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谷岡一郎「カジノ反対派の形成とその対応策」 – 序:カジノ合法化の時代

2015-08-11

【IR資料室】

『カジノ反対派の形成とその対応策』連載にあたって

言うまでもなく大阪商業大学のIR*ゲーミング学会は(ギャンブリング*ゲーミング学会から改称)、日本のカジノ研究を牽引してきた。会長の谷岡一郎氏、副会長の美原融氏などは多くのIRフォーラムやセミナーに登場し、その啓蒙活動の多彩さは衆目の一致するところだ。

学会は10年以上前からアカデミックな取り組みも重視している。その成果の一端である学会誌が『IR*ゲーミング学研究』(『ギャンブリング*ゲーミング学研究』から改称)である。

今回はその中から谷岡氏の論文を掲載する。10年以上前の論文であるが、すでに現状を予想し、それに建設的に対応する方策を丁寧に述べている。
今読んでも、多くの発見があるはずである。内容以下のようになっているが、数回に分けて掲載する。(稲葉)

大阪商業大学 学長・総合経営学部 教授 谷岡一郎

カジノ反対派の形成とその対応策
―カジノ具体的プラン作成時における基本哲学と収益金の使途に関する提言-

<目次>
序:カジノ合法化の時代
Ⅰ:カジノに反対する人々
  主義・信条・哲学  利害関係  反対派の論拠
Ⅱ:反対の論拠について(コメント)
  ギャンブルは悪か  治安と風紀 暴力団の関与 青少年への悪影響
  ギャンブル依存の問題 社会的コスト雑感
Ⅲ:ラスト・リゾート
Ⅳ:収益金使途の哲学
  何のためのカジノか  収益金の使途
終章:イギリスの合法化に学ぶ

2004年9月『ギャンブリング*ゲーミング学研究』創刊号より転載

序 カジノ合法化の時代

2004年6月、自民党有志による「観光振興とカジノを考える議員連盟」が総会を開催。そこにおいていわゆるカジノ合法化法案(以下「カジノ法」もしくは「法案」という用語を適宜使用する)の骨子が承認され、日本におけるカジノ合法化はようやく具体的な形を持って世に問われることとなった。
早ければ2006年までに法案が通り、2007年か2008年頃には日本にカジノが登場している可能性がある。

法案が審議される過程において、必ず登場するのが反対派の声である。反対派自体が悪いのではないが、日本のそれは(カジノの問題に限らす)えてして誤解もしくは悪意に基づいた反対のための反対であるケースが多い。
たとえばギャンブルに関連した法案に関しては、すでに1999年に通過したスポーツ振興くじ(サッカートト)法案が前例として存在するが、ここにおける反対派の議論や戦術は、善意に解釈して「無知」、正直言って廃案に追い込むためには白いものを黒という戦術を用いた「悪意ある/犯罪的」行為ですらあったと考えている。
自分たちと運動方針を同じくする人々に尋ねたアンケートを論拠に大多数の人々が反対しているように見せかけたり、例外的な海外の事例を針少膨大に脚色するなど、正直言って確信犯的な欺瞞行為だった。
ある弁護士(S氏)などはNHKニュースで堂々と、「もしこのサッカーくじ法案が通れば、日本中の小中学校でノミ行為が始まるだろう」などと述べている。
筆者はサッカーくじに関する委員も務めていた関係で、一年間の施行の後PTA代表にも確認しているが、実際にそのような事例は一件も起こらなかったのである。

こうした無責任な者ばかりではないにしろ、カジノ法案通過プロセスで反対派は必ず登場し、その発言は真偽を無視してマスコミに取り上げられることになるだろう(マスコミの中には、真偽を知りながらも政治的意図を持って勝手な記事を創るものも存在することは、我々学問の世界に身を置くものは殆ど全員が知っていることだと思う)。

本稿の目的はまず、こうした反対派が形成されるプロセスを研究し、かつその考えうる反対の根拠(むろん考慮に値するものも含まれている)を整理することからスタートする。

目的の2番目として、法案が具体化していくプロセスにおいて、反対派グループとどう対応していくべきかを考える。この目的は反対派説得自体のノウハウよりむしろ、カジノ法案が何のために存在し、どのような内容なのかといった、より根本的な問題に帰するべきことである。
すなわち、もしカジノ法案が反対派の主張するように地域の現在と未来のためにならないなら、そもそもそのような法案は通過すべきではないからである。
別の言い方をするなら、プラスとマイナスを比較考慮してマイナスの方が大きいならば、カジノはスタートすべきではない。法律の原案を作成する指針として当局はプラスが限りなく大きくなるようなカジノ法案たるべきであり、根本哲学からスタートしてそもそもカジノ法はどうあるべきかを考えるべきである。
この分野は幸いにして、ネヴァダ州立大リノ校のドンブリンク教授、そして同じくラスベガス校(UNLV)トンプソン教授の手による『The Last Resort』(1990)という先行研究が存在する。
これを発展させたトンプソンの著作(1995)はアメリカにおけるカジノ合法化法案を「成功した(通過した)」法案と「失敗した(否決された)」法案に分類し、それぞれにおいてどのようなプロセスであったかを調査している。
この研究の結論はこれからカジノを考える自治体にとって参考になる内容だと思われるため、本稿内であらためて紹介することになる。

以上2点の目的から派生することとしてもう1点、将来カジノができたとして、当然得られるだろう収益金を「どう使うべきか」という問題がある。
これは法律の内容や出資の分担とも関連性があるため現時点で確定しうる問題ではないが、少なくても収益金使途の基本哲学、基本方針だけはあってしかるべきことである。
筆者の私見も含めて最後の結論部でこの問題を論ずるつもりである。ではまず、反対派の論点の整理からスタートすることにしよう。

カジノIRジャパン


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