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ビジネスクリエーター研究学会が立教大学でIR勉強会を開催 日大佐々木氏、電通岡部氏が講演

2015-06-19

【国内ニュース】

IMG_8706ビジネスクリエーター研究学会の「IR(カジノ)ビジネス研究部会」は、立教大学池袋キャンパスにて第4回IR研究会を開催し、日本大学経済学部専任講師の佐々木一彰氏が「カジノもあるIR」、株式会社電通IR・観光プロジェクト部長の岡部智氏が「JIR 日本版IRを考える」と題してそれぞれ講演を行った。ビジネスクリエーター研究学会は創造的事業の構想と実践に関する諸問題を研究対象とし企業家精神の醸成や人材育成、金融資本市場や労働市場等に関連する学際的な研究を行っている。IR(カジノ)ビジネス研究部会では組織や大学等の第一線で活躍している実務者や研究者が議論を交わすことを目的としている。今回の勉強会は法案についての理解のほか、「観光とIR」「高齢化社会とIR」等との関係性を踏まえ学際的な研究を深める目的として開催。IRは幅広い世代や業種の人々が関わることから、研究会のメンバーのほかIR関係者・上場企業退職者・議員・会社経営者・公認会計士・弁護士の20代から70代までの参加者15名がそれぞれの立場でIRのプラス面、マイナス面について議論を交わす形式とした。講師を務めた佐々木氏、岡部氏の両氏は昨年10月に「カジノミクス―2020年、日本が変わる! 日本を変える!」(小学館)を共同で出版していた。

佐々木氏は文部科学省の科学研究費助成事業において2013年度より3年間の計画で「観光産業としてのカジノ」調査研究の代表者としてシンガポールなどの先行事例における事業者・規制庁への聞き取り調査を行っており、今月には日経BPにて米国・チャールストン大学経済学部のダグラス・M・ウォーカー教授の著書「カジノ産業の本質―社会経済的コストと可能性の分析」(原題・Casinonomics The Sosioeconomics Impacts of the Casino Industry)の監訳を担当。同書は日本語で読むことのできる研究書として関係者の間で話題を集めている。

講演でははじめに1999年に当時の石原慎太郎東京都知事がお台場カジノ構想から現在のIR推進法案の動静まで、国内におけるIR推進法のこれまでの推移を説明した。今後のIR解禁における過程についても「法案が成立するとすぐにIRができるということではなく、基本は免許制で数が限定されるかたちになる」と話した。そのうえでIR推進法案については総則・基本事項・組織に関する規定などの限られた条文で構成されており、細目は推進法案の制定後1年以内を目途に国会へ提出されるIR実施法案(仮称)にて定められるというIR法制の枠組みを紹介。政府はIRの運営、運営による社会的コスト(悪影響)を排除する措置を行い、報道等で取り上げられている依存症問題についても海外の事例等を参考にきちんとした対策が行われると説明した。海外におけるIRは一般的にカジノのほかに宿泊・飲食・商業・会議場・文化施設などにより構成されており、日本国内では「カジノを含むIR」といった言葉が広く用いられているが、全体の面積比などの実態を踏まえると「カジノもあるIR」と捉えた方が適切で、IR全体に占めるカジノの床面積は10%未満に過ぎないという事実からもそれが明らかであるとした。

IRにおける雇用については「カジノ=ディーラー」というイメージが強く、日本国内ではIR反対派などから給与水準が低いといった指摘もあるが、海外における実例ではディーラーのみならず宿泊・飲食といったカジノ以外でも様々な職種で雇用が拡大する傾向がある。佐々木氏は、ラスベガスなどの先進地域では事業者・組合双方共同のもと「失業率を下げて貧困を防ぐ」という目的で従業員に対して飲食・宿泊分野の専門教育(culinary academy)を行っていることを紹介。これによりホテルのハウスキーピングで時給16ドル、バーテンダーの場合ではチップも含めて年収1,000万円を超えることも少なくないと説明。近年注目されているホスピタリティ産業に関しては、日本においてもこれらサービス産業の人材教育にこそ注力すべきで、IRこそ人材育成のモデルになり得ると指摘した。

