンブル依存症問題

第2回 依存症対策の在り方 日本の建前論と海外の責任あるギャンブリング

第3回 日本のカジノ合法化賛否 依存症問題を利用する反対派

第4回 ギャンブル依存症対策法のイメージ ギャンブル依存症と他の依存症

第5回 回復のための自助グループ 求められる啓発活動

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