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終盤国会へ向けて これまでの動きと今後の展望=カジノIRジャパン(3)

2015-08-19

宙に浮いたギャンブル依存症対策費

国内で536万人ともいわれるギャンブル依存症の問題については、国内のパチンコ産業や公営ギャンブル、宝くじといった既存のギャンブル産業と海外のカジノ産業とを冷静に比較する必要がある。

海外のカジノ施設では「レスポンシブル・ギャンブリング」という概念があり、運営事業者が独自に入場規制を定め、さらに予防教育や啓発活動および依存症者向けケアのための資金を負担することが通例となっている。これはギャンブル依存症という病気は依存症者本人がギャンブルに浪費したことが主な原因となっているため、対策費を税金からねん出することに対しては国民の理解を得ることが難しい。そのため、ギャンブルによって収益を得る事業者が負担すべきという考えが海外では一般的になっている。2010年にカジノを解禁したシンガポールにおいては、並行してギャンブル依存症対策を導入したことにより、国内のギャンブル依存症者数は減少傾向にある。

一方、日本のギャンブル産業では市場規模に対して対策費の負担額がわずかで、国および自治体においても十分な対策費が拠出されておらず、対策そのものが宙に浮いた状態だ。日本におけるIR導入の議論にあたってはこの点についても議論がなされており、IR議連の方針ではカジノ運営事業者が、ギャンブル依存症対策費のための資金を負担。これをもとに対策が行われることになっており、既存のギャンブル依存症者は大幅に減少する見通しだ。そのためシンガポールの事例と同様に、カジノ解禁による新たな依存症者増よりも対策導入による既存の依存症者減の方が大きいということになる。


今後、想定されるいくつかのシナリオ

IR推進法案の議論は今国会でどこまで進むのか。シナリオをいくつか想定すると、①衆参両院を通過(成立)、②衆院のみ通過(参院で継続審議)、③衆議院で審議(衆院で継続審議)、④審議時間が確保できず(衆院で継続審議)、⑤継続審議できず(廃案)の5通りがある。このうち、これまでの経緯などからすると⑤の廃案はまず考えられず、9月27日までの会期末を考慮すると①の法案成立も厳しくなりつつある。現実的には②から④のうちでどこかに落ち着くということになる見通しだ。今国会は現在も法案が残っていることを考えると、昨年よりも多くの審議時間が確保できるかどうか、踏み込んだ議論を行うことができるかどうかも一つの焦点になるだろう。関係者の側からすると、法案成立までの手続きがどこまで進められるかという点も引き続き注目を集めることになる。

新聞やテレビなど報道大手の政治関連のニュースでは安保などのニュースに押される形でカジノ・IRの文言がしばらく見られなくなっていたが、ここにきて再び登場することが多くなってきた。これは国会関係者の間でIRが話題として上がっていることの表れであり、その背景は安保法案や国立競技場問題がひと段落し、IR推進法案が検討段階に来ていることの証でもある。

IR推進法案が最初に衆議院へ提出された2013年秋の臨時国会においては、法案提出に向けた調整は会期末の12月5日までもつれ込んだ。会期は8日までだったがこの日は日曜日であったため、実質的閉会日の前日に法案が提出されていた。「政界は一寸先は闇」という言葉があるが、IR推進法案の議論がどこまで進むかということは、良い意味でも悪い意味でも引き続き国会閉会日まで紆余曲折があるものと思われる。(了)

カジノIRジャパン記者 佐藤亮平



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