「カジノもあるIR」というコンセプトについては、国内のIR反対派からIR全体におけるカジノ部門の収益割合が高いと指摘されているマカオ市場においても、ラスベガスなどにならって収益比率が下がっていることを指摘。佐々木氏はIRを車にたとえて、エンジン役であるカジノの規制は厳しい一方で、タイヤやデザインにあたる非カジノ部門における規制は他産業と同様であり、その部分で工夫が進んでいるとした。報道等で取り上げられている米国アトランティックシティのIR・カジノについては、カジノ産業が失敗したという表現は実際には性格ではなく、近隣の他州に比べて早期に開発が進められたため、非カジノ部門の収益の多様化が相対的に進んでいないことが隣接する州におけるIRとの競争で不利に働き、一部施設の撤退につながったと指摘した。

続いて登壇した電通の岡部部長は、日本版統合型リゾート(JIR)として2013年より「JIRフォーラム」を開催するなど、日本におけるIR導入について発信を続けてきた。岡部氏は講演の席で「日本は高度経済成長以降、優秀な製品を作って海外へ輸出してきたが、国際的な環境変化にともなって観光立国によって国づくりをすべきという声が高まっている」と指摘。特にサービス産業の質の向上によって外国人観光客の消費金額単価を高める必要があり、そのうえでもIRは効果的であるとした。さらに、国際的にはアジア各国でも都市機能の強化が進められ、国際都市間競争が激化し続けている環境のもと、日本も既にグローバル都市競争に巻き込まれている状況を認識すべきである。一方で、国内に目を向けると地域消滅などの危機感を打開する手段としてIR事業の持つ裾野の広さが地域全体の再生にふさわしいのではないかとの声が高まっていると紹介。

また、国際観光の状況に目を向けると、アジア各国における国際旅客者数は増加傾向にあり、国内でもインバウンドの重要性が高まってきていることを課題として指摘した。2014年の訪日観光客数は1,300万人を突破するなど増加傾向にあるが、岡部氏は収益ベースで世界21位・アジア8位という順位について日本における潜在的能力から「日本が満足すべき数値ではない」とする。IRはMICE観光の文脈で語られることが多いが、国際会議については世界的に開催件数が増加している一方で、日本におけるシェアは減少している点を示し、MICE観光の観点からもIRを利用したMICE誘致を真剣に考えるべきとした。IRではカジノ施設以外でもエンターテイメント施設などを中心に労働集約型の施設が導入されることが通例で、地方経済の活性化として地域全体に効果を及ぼし、地方経済のエンジンとして成長につながると指摘。「IR開発に求められる視点としては地域特性を十分に活かしたものを検討すべきで、海外の事例を参考にするのも結構だが、地域における観光資源の魅力を問い直すことも同時に進めるべきであり、その結果IRを導入することが本当に正しい選択であるかどうかを検証することが大事である。IRを誘致したからと言って地域が活性化するという保証は全くない。地域によっては、IRを導入することがかえって地域の観光資源を破壊することにも繋がるので気を付けたい」と話した。

現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて国際観光客の増加に向けた取り組みが進められているが、少子高齢化・人口減が予想される日本社会においては2020年以降こそ観光産業の果たすべき役割は大きいとされ、IRに対しては新規雇用の創出や経済波及効果、税収増などの効果も期待されている。岡部氏は年間8,000万人の外国人観光客を受け入れている観光大国フランスに学ぶべきとして、「フランスには198カ所のカジノがあるが、地域の街の景観に溶け込んでおり一般にカジノがそんなにあるというイメージはない、日本もこういった点は学ぶべき」と指摘。フランスではカジノが文化活動を積極的に支援しており、パリ近郊のアンギャン=レ=バンにおけるルシアン・バリエール社の取り組みを示して「高収益なカジノが低収益になりがちな文化活動等を支援することで事業の安定化をはかり、地域雇用の創出を通じて町全体の活性化につながっている」と話した。

講演後は研究会参加者により講師を交えたディスカッションが行われ、出席した弁護士の市川氏は「カジノはギャンブルとしての良し悪しという議論に終始する傾向があるが、日本経済の活性化につながるのであればきちんと検討すべき」と話した。また、事業インキュベーションなどを行う還暦少年団の泉英毅氏は「IRではカジノを施設全体の一部分として、地域独自の文化や風土などを生かして他に真似されることのないものとすべき」と話した。今回の勉強会を企画したIR(カジノ)ビジネス研究部会代表 兼 株式会社JTOP IR推進室の古賀よしこ室長は「IRは年配の方の再雇用の場としても期待が高く、コミュニティーサロンとしても成立する」と話し、議論の進展に期待を示した(佐藤)

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