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海外レポート:カジノ合法化と犯罪率

2015-06-13

【IR資料室】

本コーナーは週一回ほどのペースで掲載予定。

佐々木一彰 日本大学経済学部専任講師(著者の紹介は巻末を参照)

カジノ合法化と犯罪率

シンガポールにおける依存症対策についてで述べたように、シンガポールにおけるギャンブル依存症の比率はカジノを核としたIRの導入後にも減少を続けており、シンガポール国民の「カジノが合法化されたらギャンブル依存症者が激増する」という懸念は杞憂に終わった。

しかしながら、シンガポールにおいてカジノの合法化が検討された2002年には、ギャンブル依存症の増加に対する懸念とともに、マネーロンダリング、違法な金貸し、組織犯罪の介入など犯罪率の増加に対する懸念によりカジノ合法化が断念された経緯もあった。

ところが、シンガポールで実際にカジノを核としたIRが2010年に稼働したのち、シンガポールにおける犯罪率は図1のように少なくとも2013年には過去30年間において最低の数字を記録している。
この点においてもシンガポール国民の「カジノが合法化された場合には犯罪率が激増する」という懸念も杞憂に終わった。

2014年度のシンガポール警察の報告書によると2014年には犯罪率が7.4%ほど上昇したがそれは主にサイバー犯罪の増加によるものでありシンガポールにおいて合法的なカジノが稼働したこととは直接関係はない。

また、カジノの合法化と関係すると懸念されていた「違法な金貸し」に関する事件も、当局による取り締まりと法規制の強化により、犯罪件数を劇的に減少させることに成功しているようである。

IR資料室-海外レポート-佐々木氏-図表2

前回のシンガポールにおけるギャンブル依存症についてで取り上げたがシンガポールにおけるギャンブル依存症の比率は減少し続けている。
ギャンブル依存症比率が減少するということは、それに伴う犯罪も減少するということも意味しており、シンガポールにおけるギャンブル依存症対策に関する教育、予防、治療のプラットフォームがカジノを駆動部分としたIRの合法化に伴い整えられた意義は決して小さくないように思われる。

また、Walker(2013,p199)はノーベル経済学賞を受賞したBeckerの以下の説に言及しているが、そのBeckerの説もこのシンガポールにおける犯罪率の低下に寄与しているように考えられよう。

「私はギャンブル合法化の動きを支持する。その理由は歳入とはほとんど関係ない。・・・賭けを楽しみたい多くの人々が犯罪者によって経営されてる非合法なギャンブル施設を金銭的に支えずにすむからだ」
(Becker and Becker 1997,45)

☆GaryBecker:1992年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者。

・Becker,G.S.,andG.N.Becker(1997) Gambling’s advocates are right-but for wrong reason.Inthe economics of life.NewYork,NY:McGraw–Hill.
・Walker,D.M.,(2013) CasinonomicsThe Socioeconomic Impacts of the Casino Industry,Springer.


■ 著者

佐々木一彰 日本大学経済学部専任講師

専門はホスピタリティ産業とゲーミング産業。ネバダ州立大学カジノ上級管理者養成プログラム修了。文部科学省の助成事業「観光資源としてのカジノ」の代表を務める。

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